不運の原因はわずかなズレ

あらゆる不運はほんのささいな「ズレ」から生じます。
わずかなズレだからこそ気づきにくく、気づいたときには大きな後悔になっている。
私たちの人生には多かれ少なかれ、そんな「ズレ」が潜んでいます。
逆に言えば、ズレに気づくことで幸運を選択することができます。

◇「ズレ」の破壊力

ズレの破壊力は大きい。

たとえば、道に迷ったときのズレ。
一本、曲がるところを間違えただけで、信じられないほど目的地から離れてしまうことがあります。進んだ先の道がわずかにカーブしていたり、路地を抜けるたびに少しずつズレが重なっていくためです。

人生においては、努力の方向性がズレると大きな失敗につながります。
夢や目標が叶わない原因の一つですが、それ以上に、ズレたまま努力して「間違った夢」が叶ってしまった場合の後悔が大きい。

恋愛や結婚においても、小さなすれ違い=ズレの蓄積が、破局の原因になります。

生活習慣のズレが積み重なると、身体と心が壊れます。

決断と行動のタイミングがズレると、幸運を取り逃がします。

ズレは気づかないうちに少しずつ積み重なっていくため、大きな影響となって表れます。
山登りでは「迷ったら引き返す」が遭難を回避するための鉄則として知られていますが、これは人生のあらゆる場面で応用できる法則でもあります。
ズレに早く気づいて軌道修正できれば、“運命の遭難”を防げるのです。

◇ズレに気づく力を高める方法

では、気づきにくいズレに、どうしたら気づけるようになるのか。
すべてのズレに気づくのは無理ですが、ズレに気づく力を高める方法はあります。

一つは、メタ認知能力を磨くこと。
自己客観視のレベルを上げることが、ズレの早期発見に効きます。
メタ認知能力を高める方法はいろいろありますが、シンプルで強力なのは「書く」習慣をもつことです。
日記などに自分の思考を書き出す、生活習慣のログをつける、問題や課題を分析してレポートにまとめる、感情を言葉で表現する、ただ思いついたことを紙に書き出すなど、頭のなかにあるものを書き出して眺める習慣によってメタ認知能力は強化されます。

そしてもう一つは、直感を無視しない練習です。
たいていの場合、私たちの直感はズレを見抜いています。しかし脳の仕組み的には、直感が無視されやすい構造があります。ズレが積み重なるとは、直感を無視し続けるということでもあるのです。
ですので、直感そのものを磨くというよりも、「直感を無視しない力」あるいは「直感に従う能力」を高めるのが重要となります。
そのためには「直感の筋トレ」が大切。直感に従う力は筋肉のように鍛えられるものなのです。

まず、直感を「判別」する練習です。
私たちが直感を得たとき、一瞬、急に頭が冷えます。一瞬だけ、冷静になる。冷める、と言ってもいいかもしれません。このスッと頭の熱が引くような感覚が、直感をつかめているときのサインです。
反対に、頭に血が上る、興奮する、パニックになるようなら、それは直感ではなく衝動です。衝動に従うとズレはより大きくなります。
直感に従うことと衝動的な行動は似て非なるもの。しかし、判別がむずかしいものでもあります。一瞬の冷静か、膨らんでいく興奮か。ここを観察することで直感の判別ができます。

次に、「理由がはっきりするまで待つ」のをやめる練習です。
直感に従うとは、言いかえれば、理由が明確になる前に動くこと。「理由」は思考による後付けです。それはしばしば、無自覚のこじつけに変じます。ここで、ズレる。
直感があったとき、理由が頭のなかで整理される前に動く。一瞬の冷静さがきている段階で行動する。これを繰り返すと、不運や後悔から逃げる瞬発力のようなものが上がっていきます。
理由を分析するのは、直感に従ったあとでいいのです。

直感は運命の選択において非常に重要なセンサーです。
このテーマについてはあらためて詳しく書こうと思います。

いいなと思ったら応援しよう!