見出し画像

フジトラを支えた「Purpose Carving」でお客様がカルチャー変革に挑む!!

突然ですが、皆さんは自分自身の「パーパス」について考えたことはありますか?
そもそもパーパスという概念自体がピンとこない」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
 
こんにちは、今回の記事を担当するフジトラ探検隊のタムカイことタムラカイです。
 
私たちの考えるパーパスとは存在意義・存在目的のこと
ちなみに、私のパーパスは「世界の創造性のレベルを一つ上げる」で、この言葉を日々の仕事や、生活する中でのよりどころにしています。
 
いま、富士通社内ではこんな風にパーパスで自己紹介するシーンをよく見かけます。
このように富士通社員一人ひとりが個人のパーパスを語るようになったきっかけでもあり、フジトラの代表施策の一つである「Purpose Carving」は、いまや社内の取り組みの枠を超えて、社外にも賛同してくださる方が増え始めています。
 
今回の記事ではそんな富士通におけるパーパスのこれまでと現在地、そして実施いただいたお客様の事例について、本プログラムをデザインした私タムラの視点も交えながらご紹介させていただきます。


あらためてパーパスカービングとは

Purpose Carvingは、この連載の1記事目でも触れられている通り、個人のパーパスを言語化するための対話プログラムです。

得られる効果は大きく2つあります。

1つは、自分の人生を振り返り参加者同士で想いや価値観を聞きあう中で生まれる関係性構築です。
現在は組織の立ち上げやプロジェクトのキックオフなどで活用されることも多く、フジトラ推進チームでは「全社変革」という正解のない未来へ向かうためのチームビルディングプログラムとして実施されました。

もう1つは「パーパス」という多くの人にとってなじみの薄い概念を、自分ごととして理解できる点です。
富士通では全社変革にあたって行動規範Fujitsu Wayが刷新され「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」というパーパスが制定されましたが、当初は社内でも困惑の声があがっていました。
ただ、様々な声を丁寧に紐解いてみると、それは内容に対してというよりも「パーパスという新しい概念に対する戸惑いである」というインサイトが得られたのです。

そこで「自分のパーパス」を考えることで「パーパスという概念自体」に触れ、さらに自社のパーパスに対して理解を深めるという狙いをもってこのプログラムがデザインされました。

個人のパーパスは必ずしも会社のパーパスと一致するとは限りません。むしろそれぞれ別の存在として違うことのほうが当たり前です。だからこそ、他者や自社のパーパスとの接点を見出すことで、その合力を変革の原動力にする。
プログラムはもちろん、この考え方についても私たちが独自に作り上げたものです。
 
Purpose Carvingという名称は「自分自身の中にあるパーパスを彫刻する(Carving)」というコンセプトから名付けられたものですが、プログラム自体も彫刻になぞらえて大きく5つのステップでデザインされています。

①掘り起こす:パーパスの原石である自分自身の人生を振り返る、ライフリフレクション
②光をあてる:参加者同士の相互インタビューで新たな発想や気づきを得る③彫りだす:個人のパーパスを言語化する
④持ち寄る:お互いが言葉にしたパーパスを持ち寄り鑑賞する
⑤磨き続ける:言葉にしたパーパスを元に行動し、パーパスと向き合う

元々はDAY1、DAY2の2回構成でしたが、現在は1DAYバージョンでも開催されています。
メインとなる相互インタビューは、お互いの人生と大切にする価値観について聞いた後で、あらためて組織のパーパスと向き合い、最後に聞き手から話し手に対して「言葉のギフト」を贈る、という構成になっています。
自分についての振り返りを傾聴し合うことはもちろん、対話相手からの言葉によって新たな自分の一面を感じられる点が、参加者の体験価値向上につながっています。

さて、ここまでの内容は過去の記事などでも触れられている内容ですが、後半では富士通内での実践に加えて、実際に体験されたお客様の声をご紹介したいと思います。

富士通ではグループ全体のDX活動を共有するため、2020年から3か月を1サイクルとして全員参加型のFujitsu Transformation Nowという社内イベントを開催しています。

