古着屋に服を売りに行ったが、あまりの安さにしょぼくれる。
#20250614-545
2025年6月14日(土)
天気予報を見て、それからスマートフォンの雨雲レーダーを確認する。
――うん、なんとか午前中はもちそうだ。
今日雨が降らなければ、ノコ(娘小6)を習い事に送り出した後、自転車で古着屋へ行くつもりだ。
衣類は仕分けてきれいに畳み、IKEAの大きなファスナー付きバッグ――縦25cm横40cm高さ46cm――に入れてある。
即、出発できる。
古着屋は自転車で10分の国道沿いにある。
以前持ち込んだときは査定に時間がかかったので、今日はバッグに本とpomeraと水筒を入れて、準備万端だ。空模様さえもてば、待機できる。
衣類は25点。
状態はいいが、「もう着ない」とやっと踏ん切れたものを詰め込んだ。
――柄は好きだけど、襟ぐりのかたちが気に入らない。
――デザインは好きだけど、さすがにもう似合わない。
――これを着ていた頃の体重に戻りたいけど、戻れない。
「査定に30分ほどお時間をいただきます」
古着屋の店員がさらりとそういった。
30分で済むのか。しかも、査定が終了したら、スマホにSMSで知らせてくれるという。天気さえ怪しくなければ、少し戻ったところにあるファストフード店でコーヒーを飲みながら本を……と妄想してしまうが、まだ買い取り額がわからない。赤字になる可能性は大だ。
30分なら、店内をぷらぷらしていれば経ってしまう。
――あ、この真っ赤なワンピース可愛い。ラインがきれいだな。でも、ポケットがないのは不便か。
――この辛子色のワンピもいい。夏はやっぱりワンピだよなぁ。最近の夏は暑過ぎて、パンツを穿いていられないもん。
――なに、この水玉Tシャツ! 襟ぐりの広さもいいし、着丈が短いけど、スカートに合わせれば。
いやいやいや、すべては買い取り額が出てからだ。
ワタクシは堅実なので、「取らぬ狸の皮算用」はしないのだよ。
雨は昼過ぎからといっていたのに、突如わいた雨雲がどんどん接近してきた。
はやく査定額を!と思った瞬間、ポケットのなかのスマホが震えた。
足早に買取カウンターに向かう。
「査定額はこちらになります。ご了承いただけるのなら、こちらをご確認の上、個人情報の入力と身分証明書のご提示をお願いいたします」
店員がタブレットを指差していう。
454円!
454円!!
454円!!!
何度見たって変わりゃあしない、454円。
買取を断って持ち帰るのもアリだ。だが、これをまた仕分けて、インターネットのオークションサイトで売れそうなものを見繕って、写真を撮って、説明文を書いて、売れたら梱包して発送して。
あたしゃ、手間を買ったんだ!
心のなかでそう叫ぶ。
454円だと、目をつけた服のなかで一番安価な水玉Tシャツ税込み550円も買えやしない。25着おさらばしたのだから、1着増えても構わない気もするが、なんだか赤字が出るのが腹立たしい。
店の外に出ると、降りはじめた雨が大粒で焦る。
慌てて自転車にまたがり、ガシガシこいで家に向かう。
私は濡れるのが非常に、非常に、苦手だ。雨の日は、むーくん(夫)とノコが普段通りの服装であっても、私だけレインブーツにレインコート、防水バッグで外に出る。
その私が!
雨のなか!!
濡れながら自転車をこぐ!!!
心のなかは、大泣きのショボンショボンだ。
家に着くと、急いで自転車にカバーをし、濡れた服を脱ぎ捨て、部屋着に着替える。
むーくんにLINEを入れる。
いかに私がしょぼくれているのか訴える。
買取額がすぐ目につかないよう、改行を重ねてもったいぶったが、LINEが表示する時系列は、下部が新しいため意味がないように思う。未読メッセージまで戻って、上部から時間の流れに沿って読んでくれればいいが。
そう。
私は写真を撮って、説明文を考えて打ち、売れれば梱包して、発送する手間を売ったんだ。
袋1つ分、場所が空いたのは事実だ。
いいの、いいの、と自分をなぐさめつつも、近々自転車を飛ばして水玉Tシャツを買いに行きそうな私がいる。
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