【モンゴル】世界一でかい騎馬像の頭の上に立ったら、一面モンゴルしか見えなかった
エレベーターで馬の首まで上がると、目の前にチンギスハーンの背中があった。
ステンレスの巨大な背中。鎧の模様がくっきり見える距離。その向こうに広がるのは、地平線までずっと続く草原。建物がない。道路もほとんど見えない。ここから世界を征服しようと思った男が見ていた景色って、こんな感じだったのかもしれない。
いや、たぶん違うけど。

今日はグループツアーに参加する
モンゴル旅行6日目。前日までの遊牧民ホームステイ3日間を終えて、ウランバートルのホテルで文明のありがたさを噛み締めた翌日です。
この日はテレルジ国立公園への日帰りツアーに参加しました。Expediaで予約して、料金は約12,000円。チンギスハーン騎馬像、テレルジ国立公園の亀岩、アリヤバル寺院、ラクダ乗りに鷲の体験まで付いてるフルコースです。
前半の遊牧民ツアーは個人ツアーでガイドさんと2人旅だったけど、今回はグループツアー。他の参加者と一緒に回ります。英語ガイドのツアーなので、日本語は通じない。ちょっと緊張する。
朝8時、最初に乗り込んだのは僕だった
朝8時にホテルにピックアップの車が来ました。乗り込んだら、車内には誰もいない。僕が一番乗り。
次に乗ってきたのが、ブルガリア人のおじいさんでした。
最初はちょっとだけ英語で話してたんですが、向こうが僕が日本人だと気づいた瞬間、急に日本語に切り替わった。
「日本の方ですか?僕、日本に住んでるんですよ」
え、日本語ペラペラじゃん。
聞けば、今は日本で働いていて、日本語もバリバリ話せるとのこと。ブルガリア人なのに日本在住で日本語が流暢。モンゴルのツアーバスの中でこの人に出会う確率って、どのくらいなんだろう。
他の参加者もぞろぞろ乗り込んできて、車内が埋まっていく。ヨーロッパ系の人が多くて、日本人は僕だけ。参加者は全員ひとり旅。ひとり旅同士のグループツアーって、なんかいい。みんなそれぞれの理由でモンゴルに来てるんだなと思うと、ちょっと仲間意識が芽生える。
写真で見たやつの3倍でかい
最初の目的地、チンギスハーン騎馬像。ウランバートルから車で約1時間。
遠くからでも見えるんですよ。草原の中に、銀色の何かが光ってる。近づくにつれてどんどん大きくなっていって、駐車場に着いた時点で「でかい」を3回くらい言いました。

高さ40メートル。世界最大の騎馬像です。写真では何度も見たことがあったけど、実物の迫力は写真の比じゃない。台座の建物と比べるとサイズ感がわかるんですが、人間が豆粒みたいに見える。
博物館が意外と面白い
台座の中は博物館になっていて、モンゴル帝国の歴史に関する展示があります。
入ってすぐ目に飛び込んできたのがこれ。

でかい。とにかくでかい。モンゴルの伝統的なブーツを超巨大サイズにしたもので、装飾がめちゃくちゃ細かい。なぜ巨大ブーツを作ろうと思ったのかは謎ですが、インパクトは抜群。

歴代ハーンの肖像画がずらっと並んでるコーナーがあって、これが面白かった。チンギスハーンから始まって、フビライハーンとか、教科書で見た名前が出てくる。ガイドさんが英語で解説してくれるんですが、僕の英語力では3割くらいしかわからなかった。ブルガリア人のおじいさんが後で日本語で補足してくれて助かりました。
馬の頭の上からの景色
エレベーターで馬の首まで上がって、そこから階段で馬の頭の上にある展望台へ。
ここからの景色が、すごかった。
360度、全部モンゴル。草原と丘と空。それだけ。建物がほとんど見えない。駐車場の車が小さく見えるくらいで、あとは地平線まで何もない。
ブルド地域で見た草原も広かったけど、ここは高さがある分、スケール感が段違い。40メートルの高さから見る草原は、「広い」を通り越して「地球って丸いんだな」と思えるレベルでした。
風がめちゃくちゃ強くて、帽子が飛ばされそうになる。5月のモンゴルの風は冷たい。でも、この景色の前では寒さなんてどうでもよくなる。
草原からは山の国へ
チンギスハーン像を出発して、テレルジ国立公園へ向かいます。
車で走り始めてすぐ、景色が変わりました。

