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第81回 研究分担者はどう作るべきか― 形式ではなく「設計」と「関係性」から考える ―

科研費の申請において、研究分担者をどのように設定するかは、多くの場合、後回しにされがちな要素です。

・とりあえず知り合いに声をかける
・分野が近い研究者を入れておく
・過去の申請内容を踏襲する

こうした形で決めてしまうことも、決して珍しくありません。

しかし、本来、研究分担者の設定は単なる形式ではなく、研究計画そのものの設計に関わる重要な要素です。さらに言えば、それは申請書の中だけで完結するものではなく、日常的な研究活動や人との関係性の延長線上にあるものでもあります。

本記事では、研究分担者の考え方について、「設計」と「関係性」の両面から整理してみます。



研究分担者は「人選」ではなく「設計」である

まず大切なのは、

「誰を入れるか」ではなく、「なぜその体制が必要なのか」

という視点です。

実績のある研究者や著名な研究者を分担者として加えること自体が、直接的に評価につながるわけではありません。審査において見られているのは、研究目的を達成するために、その体制がどのように構成されているか、という点です。

研究分担者は、いわば研究の実現可能性を支える構造の一部です。

例えば、

・必要な専門性が過不足なく配置されているか
・研究のスコープと体制が整合しているか
・新たな手法や展開が体制として示されているか

といった点に関わってきます。

一方で、

・役割が明確でない
・形式的に名前だけが記載されている
・研究内容と専門性が十分に対応していない

といった場合には、計画全体の説得力が弱まってしまいます。


研究プロセスから逆算して考える

では、どのように研究分担者を考えればよいのでしょうか。

基本となるのは、

研究プロセスから逆算することです。

まず、研究がどのような段階を経て進んでいくのかを整理し、その中でどのような専門性や役割が必要となるのかを明確にします。その上で、「その役割を担う人が必要かどうか」を検討していきます。

このような順序で考えることで、体制に自然な必然性が生まれます。


研究分担者は「関係の中で成立する」

ここまで設計の観点から述べてきましたが、実務的にはもう一つ重要な前提があります。

それは、

研究分担者は申請直前に新たに作るものではない
という点です。

そもそも、誰に依頼できるのかという点は、日常的な研究活動の中で築かれてきた関係性に大きく依存します。

そのため、

・学内の研究会やイベントに参加する
・専門の異なる研究者と積極的に交流する
・日頃から一定の関係性を築いておく

といった取り組みが、結果として研究体制の選択肢を広げることにつながります。


学内から広げていくという考え方

もし学外に知り合いが少ない場合には、無理に外部との連携を目指す必要はありません。

まずは、

学内で専門の異なる教員と関係を築くこと

が現実的な出発点となります。

また、専門の近い研究者を通じて分担者候補を紹介してもらうなど、間接的にネットワークを広げていくことも有効です。

一方で、すでに一定のネットワークがある場合には、

・他大学の研究者
・官公庁や企業の関係者
・海外の研究機関

へと関係を広げていくことで、研究の可能性はさらに広がります。特に国際学会への参加は、新たな接点を得るうえで重要な機会となります。


「分担者ありき」で考えない

ここで注意したいのは、

分担者を作ること自体を目的にしないことです。

本来は、

・日常的な関係性があり
・研究に関する議論の蓄積があり
・方向性が共有されている

という流れの中で、

「この研究であれば、この方にお願いできる」

という状態が自然に生まれることが望ましいと言えます。

この順序が逆になると、形式的で実質的な機能を持たない体制になってしまう可能性があります。


まとめ

研究分担者は、

・研究計画の設計として捉えるべき要素であり
・同時に、日常的な関係性の中で成立する

ものです。したがって重要なのは、

「どのように書くか」だけでなく、「どのような関係を築いてきたか」

という視点です。

科研費申請は研究者にとって数ある業務の一つではありますが、決して軽視することのできない重要な仕事です。そして、その完成度は、日常の研究活動の積み重ねに大きく支えられています。

研究分担者の設定は、そのことが端的に表れる部分の一つと言えるでしょう。

外部資金ジャパン

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