【かぞくのじかん2×2】きのこ蕎麦
クツクツクツ……。
お鍋が小さな音を立てる休日の朝。
キッチンには、生姜の香りが立ち込めています。
先ほどまで、キクラゲの生姜炒めを作っていたので。
妻が気に入った、平日の常備菜です。
作り方は簡単なのですが、私には案外難しいんですよ。
なにせ、作ってすぐはキクラゲに味が染みていないので。
冷蔵庫で一日置くと、味が染みるので、そこで味見が出来る訳です。
味見が翌日って、なんとなく落ち着きません。
でも、そういうモノだから仕方ない。
割り切るしかありませんね。
今朝は、石油ストーブに火は点していません。
一緒に起きてきた黒ねこ君も、あれ? って顔もしないで、おこたの横で寝ています。
そういう季節。
窓から見えるモミジも、若葉が出ています。
今年も夏の日差しを遮ってくれる事でしょう。
カンカンカン……。
踏切の音が聞こえます。
今日は、暖かいんだっけ? どうだっけ?
さてと、お鍋に水溶き片栗粉を。
お鍋には、きのこ達が泳いでいます。
そう言えば、なめこ、食べてないな、って思ったんです。
うーん……。お蕎麦かな、って。
なので、今朝はきのこ蕎麦。
妻が起きて来るまでの、一人の時間。
お休みの始まりを、ゆっくりと味わう時間です。
妻がお寝坊する日。
それが休日。
お休みを実感できる時間帯なんです。
……ずずっ。
良い感じに、とろみが付いたお蕎麦を妻が啜ります。
うん!
頷いて笑顔に。
「きのこの出汁が凄いね!」
「干し椎茸も入れたからかな」
黒ねこ君が、お風呂場から帰って来ました。
ニャルソックしていたようです。
三毛姉さんは、早々に寝室へ行って日向ぼっこ。
それぞれが、それぞれのペースでお休みを楽しみ始めています。


