日米の業種分類と景気サイクルについて
今日は、日米の業種の対比についてまとめたいと思います。
業種分類について
【日本の業種分類】
良く知られている分類は、日本は東証業種別株価指数という33業種区分があります。下記の様な分類です。

この分類では細かすぎるので利便性から17業種に集約した 『TOPIX-17』というものもあります。

そして、この2つの業種は対比表も公開されているようです。

【米国の業種分類】
一方、米国での業種の区分は、GICS(Global Industry Classification Standard)による分類で11種に分けられています。

景気サイクル
良く知られた景気のサイクルと相場の関係に、上記の11業種を当てはめるとこんな感じになります

各相場の状況ですが、
相場は、下記の様なサイクルが繰り返されます。
不景気 ⇒好景気 ⇒不景気 ⇒好景気
景気って何でしょうか?
簡単に言えば、世の中のお金の量と流れのことです。
生き物の血液の循環と同じで、経済が活性するにはお金の循環が必要で、一箇所に固まっていては景気が悪くなります。
その役割を担うのが中央銀行です。彼らは政策金利と呼ばれる、銀行へのお金の貸付金利を変動させることによって、世の中のお金の循環をコントロールしています
景気サイクルの説明

【業績相場から逆金融相場へ】
景気が良い時は、世の中にお金が出回って、物が買われてどんどんお金が循環していきます。
これが行きすぎると、お金の価値が著しく下がるインフレと呼ばれる状況となります。
こうなると、金融当局は金利を上げてお金の循環を悪くしようとします。
また、中央銀行は市中のお金の量をコントロールするために量的縮小(テーパリング)も実施します。具体的には、量的緩和で買い入れたリスク資産を市中に売却し、お金を引き上げる行為です。具体例として「国債や社債の売却」が上げられます。
金利が上がれば、皆さんは銀行などの金融機関にお金を預けますよね?
企業は、高い金利の時にはお金を借りにくく、投資活動をひかえて徐々に景気の過熱感が冷めてきます。
こうすることによって、市中からお金が金融機関に集まって、世の中のお金の量が減ってきます。
【逆金融相場 ⇒逆業績相場】
上記のように、人が高金利の銀行にお金を預け、企業が投資を控えると、市中のお金量がどんどんと減っていき、景気が悪くなってきます。
企業は、ものが売れなくなるので業績は悪くなっていきます。株価も低迷するでしょうし、日本ではあまりありませんが、海外では『人員整理』等が行われ、収入のなくなった個人はますますお財布のひもを固くします。
これが行きすぎると、デフレと呼ばれる状況になります。
【逆業績相場 ⇒金融相場】
景気が悪くなってくると、金融当局は金利を徐々に下げて市中にお金が行き渡るようにします。
また量的緩和策(QE)を実施し、リスク資産を市中から買い入れて、お金を市中に流します。
逆金融相場の時と反対です。
個人は、低金利の銀行からお金を引き出して使おうとします。ローンを組んで家や車を買うかもしれませんね。
企業は、借入コストが下がっているわけですからお金を借りて設備投資をし始めます。人員を増やすかもしれませんし、新しく工場などの設備を増やすかもしれません。
徐々に景気が息を吹き返してきます。
【金融相場 ⇒業績相場】
金融相場で低金利でお金が市中に増え出し、個人も企業もお金を使い出すと景気が回り始めます。
株価も上がりますし、企業業績も回復して好業績になっていくことでしょう。世の中が好景気となり、明るいニュースもいっぱい飛び出すことでしょうね。
【格言と相場サイクル】
『強気相場は、悲観の中に生まれ、懐疑の中に育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく』
これは米の著名投資家である、ジョンテン・ブルトンの言葉とされており、原文は、下記です。
『Bull markets are born on pessimism, grow on skepticism, mature on optimism and die on euphoria.』
上記の相場サイクルで言うなら、下記の様なステージが当てはまるのではないでしょうか。
・悲観の中で生まれ ⇒逆業績相場
・懐疑の中で育ち ⇒金融相場
・楽観の中で成熟し ⇒業績相場
・幸福感の中で消えていく ⇒逆金融相場
【日米の考え方の違い】
上記は景気サイクルが教科書通りにうまく動いた場合の話です。
概ね、このようなサイクルで景気は回りますが、日本はなかなか景気が良くならず、デフレが30年近くも続きました。なぜでしょうか。
一つの理由は、企業がバブル期を経験し、倒産の危機に備えてお金を蓄えたからとされています。
この内部留保を優先することで、設備投資を控え、給与も上がらなくなるため、お金の循環が滞り、景気が改善しませんでした。
私が若い頃、給与を上げない代わりに雇用を守る文化がありました。中には給与を下げられたり、自社製品を半ば強制的に購入させられることもありました。日本特有の終身雇用文化が、お金の循環を悪化させた要因の一つと言えるでしょう。
一方、米国は異なります。
企業は好業績の際に多くの人材を採用し、積極的に投資を行います。その結果、業績が向上し、GoogleやAmazonなどのM7企業が誕生しました。
一方で、景気が悪化すると人材を迅速に解雇し、設備投資を削減する柔軟性を持っています。その結果、失業者が他の業種や企業に移り、スタートアップなどの新興企業が育つ契機になります。
例えば、M7で働いていた優秀な人材が他企業に再雇用されることで、そこで能力を発揮し、新たな価値を生み出します。そのような優秀な人材を企業は手放したくないため、給与が上昇し、結果的にお金がうまく循環します。この仕組みは非常に効率的だと思いませんか?
後半には、個人的な考えも含まれていますが、好景気と不景気の基本的なサイクルを理解いただけたかと思います。
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