😂じっちゃん、聞いてや!夫がずっと家におる ― 定年退職の佳代さん編
初冬の風が冷たくなってきた昼下がり。
諒太が日向でひなたぼっこをしていると、
隣の佳代さんがマフラーを巻いてやってきた。
「じっちゃん、うちの人がね、ずーっと家におるんよ。」
開口一番、佳代さんはぼやいた。
「定年したのはええけど、
一日中テレビ見て、お茶飲んで、
『昼飯まだ?』って聞くだけ。
家の中にもう一人“上司”が増えた気分。」
諒太が苦笑いした。
「うちの会社でも“定年後の奥さん離れ”って話題になってます。
一緒にいる時間が長いほど、
“何もしない”のが気になるんですよね。」
免ちゃんがコーヒーを飲みながら笑った。
「わかるわ〜🤣
オレも休日ずっと家おったら、
奥さんに“どっか行け”言われるもん!」
佳代さんは笑いながらも、
「でもね、たまに背中見てると、
“この人、急に年取ったな…”って思うの。
怒る気持ちと、切ない気持ちが混ざって、
どうしていいかわからんのよ。」
じっちゃんが、しみじみとうなずいた。
「佳代さん、夫婦は“会話”よりも“間合い”や。
近づきすぎたら息が詰まる。
でも離れすぎたら、風が冷たくなる。
そのちょうどええ距離を探すのが、
老夫婦の新しい稽古やで。」
佳代さんの頬がゆるんだ。
「そっか、“距離を取る”って、冷たくすることじゃないのね。
あの人の“時間”に、少し自分の時間を混ぜてみるわ。」
免ちゃんがニヤリ。
「うちはもう完全別居スタイルや🤣
同じ屋根の下やけど!」
「それがいちばん平和かも」と諒太が笑い、
縁側に冬の陽だまりが広がった。
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