前半のブルド地域は見渡す限りの平地で、360度同じ草原がずっと続く世界でした。でもテレルジは山。岩山がごつごつそびえていて、谷間に木が生えている。同じモンゴルなのに全然違う景色。
ガイドさんが「テレルジはウランバートルから約70kmで、モンゴルで一番人気の国立公園です」と説明してくれました。確かに、ブルドに比べるとアクセスが圧倒的にいい。日帰りで来れるのは大きい。
亀岩、けっこうガチで登る
テレルジ国立公園に入って、まずは亀岩へ。
亀の形をした巨大な岩で、テレルジの象徴的なスポットです。「写真撮って終わり」くらいかなと思ってたら、ガイドさんが「登りましょう!」と言い出した。
え、登るの?
登りました。

これがなかなか大変で。ガイドさんは「どんどん行きましょう!」と先に進んでいくんですが、岩がごつごつしてて、足場が不安定。日本だったら「立入禁止」の看板が立ってそうな場所を、普通に登っていく。海外ならではの「危ないけど、まあ行っちゃえ」感。
ブルガリア人のおじいさんは、きつそうなところはパスして下で待ってました。賢い判断だと思う。若いヨーロッパ人の参加者たちは、僕と一緒にどんどん高いところまで登っていった。

頂上から見た景色がこれ。テレルジの山と谷が一望できる。登ってよかった。体力的にはそこそこきつかったけど、この景色を見たら全部報われる。
鷲を腕に乗せる
亀岩の近くで、鷲を腕に乗せて写真を撮れるサービスがありました。
革手袋を渡されて、腕を上げると、鷲が飛んできて腕に止まる。

重い。そして翼がでかい。広げると僕の身長くらいあるんじゃないかってくらい。腕に乗った瞬間に「うわっ」って声が出ました。爪がグローブ越しにでもわかるくらいしっかり食い込んでくる。
写真を撮ってくれるスタッフの人が「もっと笑って!」と言ってくるんですが、鷲が腕の上でバサバサやってる状態で笑顔を作るのはなかなか難しい。でもまあ、いい写真が撮れた。一生に一度の体験です。
108段の階段を登る
次はアリヤバル寺院へ。テレルジ国立公園の山の中にある瞑想寺院で、108段の階段を登って参拝します。108は仏教の数珠の数。

階段をひたすら登っていく。けっこうきつい。亀岩でも登ったのに、また登る。今日は登る日なのか。
でも、登り切った先の景色で全部チャラになりました。

すごくきれいだった。山と谷が見渡す限り広がっていて、空が近い。ここまで登ってきた達成感と、この景色が合わさって、「モンゴルに来たんだな」としみじみ思いました。
寺院自体もきれいな建物で、山の中にひっそりと佇んでいる感じが独特の雰囲気。ブルドの草原とも、ウランバートルの都会とも違う、また別のモンゴルがここにはありました。
ランチで仲良くなる。世間話の英語って難しい
ツアーにはモンゴル料理のランチが含まれていて、みんなでテーブルを囲んで食事をしました。
ここで他の参加者たちとちゃんと話す機会ができた。
…んですが、世間話の英語って難しいんですよね。
旅行の英語は意外となんとかなるんです。「チケットください」「これいくらですか」みたいなのは言える。でも「何の仕事してるの?」「モンゴルのどこが一番よかった?」みたいな雑談になると、途端に言葉が出てこなくなる。言いたいことの3割くらいしか言えてない気がする。
でも、不思議なもので、一緒にご飯を食べてお酒を飲んでると、言葉の壁ってだんだん低くなるんですよね。みんな違う国から来てるのに、モンゴルの話で盛り上がる。「亀岩きつかったよね」「鷲重かったよね」って。共通の体験があると、英語力関係なく仲良くなれる。
ブルガリア人のおじいさんとは日本語でずっとしゃべれたので、なんかホッとしました。異国の地で日本語が通じる人がいるだけで、こんなに安心するものなんですね。
もっと英語勉強しなきゃな、と思いました。帰国してからずっと思ってる。まだ勉強してないけど。
テレルジとブルド、同じモンゴルなのに全然違う
今回の旅で、ブルド地域とテレルジの両方に行けたのは本当によかったと思います。
ブルドは360度の草原。人工物がほぼ見えない世界で、遊牧民の暮らしに入り込む体験。静かで、広くて、夜は星空(見れなかったけど)。
テレルジは山と岩の世界。チンギスハーン像という巨大な建造物があって、亀岩に登って、寺院にハイキングして。グループツアーで他の旅行者と交流する楽しさもある。
どっちがよかったかと聞かれたら、正直選べない。全然違う体験だから。両方行けるなら両方行った方がいい。モンゴルの「静」がブルドで、「動」がテレルジ、という感じ。
次回は、モンゴルで食べたもの全記録です。吉野家のマトン丼に始まり、ラムしゃぶに終わった1週間。遊牧民のおばあちゃんの手作り麺から、お気に入りのホーショールまで。
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