今回は2024年11月15日に開催されたFXN Cycle17にて、大阪国際がんセンターの辻井さん、山根さんをゲストとしてお迎えし、富士通CHRO平松が登壇したセッションの内容をご紹介します。

富士通の人事制度とPurpose Carving

冒頭でお伝えした通り、元々Purpose Carvingは全社展開を目的にした人事施策ではなく、フジトラプロジェクト推進チームで関係性構築を目的として最初期に行った取り組みの1つでした。

この取り組みを進める中で、個人のパーパスについて考えることが会社のパーパスに対する理解度を高めることをメンバー全員が確信し、フジトラとして全社展開の提案を行いました。
ちなみに、この時に展開方法として経営層が自ら率先する「TOP FIRST」というコンセプトが生まれました。

提案を受けたCHRO平松も最初は「個人のパーパスを話すことでどんな意味があるだろう?」と戸惑いはあったそうですが、実際に自分自身が部下とともに体験する中で、過去の経験と現在の自分とのポジティブな接続、そして何より部下から送られる言葉のギフトによる信頼関係の深まりを感じながら、個人のパーパスの重要性を実感し、全社展開が決定しました。

一方で、Purpose Carving単体では効果が薄れる可能性があるということで、人事部門としてパーパス実現のために刷新した人事制度「Connect」の要素に「個人のパーパス」が組み込まれました。

「Connect」では従来の目標管理評価制度を刷新し、富士通のパーパス、組織ビジョン、個人の成長ビジョンをすり合わせ、個人の行動や学びを総合的に評価します。

評価では、上司との丁寧なコミュニケーションとフィードバックを重視し、納得性を高めることを目指しています。この制度により、個人のパーパスが日々のコミュニケーションや人事制度に活かされ、持続的な効果が生み出されています。

パーパスがキャリア形成に活かされている例として、富士通は2020年からジョブ型人事制度に移行し、社員一人ひとりが自分のキャリアを自律的に築いていくことを目指しています。その仕組みを支える重要な要素として、社内公募制度「ポスティング」を大幅に拡大しました。

その結果、国内8万人いる社員のうち、2020年から4年間で2万7千人がポスティングに応募、1万人が合格して部署異動を果たしました。これは、社員が自身のパーパスを意識し、主体的にキャリアを選択しようとする動きが活発化していることを示す、重要な指標となっています。

実際に、私タムラの周りでも社内インターン制度「Jobチャレ!!」 や、ポスティングで異動した方が何人もいますが、冒頭でお伝えした通りその方の自己紹介が個人のパーパスから始まることがほとんどです。

このようにして富士通自身の変革が進む中で、お客様に実践事例をご説明させていただく機会も増え、実際に導入いただくケースも生まれてきました。そのうちの1つが今回ご紹介する大阪国際がんセンター様の事例です。

大阪国際がんセンター様での実践

大阪国際がんセンター様からは、医療の高度化と持続可能性の確保に向けて、カルチャー変革が経営課題であるとの背景から、富士通の全社変革プロジェクト「フジトラ」に関心を持っていただき、取り組みの紹介をさせていただきました。

担当した富士通のビジネスプロデューサー澤村はその時のことをこう語ります。

「当時病院長を務められていた左近先生(※現名誉病院長)から、『フジトラについて教えて欲しい』とのお声がけがあり、驚きと同時に、医療業界は専門性が高いだけに富士通の取り組みが参考になるだろうかという不安もありました。
しかし、お話をしていく中で垣間見えた先生の中にある危機感に対して、私たちだからできることがあるのではと感じるようになりました。
その後、ご紹介いただいた看護部長の山根さんの持つ組織と一人ひとりの職員の皆さんに対する愛情に強く共感し、この想いをなんとか形にできないかと思いました。」 

そこでPurpose Carvingに焦点を当ててご説明したところ、一人一人の意識変革をいかに促すかという内容に強く共感いただき、山根さん自らパーパスカービングを実施してみた結果、何とも言えない満たされた感覚を経験され、是非とも次は他の職員にも経験してほしいと思い、看護部の副看護部長や師長など幹部クラス28名で実施を行うことになりました。

