「PTA活動」をなくしたら、人が集まらない。
#20250610-541
2025年6月10日(火)
はじめは都内からだっただろうか。
小学校の「PTAをなくした」という話を目にするようになった。ニュースやインターネットの記事や投稿でちらほらと。
里子のノコ(娘小6)が通う小学校には、PTAがある。
ただノコの入学が新型コロナウイルスの流行がはじまった頃で、学校行事はもちろんPTA活動も中止になった。
ノコの正式委託は幼稚園年長児と中途半端な時期だった。早速幼稚園に入れたものの、まわりの保護者はすでにグループができていた。卒園まで半年ばかりだったので、不便を感じながらも――年長児となると恒例行事のお知らせが直前で、用意する持ち物の見当がつかない我が家は慌てることがあった――まぁ、割り切って過ごした。
小学校には同じ幼稚園からの子どもたちもいたが、幼稚園で保護者と知り合う機会を逃した私は、知り合いがほぼいないまま小学校生活がはじまった。
PTA活動の中止は、気軽だったが、またもや保護者の知り合いを作るきっかけを奪われた気持ちにもなった。
新型コロナウイルスの流行もだんだん落ち着き、5類感染症に移行した4年生あたりから、少しずつ学校行事もPTA活動も復活していった。
すでに小学校経験4年目なのに、行事やPTA活動については1年生の保護者気分。参加するものが多く、改めて保護者の出番が多いことを知った。
ノコが通う小学校は、一家庭一役。
なにかしら活動に参加せねばならなかった。
立候補者がいなければ、ジャンケンやくじ引きで役が決まる。ときに、負担が大きいと聞く役に当たった保護者が「無理です、無理です」と泣き出すこともあった。
PTA役員決めは、1学期最初の授業参観後に開かれる懇談会で行われた。
――どのみち一役はせねばならないのだから、少しでも活動しやすいものでありますように。
そんな保護者の願いが会場である体育館の空気を重くしていた。
世の中は、共働き世帯が増えていった。
新型コロナウイルスを機に在宅勤務も広まったが、職種によってはまた出勤スタイルも復活していった。
PTAは時代の流れを鑑みてか、一家庭一役を廃止。
運動会などの行事の手伝いは、その都度ボランティアを募集するかたちになった。
海外では(ごく一部の国かもしれないが)その気軽手軽さに参加者が集まると聞いたことがあったが、ここの小学校はそうではなかったようだ。
学校の連絡アプリからボランティア再募集の知らせが届いた。
ボランティアが募集人数に達しなければ、行事の中止もありうるとあった。
デジタルだけではアピール力が弱いと思ったのか、紙でのお便りも配られた。
結局、人数は集まらなかったが、子どもたちが楽しみにしている行事のため実行するという。募集締め切り後であっても、参加できる方は「連絡をください」と締めくくられていた。
昨年度、私は1年を通じて活動する役に手を挙げた。
過去にやったことのある役で勝手がわかっていたのと少しでも学校と関わりたいと思ったからだ。
だが、今年度は見送った。
ノコも小学6年生となり、小学校生活も最後になるがやらない。
なぜなら、活動できると思った昨年度は、途中父が亡くなり、その手続きに追われた。右手首も骨折した。なんやかんやと次から次へと起きた。
「なにもない」と思った昨年度がそうだったのだ。
父の手続きもようやく終わりが見えてきたが、この後もお墓のことや母がいつまでひとり暮らしできるかなど、考えねばならないことが続く。それがわかっているのにPTAにまで手を挙げたら、自分の首を絞めかねない。
やると決めたのに、結局できなかった昨年度は「無理せずに」といたわりの言葉もたくさんいただいたが、正直苦しかった。
はたと気付く。
行事の度に募るボランティア制にしたのに、人数が集まらないのは、国民性かもしれない。「気軽に」といわれても手を挙げれば、まっとうせねばならないという責任感が生まれる。
おそらく日本人は「気軽に」役割を担うことが難しいのだろう。
また職場環境もあるだろう。
子どもの行事のために、ちょこっと勤務時間を変更することが厳しそうだ。
「気楽に」「手軽に」「なんとかなるさ」。
それが学校に通う子どもの保護者という立場になった途端、身動きが取れなくなる。
「できる人がやればいい」といっても、結局その「できる人」があれこれ背負うことになる。
「ゆるく、少しだけ」をたくさんの保護者が役割を持てばPTA活動もまわるのかもしれない。
ハードルを低く。
やることを分割して。
だが、「やらずに済むことはやりたくない」が本音。
そこを「だけど、やろうか!」に反転させるにはどうしたらいいのだろう。重い重い腰を「オイショ」と上げるパワーは何だろう。
「楽しさ」と「負担の少なさ」、それからちょっぴりでも「得るものがあること」あたりか。
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