ベネズエラ大統領を拘束と中国スパイ企業
2026/01/05
https://www.youtube.com/watch?v=PCiv5noXlAw
(深田萌絵)
今回はベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領の拘束事件と中国スパイ企業ファーウェイとの関係について、ジェイソンさんからお話があります。
*2026年1月3日にベネズエラ大統領が自宅で就寝中、米軍によって拘束されニューヨークの収容施設に送致された。
(ジェイソン・ホー / 訳 深田萌絵)
今回のベネズエラの事件は、皆さんを本当に驚かせたと思います。アメリカとしては、今回の作戦が大成功であったと発表しています。迅速かつ精確な攻撃であり、米軍兵士に被害は出ませんでした。民間の被害も最小限に抑えられたとのことです。アメリカ政府は今回の作戦を高く評価しています。誰も知らないうちに拘束が完了したのは凄いことだということです。一国の元首を拘束して連れ去るのは、それほど簡単なことではありません。
この事件について、トランプ大統領が善か悪かといった評価は今回のテーマではありません。今回お伝えしたいのは、なぜ米軍がそのような精密な攻撃ができたのかということです。もちろん諸外国に比べると、アメリカの兵器は最新技術が用いられており兵士も高度な訓練を受けています。アメリカ軍は他の国と比べ非常に強い力を持っています。しかし、ベネズエラに対する今回の作戦行動は、軍事的にみてこれまでにない、注目すべき大きな意味を持っているのです。これはAIが重要な役割を担った第一のケースなのです。
実は、マドゥロ大統領の日々の動きは、AIによって非常に精密に情報が収集され分析されていたのです。さらにAIはデータ収集を通じて、誰がマドゥロ大統領を助けに来るか、誰が助けに来ないかといったことについても正確な分析を出していました。このおかげで米軍は誰を排除すべきかについて明確な絵を描くことができたのです。AIは軍事施設などのファシリティというよりはむしろ、その中にいる人々の作戦行動に対する反応をかなり正確に分析したのです。
敵の施設や兵器システム、武器、装備を分析して調べるのは当然のことです。しかし、ある国の大統領をその国で逮捕するというのは別次元の話です。大統領にはSP(警護チーム)がおり、さらに軍隊が彼を守っているわけです。政府の中で強いネットワークも持っています。もし今回のような、外国の大統領を拘束して国外に連れ出すといった作戦行動を実施するとすれば、その施設内の人たちが取る行動の分析を正確にしておかなければならないのです。さもなければ悲惨な末路を辿ります。今回は、それをAIが助けました。AIが大統領周辺の人物たちのデータを収集し行動を分析したのです。
問題は、いかにしてAIがそのデータを収集できたのかということです。その手段は2つあります。
1つ目は彼らが使用するスマートフォンです。そして2つ目は無線ネットワークです。この2つの主要なツールを用いることで、分析する側は非常に多くのデータを集められました。
ここで、私たちは考える必要があります。ベネズエラが使っているのは、どこの会社の通信システムなのでしょうか。それは日本の経団連のメンバーでもある会社です。有名な中国の通信企業です。その会社とは、ファーウェイ(華為/Huawei)です。
ベネズエラは、ファーウェイ製のコミュニケーションネットワークシステムを使っていました。さらには同社製のスマートフォンも使っていました。マドゥロ大統領はかつて「ファーウェイ製のスマホを使っているので、アメリカは私の情報を収集できない」と自慢していました。彼は、アメリカ人はファーウェイのネットワークに侵入できないと考えていたのです。
通常であればファーウェイがここまで大きな失態を犯したとすれば、誰かがこの件について報道するなり責任を追及するなりするはずなのです。とりわけ作戦行動のあった日は、中国の要人がベネズエラを訪問していたタイミングだったのです。ファーウェイのネットワークシステムがこれほど脆弱であり、アメリカが簡単にハッキングして情報収集できるのであれば、アメリカも自慢げに宣伝するはずです。アメリカ国内でもファーウェイは個人の情報を無許可で収集している悪い企業だと言われているのに、アメリカはなぜこの機会に同社を批判しないのでしょうか。
表面に表れていることを見てみましょう。一見すると、ファーウェイが大失態を犯したように思えます。アメリカ政府によって、同社が製造したスマホとネットワークシステムから大量の情報が収集されたのです。それではファーウェイは、どこの会社のチップを使っているのでしょうか。ファーウェイが自社で製造しているチップもありますが、TSMC製のものもあります。ファーウェイはハイシリコン(HiSilicon/中国にある半導体企業でありファーウェイの子会社)と呼ばれる半導体の工場を持っています。ハイシリコンとTSMCは密接な繋がりがあります。彼らのウェブサイトを見ると、ハイシリコンとTSMCは二つの非常に重要な情報を共有していることがわかります。一つはシリコンフォトニクス(Silicon Photonics)の技術です。もう一つはCoWoS(Chip on Wafer on Substrate/TSMCが開発した2.5Dパッケージ技術)の技術です。もともとはソニーの技術でした。日本政府がソニーの技術を渡してしまったのです。今やファーウェイは世界No.1のシリコンフォトニクス技術を持ち、世界一のCoWoSの技術を持つ会社となったのです。TSMCとファーウェイで特許を持っています。彼らは対立・競合する関係にはありません。