展開に当たっては、2段階のプロセスを踏みました。

STEP1として富士通が推進役となる副看護部長7名のパーパス言語化をファシリテートし、体験を通してコンセプトを理解いただいた上で展開可能な状態になっていただきました。
そして、STEP2で推進役の7名が自組織の21名の師長に対してインタビューを実施するという流れを実施しました。
このようにプログラムとファシリテーションが再現可能な形でデザインされており、組織内で展開しやすいことはPurpose Carvingの特徴の一つです。

実際に体験された山根さん・辻井さんからは以下のようなコメントをいただきました。

「新しいことが好きなので、実施が楽しみでした。過去の経験を振り返るリフレクションは楽しく、そういえばこんなことがあったなと、様々な思い出が蘇りました。言葉のギフトをいただき、気づかなかった自分、未知の自分を知ることができ、今まで以上に前向きに、自信を持って仕事に取り組めるようになりました。」(山根さん)

「パーパスを言語化するのが少し難しかったですが、自分のパーパスだけでなく、相手のパーパスを聞くことで、過去と現在とのつながりを感じると、そのことを言葉のギフトとして伝えたい気持ちになり、お互いを深く知ることができました。」(辻井さん)

さらに大阪国際がんセンター様では昨年度からワークエンゲージメントの向上が目標にあり、その実現について悩まれていたそうですが、この点に関しても

「Purpose Carvingでエンゲージメントがすぐに上がると思っていませんが、自分の価値観や存在意義を再確認することで、行動変容のきっかけとなり、エンゲージメント向上につながると考えています。最近行った職員満足度調査では、特に看護師長以上のスコアが高く、効果があったのかなと感じています。今後、他の職員にも展開することで、全体のエンゲージメント向上に繋がることを期待しています。」(山根さん)
というコメントをいただきました。

まずは看護部様での実施からスタートし、引き続き富士通は大阪国際がんセンター様の組織変革をサポートさせていただく予定になっています。

セッションの最後には富士通のデザインセンターに所属するグラフィックカタリスト松本によるグラフィックレコーディングが共有され、「Purpose Carvingを通して、まるでお互いの人生を追体験するような感覚の中で新たな発想や気づきを得てよい関係性が生まれ、エンゲージメントによい効果をもたらすのではないかと感じる」とフィードバックがありました。

セッションの全体についてはこちらのアーカイブをご覧ください
【『ひとりひとり』のパーパスが組織を変える!大阪国際がんセンター看護部の実践に見た「最幸の組織」の創り方】FXN(FujitsuTransformationNow)Cycle17 社外公開セミナー

Purpose Carvingのこれから

フジトラ発足時に生まれた「Purpose Carving」は、私たちの当初の想像を超えた大きな取り組みとなりました。

最新の全社サーベイでは、実に約84%の社員が「会社のパーパスを認識・理解している」と回答しています。
これは、Purpose Carvingが富士通の文化に深く根付き、社員一人ひとりの行動に影響を与えていることを示していますし、だからこそ社外のお客様にも伝えられるものにもなりました。

しかし、パーパスを言葉にすることが目的ではありません。重要なのは、そのパーパスを理解した上で、パーパス・ビジョンを実現するために、一人一人が主体的に行動し、意思決定を行うことです。

富士通では、この次のステージとして、新たな対話プログラム「Decision Crafting(ディシジョン・クラフティング)」を展開し始めています。これは、パーパスを起点として、自分自身がどのように意思決定し、行動していくかを支援するプログラムです。
「Decision Crafting」についても、このnoteの記事でお伝えできればと考えています。
富士通の変革の軌跡と、その未来への展望にご期待ください。

【今回のフジトラ探検隊員】
タムラカイ:コンセプトデザイナー
UI/UXデザインをキャリアのスタートとしつつ、個人活動ではラクガキライフコーチ/グラフィックカタリストなどとしても活動。フジトラ発足時からプロジェクトに参画し、「Purpose Carving」をはじめ、様々な施策を企画・デザインしてきた。通称タムカイ、トレードマークは水玉。

おすすめ記事


富士通 広報noteについてメディア取材ご希望の方は以下よりご連絡ください。 ご利用環境により、以下ボタンが反応しない場合は、<fj-prir-note@dl.jp.fujitsu.com>をご利用ください。