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16.なぜiPhoneは高くても売れるのか?米国MBAで学んだ「STPとポジショニング」の考え方【マーケティング論01】

iPhoneは決して安い商品ではありません。
近年は、多くのAndroid端末が高性能化し、カメラ性能や処理能力だけを比較するとiPhoneを上回る製品も存在します。

それにもかかわらず、世界中で多くの人がiPhoneを選び続けています。
なぜでしょうか。

私自身、UMass MBAでマーケティングを学ぶ前は「良い商品・高性能な商品が選ばれる」と考えていました。

しかしマーケティングの授業で学んだのは、「良い商品を作ること」と「顧客に選ばれること」は別の話であるということでした。

今回は、「なぜiPhoneは高くても売れるのか?」をテーマに、米国MBAで学んだSTPとポジショニングの考え方について紹介したいと思います。



01. 良い商品なのに売れないのはなぜか

顧客が選ぶ理由は、スペックだけではない

多くの人は「良い商品だから売れる」と考えています。

もちろん、品質は重要です。
しかし私たちの身の回りを見渡すと、

・性能は高いのに売れていない商品
・安いのに選ばれない商品
・評価は高いのに普及しない商品

は数多く存在します。

例えばスマートフォン市場を見ると、iPhoneより高性能なカメラを搭載した端末や、より高い処理性能を持つ端末もあります。

しかし、それでも多くの消費者はiPhoneを選びます。

もし性能だけで購入が決まるのであれば、この現象は説明できません。

つまり、顧客はスペックだけを見て商品を選んでいるわけではないのです。

ここで重要になるのが、MBAで学ぶマーケティングの考え方です。


02. MBAで学ぶSTPとポジショニング

Appleの強さは、明確なSTP戦略に支えられている

UMass MBAのマーケティングで最初に学んだ重要な考え方の一つが、「STP」です。

STPとは、

・Segmentation(市場細分化)
・Targeting(標的市場の選定)
・Positioning(ポジショニング)

を指します。

まず企業は、市場にいる顧客をグループに分けます。
これがSegmentationです。

次に、その中から自社が最も価値を提供できる顧客層を選びます。
これがTargetingです。

そして最後に、その顧客の頭の中で、「自社はどのような存在として認識されたいのか」を決めます。
これがPositioningです。

ここで興味深いのは、ポジショニングとは企業が決めるものではなく、顧客の頭の中に形成されるものだという点です。

例えばAppleは、単に「高性能なスマートフォンです」と訴求しているわけではありません。

むしろ、

・洗練されている
・使いやすい
・創造的である

といったイメージを長年かけて築いてきました。

その結果、顧客の頭の中に「iPhoneらしさ」という独自のポジションを確立しているのです。

つまりAppleは、スマートフォン市場でスペック競争をしているのではなく、顧客の認識の中で競争しているとも言えます。


03. 顧客は製品ではなく価値を買っている

顧客が選んでいるのは、機能ではなく、価値やイメージである

マーケティングを学んで最も印象的だったのは、企業は製品を売っているのではなく、「価値(Value)を提供している」という考え方でした。

例えばiPhoneを購入する時、私たちは単なるスマートフォンを買っているのでしょうか。

実際には、

・操作のしやすさ
・ブランドへの信頼
・デザイン
・Apple製品との連携
・所有する満足感

といった価値も同時に購入しています。だからこそ、価格が高くても選ばれるのです。

これはiPhoneに限った話ではありません。自動車でも、時計でも、コーヒーでも同じです。

顧客が購入しているのは、モノそのものではなく、そのモノが提供する価値なのです。

そして企業は、STPを通じて

・誰に
・どのような価値を
・どのような存在として届けるのか

を考えながら戦略を組み立てています。

マーケティングとは広告や販促のテクニックではなく、顧客価値を設計する活動なのです。

まとめ

Appleは単にスマートフォンを販売しているのではなく、明確な顧客を定め、その顧客に対して独自の価値を提供し続けています。

そして、Appleのようなグローバル企業を取り上げて分析する点に、米国MBAならではの価値があると感じています。

日本企業の事例だけを学んでいると、どうしても日本市場の常識に思考が縛られがちです。
一方、米国MBAでは、

・Apple
・Amazon
・Tesla
・Netflix

など、世界を代表する企業を題材にしながら、グローバルな視点でマーケティングを学びます。

その結果、視座が広がり、「グローバルに活躍する企業はなぜその戦略を選ぶのか」という視点で考えられるようになるのです。

もし、あなたがお勤めの企業が海外展開をしている、あるいは今後海外展開を検討しているのであれば、こうしたグローバル企業の思考法を学ぶ意義は決して小さくありません。

国内だけでキャリアを完結させたくない方や、グローバルな視点でビジネスを学びたい方にとって、米国MBAは多くの刺激的な学びを与えてくれる選択肢だと感じています。

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