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【疑問】なぜ人は、“今が一番つらい”と思ってしまうのか?

苦しい時、人はよくこう思う。
今が人生で一番つらい。
もうこれ以上は無理だ。
ここから良くなる気がしない。

その感覚は、とてもリアルだ。
大げさでも甘えでもない。
本当にそう感じてしまう。

なぜ人は、今の苦しみを
人生最大の苦しみだと思いやすいのか。

理由の一つは、
“現在進行形の痛み”だからだ。

過去のつらさは、もう終わっている。
受験で苦しかった時期。
失恋して眠れなかった夜。
仕事で追い込まれた時期。

当時は地獄でも、
今は思い出として整理されている。

でも今の苦しみは違う。
まだ終わっていない。
出口も見えない。
明日も続くかもしれない。

だから重く感じる。

二つ目は、比較対象が消えるからだ。

余裕がある時、人は冷静に見られる。
昔も大変だった。
あの時も乗り越えた。
今回も何とかなるかもしれない。

でも心が弱っている時は、
視野が狭くなる。

今の問題だけが巨大に見える。
他の記憶は小さくなる。

トンネルの中で、
出口より壁しか見えない状態に近い。

三つ目は、孤独感だ。

苦しい時ほど、
自分だけ取り残された気がする。

周囲は幸せそう。
SNSではみんな順調そう。
笑って暮らしているように見える。

すると、自分の苦しみだけが
異常に思えてしまう。

でも実際には、
見えないところで誰もが何かを抱えている。

表に出していないだけだ。

そしてもう一つ大きいのは、
人は未来が見えないと痛みに弱くなることだ。

終わりがわかっている苦労は耐えやすい。
試験は来月まで。
繁忙期は今月まで。

でも、いつ終わるかわからない苦しみはつらい。
人間関係。
仕事の閉塞感。
家庭の悩み。
将来への不安。

期限のない痛みは、心を消耗させる。

ただ、ここで覚えておきたいことがある。

過去にも、
あの時が一番つらいと思った日はあったはずだ。

でも今、生きてここにいる。
乗り越えた記憶は、
苦しみの最中には思い出しにくいだけだ。

今が一番つらいと感じる時、
本当に必要なのは根性論ではない。

今日だけ見ること。
一日だけ進むこと。
休めるなら休むこと。
誰かに話すこと。

未来までまとめて背負わないことだ。

人は、今の痛みを最大に感じやすい。
それは弱いからではない。
生きている感覚が正常だからだ。

だから、今が一番つらいと思う夜があってもいい。

ただ、その感覚が
人生の最終結論とは限らない。

夜が深いほど、
朝はまだ見えていないだけかもしれない。

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