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第104回 大学でポスドクをするか、大学以外の研究機関でポスドクをするか―迷ったときに考えたい4つの視点―

博士号を取得した後、多くの研究者が直面するのがポスドク先の選択です。

同じポスドクであっても、大学で研究を続ける道と、国立研究開発法人など大学以外の研究機関で研究を行う道では、研究環境やキャリア形成のあり方が大きく異なります。

もちろん研究テーマや受入先との相性も重要ですが、それだけで判断すると後からミスマッチを感じることもあります。

私のこれまでの経験から、ポスドク先を考える際の判断軸としては、次の4つが参考になるかもしれません。

  • 研究の自由度を重視するか

  • 研究以外の業務も経験したいか

  • 将来的にどのようなキャリアを目指すか

  • 個人研究を重視するか、組織的な研究を重視するか



① 研究の自由度を重視するか

大学のポスドクは、比較的自由な発想で研究を進めやすい環境です。

もちろん研究室やプロジェクトによりますが、

  • 自分の研究テーマを発展させやすい

  • 学会発表や論文執筆の自由度が高い

  • 将来の独立研究者を意識した活動ができる

といった特徴があります。

一方で、大学以外の研究機関では、

  • ミッション志向の研究

  • 組織として重点化された研究課題

  • 社会実装を見据えた研究

が求められることも少なくありません。

研究者としてどの程度の自由度を求めるのかは、一つの重要な判断材料になります。


② 研究以外の業務も経験したいか

大学では、

  • 学生指導

  • 授業補助

  • 研究室運営

などに関わる機会があります。

将来的に大学教員を目指す場合には、こうした経験が役立ちます。

一方、研究機関では研究活動そのものに集中しやすいといえます。

研究者としての専門性を磨くことを優先したいのか、それとも教育や研究室運営も含めて経験したいのかによって、適した環境は変わってきます。


③ 将来的にどのようなキャリアを目指すか

大学でのポスドクを選ぶ人の多くは、

  • 大学教員

  • 研究者としての独立

  • 競争的研究費の獲得

などを意識しています。

一方、研究機関でのポスドク経験は、

  • 研究職としての継続雇用

  • 大型プロジェクトへの参画

  • 産学官連携

につながる場合があります。

もちろん、大学から研究機関へ移る人もいれば、その逆もあります。

ただし、どの環境が自分の将来像に近いのかを考えておくことは重要です。


④ 個人研究を重視するか、組織的な研究を重視するか

大学では、研究者個人の発想や独自性が重視される場面が多くあります。

一方で、研究機関では、

  • 複数の研究者によるチーム研究

  • 長期的な研究プロジェクト

  • 組織として設定された研究目標への貢献

が中心となることが多いです。

どちらが優れているという話ではありません。

自分のアイデアを中心に研究を進めたいのか、それとも大きな研究プロジェクトの一員として成果を出したいのか。

研究スタイルの違いは、日々の満足度にも大きく影響します。


おわりに

ポスドク先を考える際、どうしても研究テーマや待遇、所属機関の知名度に目が向きがちです。

もちろん、それらも重要な要素です。

しかし実際には、

  • どのような研究をしたいのか

  • 将来どのような研究者になりたいのか

  • どのような環境で力を発揮できるのか

といった点も同じくらい重要です。

大学のポスドクと研究機関のポスドクには、それぞれ異なる魅力があります。

どちらが優れているかではなく、どちらの環境が自分の目指す研究者像に近いのか。

その視点から考えてみると、自分に合った選択が見えてくるかもしれません。

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