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土に還る声 第1話 ひまわり #創作大賞2026

 庭に、二十本のひまわりが咲いている。
 私は一本一本に水をやりながら、話しかける。

「舞、今日は機嫌がいいわね」
「優佳、今日もとてもきれい」
「冴子、どうしたの?元気がないわ」

 そんなふうに、毎朝、語りかける。
 でも、ある日、三本のひまわりが枯れてしまった。

 由美、明菜、巴――かつて私の友達だった三人。
 私は箱から三つ、人形を取り出した。
 
 それぞれ、彼女たちに似せて作ったもの。
 髪の色、服の模様、目の形――全部、覚えている。
 枯れた花を見つめながら、私は静かにつぶやく。

「……人形、今度はどうやってに埋めようかしら」

 三人とも雪が好きだった。仲良しだったころは雪合戦をしてあそんだわ。
 私は製氷機から、氷を出してかき氷をつくった。
 三つの人形を、ひまわりの根元にうめ、その上からかき氷を大量にまく。

 三日後、三人と親しかった人からメールが届いた。
 由美、明菜、巴――三人とも、海外のスキー旅行中に雪崩に巻き込まれて亡くなったという。

 私は、枯れたひまわりの根元にしゃがみこみ、そっと土を撫でる。
 
「やっぱり、この方法でよかったのね」
 風が吹いた。 残りの十七本のひまわりが、静かに揺れた。
 まだ埋まっていない十七個の人形が、箱の中で待っている。



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