たかが手洗い、されど手洗い。感染症から自分と大切な人を守る「正しい手洗い」の基本
毎日何気なく行っている「手洗い」。子どもの頃から「外から帰ったら手を洗いなさい」と言われて育った方も多いでしょう。しかし、その手洗い、本当に正しくできていますか?
新型コロナウイルスやインフルエンザ、ノロウイルスなど、私たちの身の回りには目に見えないウイルスや細菌が潜んでいます。今回は、感染症予防の基本中の基本である「手洗いの大切さ」と、意外と知られていない「正しい手洗いの方法」について詳しく解説します。
なぜ手洗いがそんなに大切なの?
私たちの手は、日常生活の中でさまざまなものに触れています。ドアノブ、電車のつり革、スマートフォンの画面、エレベーターのボタンなど、一見きれいに見える場所にも、実は多くのウイルスや細菌が付着している可能性があります。
感染症の多くは「接触感染」によって広がります。ウイルスが付着した手で自分の目や鼻、口を無意識に触ってしまうことで、体内にウイルスが侵入してしまうのです。つまり、手洗いは「ウイルスを体内に侵入させないための最初の防波堤」と言えます。
厚生労働省のデータによると、手洗いの方法によってウイルスの除去効果には大きな差が出ることが分かっています [1]。

流水だけで洗うだけでも効果はありますが、石鹸を使って丁寧に洗うことで、ウイルスの数は数個レベルにまで激減します。手洗いは、科学的にも証明された非常に強力な感染対策なのです。
手洗いのタイミング:いつ洗うべき?
手洗いは「こまめに」行うことが推奨されていますが、特に以下のタイミングでは必ず行うようにしましょう [2]。

• トイレの後:排泄物に含まれるウイルスや細菌を洗い流すため。
• 調理の前後、食事の前:食べ物を通じてウイルスが体内に入るのを防ぐため。
• 咳やくしゃみ、鼻をかんだ後:自分の飛沫に含まれるウイルスを他の場所に広げないため。
• 外出先からの帰宅時:外から持ち帰ったウイルスを家の中に広げないため。
[その他]
動物に触れた後:動物由来の感染症を防ぐため。
実践!正しい手洗いの6ステップ
それでは、厚生労働省が推奨する「正しい手洗い」の手順をご紹介します [2]。洗う前には、爪を短く切り、時計や指輪は外しておきましょう。

1. 流水でよく手をぬらした後、石けんをつけ、手のひらをよくこすります。
2. 手の甲をのばすようにこすります。
3. 指先・爪の間を念入りにこすります。(ここが一番洗い残しが多いポイントです!)
4. 指の間を洗います。(両手を組むようにしてこすり合わせます。)
5. 親指と手のひらをねじり洗います。(反対の手で親指を包み込むようにして洗います。)
6. 手首も忘れずに洗います。
石けんで洗い終わったら、十分に水で流します。
最後の仕上げも重要です
手洗いは「洗って終わり」ではありません。濡れたままの手は細菌が繁殖しやすいため、清潔なタオルやペーパータオルで、水分をしっかりと拭き取ることが重要です。
また、家庭内でもタオルを共用すると、そこから感染が広がる可能性があります。できれば個人ごとにタオルを分けるか、使い捨てのペーパータオルを使用するのが理想的です [3]。
まとめ:手洗いは自分と大切な人を守るアクション
「たかが手洗い」と思うかもしれませんが、正しい手洗いは、ワクチンや薬と同じくらい、あるいはそれ以上に効果的な感染症対策です。
今日から少しだけ意識を変えて、石鹸を使った丁寧な手洗いを習慣にしてみませんか?あなた自身の健康を守るだけでなく、家族や友人、そして社会全体を感染症から守ることにつながります。
ぜひ、今日帰宅したときから、この「正しい手洗い」を実践してみてくださいね。
参考文献
[1] HeartPlus【ハートプラス】: 手洗いの重要性を再確認!正しい方法で感染症を徹底予防 (https://www.heart-p.jp/blog/hands_wash/)
[2] 厚生労働省: 新型コロナウイルスを含む感染症対策の基本は、「手洗い」や「マスクの着用を含む咳エチケット」です。 (https://www.mhlw.go.jp/content/000645542.pdf)
[3] 厚生労働省: 手洗いの時間・回数による効果 (https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000105095.pdf)
