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短編小説:餅は餅屋を突き詰めたら家族愛の話

こんにちは。不屈の屈葬です。
今回は「家族愛」がテーマの短編小説です。
そう、ことばとさん主催note界の異種格闘技戦「モノカキングダム」に参戦します!!

初参戦ですが、よろしくお願いいたします。
(本文:852字)

* * *

餅は餅屋を突き詰めたら家族愛の話

不屈の屈葬

私と妻と娘、三人での暮らし。決して裕福とは言えないが、笑いの絶えない毎日で満ち足りている。今日は結婚記念日。いつも支えてくれる妻と娘に、ちょっとしたお祝いをしてやりたい気分になった。

まずは、花屋に行った。
今日も色とりどりの鮮やかな花が並んでいる。花について詳しくないので、妻と娘の好きな色である赤と紫の花を選んだ。文字通り記念日に花を添えてくれそうな雰囲気だ。

次に、ケーキ屋に行った。
ショートケーキ、チョコレートケーキ、チーズケーキ……見た目も美味しいケーキたちが揃っている。悩んだ末に、ショートケーキをホールで買った。三人で食べるにはやや大きいが、今日くらい手加減せずにいこうと思った。

次に、吉野家に行った。
今日も色とりどりの吉野が並んでいる。記念日なのでちょっとだけ奮発し、いつもの白い吉野ではなく、カラフルな吉野を買ってみた。妻の喜んだ顔が目に浮かぶ。

次に、大戸屋に行った。
今日も今日とて大小様々な大戸が叩き売りされている。どの大戸も甲乙つけがたいクオリティだが、無難に中くらいの大戸にしてみた。これほどの大戸なら、娘も文句は言うまい。

次に、松屋に行ってみた。
初めてなのでおすすめを注文してみると、何と牛丼が出てきた。

何だこの世界線は!?

松屋と名乗っているくせに、何故かではなく牛丼を出す店なのだという。全くもって紛らわしい。私はふつふつと湧き上がる感情を抑え、できる限り紳士的に振る舞い、牛丼を食した。味はうまい。

気を取り直し、最後にすき家に行った。
LIKEからLOVEまで、様々な「すき」が並んでいる。しかし、今日はどれにするか迷う余地はない。結婚記念日だから、キザっぽく決めるに限る。
「マスター、この店で一番高いすきを!」
マスターは、微笑みながら答えた。
「全てのすきは、お代を頂戴しておりません」

——そうだった。
「すき」はいつでもプライスレス。その価値に値段をつけるなんて、できやしないのだ。

私はマスターに頭を下げ、バッグに「すき」をぎゅうぎゅうに詰め込んで、愛する家族の待つ家へと急いだ。

(了)

* * *

なお、この話も再生補修さんの記事を読んで思いついた話」です。
同志、いつもありがとうございます!!

ではまた!最後までお読みいただきありがとうございました!
あ、よかったらそこに「すき」お願いします。プライスレス。

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