ファーウェイがTSMCの技術を使っているとすれば、なぜそれほど脆弱だったのかということについて留意すべきです。
そこにはもう一つの可能性があるのです。それはファーウェイがAIの会社、特に防衛産業とつながるAI企業と連携している可能性です。
(深田)
ジェイソンさんは、この問題についてワシントンD.C.の友人に聞いたのですね。彼はエキスパートです。
(ジェイソン)
はい。彼の答えは、「ファーウェイはそれほど簡単にハッキングできるものではない」ということでした。ということは裏を返せば、アメリカのAI企業はファーウェイのネットワークやスマートフォンにフルアクセスできるということです。これは重大な意味を持つ問題です。
世界最大・最高のアメリカのAI企業が、アメリカの防衛産業と仕事をしているのです。何兆ドルもの利益を稼ぐプロジェクトになります。ファーウェイがAI防衛システムの中に入っているのです。これは面白い問題だと思っています。ワシントンD.C.の友人は、ファーウェイがアメリカの防衛産業で共に仕事しているとは言っていません。あくまで私の個人的な考えです。
友人は、「ファーウェイのシステムにハッキングするのは簡単ではない」と言いました。普通にスマートフォンにハッキングするといった類の、素人のハッキングの話ではありません。今回の事件は、AIがファーウェイのネットワークやスマートフォンにフルアクセスできることを示しているのです。繰り返しますが、簡単なハッキングの問題ではないのです。ファーウェイが、AI企業と連携していなければできないことなのです。
このことは私にいくつかの可能性を考えさせます。1つは北朝鮮です。まずい状況です。彼らはファーウェイのシステムを使っています。
(深田)
それをいうなら、日本もソフトバンクがあります。名前こそ違うものの実質的な中身は、ファーウェイです。しかもNTTも本社ビル(大手町ファーストスクエア イーストタワー)はファーウェイのビル(同 ウェストタワーにファーウェイジャパンのオフィスがある)と隣接して、中で融合してます。5GシステムをNTTとファーウェイが共同で開発しています。日本もまずいのではないですか。
(ジェイソン)
私は日本人のお金持ちの友人がいます。その人物がファーウェイのスマホを使っています。私は彼に「なぜスパイ企業のスマホを使うのですか」と尋ねました。彼は「私はファイナンス業界にいます。アメリカのIRS(Internal Revenue Service /内国歳入庁)が怖いです。アメリカに私の秘密を知られたくないから、ファーウェイのスマホを使っています」と答えました。今回のベネズエラの事件を見て、ファーウェイ製品を使用している人たちは、その製品を本当に信頼していいのか考え直す必要があるでしょう。
それでは中国はどうなのでしょうか。この話の詳細は公開の場では語れません。ちなみに中国の人民解放軍は、ファーウェイを使っていません。
(深田)
「無料だから」といって、米軍は使っています。人民解放軍は使っていないのに、他の国は喜んで使っているということです。政治は本当に難しいです。
(ジェイソン)
ガザ地区のハマスは、ファーウェイの製品を使っています。レバノンのヒズボラも使っています。
(深田)
ヒズボラが使っているファーウェイの通信施設や通信基地局を、イスラエルが爆撃しました。
(ジェイソン)
日本製のトランシーバーの連続爆破事件がありました(https://jp.reuters.com/world/security/TZLU67JKGZKVBA33JSMNXATSDY-2024-09-18/ )。
(深田)
あれもファーウェイの施設からコントロールされていたものでした。イスラエルの諜報機関モサドにハッキングされ、あっさり爆破されました。爆破のためには、トランシーバーの工場のラインにスパイを送り込む必要があったわけです。大変な作業だったと思います。
(ジェイソン)
トランシーバーだけでなく、通信システムもファーウェイ製でした。これは大変なことです。イスラエルが、ファーウェイのコミュニケーションシステムに完全にアクセスできたということです。
(深田)
モサドはすごいです。中国はモサドが怖いと思い、モサドの司令部に対し、ヒズボラにミサイルを撃ち込ませました。しかし、ミサイルは当たりませんでした。
(ジェイソン)
ベネズエラは、ファーウェイがいかに素晴らしい企業かということに関して、疑問を抱かせる第一の事例となりました。北朝鮮はどうなるでしょう。金正恩が何を言い、何をしているかは全てスマホ経由でアメリカのAI企業に漏れているわけです。アメリカ政府というよりは、アメリカの非常に強力なAI企業です。
(深田)
Pがつく企業です。
アメリカが強いのと中国が強いのとでどちらが良いかと言えば、日本人としてはアメリカが強い方が安心感があると思います。しかし、日本の総理もまずい状況にあるのではないですか。麻薬の密売とインフレで国民を苦しめたことを理由に、その国の大統領を拉致してアメリカに送致するというのなら、日本の政府もフェンタニルの原料の輸出に関わっているわけですから。
1月後半には、ジェイソン・ホー氏による講演会があります。そこでは、全て実名でお話しできます。
詳細をお知りになりたい方は、1月の講演会にぜひお越しください。
