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変性意識とは何か―入門シリーズ1―意識の多次元性


 今回から、入門シリーズとして、ビギナー向けに、「変性意識とは何か」という記事を書いていきたいと思います。
 「変性意識」について、きちんと理解を深めたり、また実践を積むことで、人生はまったく予想もつかないような素晴らしいものに変容することになるからです。
 ここでは、理論的な事柄から実践的な事柄まで色々と書いてみたいと思います。

1. 変性意識とは

 「変性意識」とは、「変性意識状態 altered states of consciousness」のことです。
 意識の変わった状態という意味です。

 例えば、酒に酔っている状態、夢を見ている状態、瞑想している状態、催眠状態、薬物によるサイケデリック体験、部族の儀式などでのトランス(入神)状態、宗教的な神秘体験など、私たちのこの「日常の意識」以外のさまざまな意識状態の総称です。
 他にも、フロー体験(ZONE状態)、臨死体験(NDE)、体外離脱体験(OBE)なども、変性意識状態と言えます。

 この言葉は、カルフォルニア大学デービス校にいたチャールズ・タート Charles T. Tart 博士が、同名の編著を出して有名になった言葉です。
 時は1969年でした。
 当時は、サイケデリックス(精神展開剤)である「LSD」の使用規制がはじまり出した時ですが、「サイケデリック革命」のまだ熱い時代でした。

 アメリカの西海岸では、サイケデリック体験を発端に、「東洋的瞑想」や「体験的心理療法(ゲシュタルト療法等)」などが、「意識を拡張する方法論」として、多くの人に認められ出した時だったのです。
 「意識にはさまざまな形態や体験」がある、ということが理解され出した時代だったのです。
 タート博士の本は、そのような人々の実感に応えるものだったのです。


2.意識とは何か

 ところで、「意識 consciousness」とは、なんでしょうか?
 実は、一般的なイメージとは違って、科学的には「意識」はよくわかっていません。
 通俗的には、脳や神経の作用として、意識が付随的に生じるというイメージがありますが、これはあくまでイメージでしかなく、事実ではありません。
 哲学者D・チャーマーズが、「ハード・プロブレム(難しい問題)」として指摘した点です。
 「意識」をそれ以外の何かに還元しようとする思考はすべて、問題(論点)をすり替えて、「イージー・プロブレム(易しい問題)」にしているだけで、「意識」それ自体の存在がきちんと問われているわけではないのです。
 「論点のすり替え」が行なわれているだけなのです。
 「クオリア」とは、そのような意識の存在論的特性を指すために、際立てられた概念です。

 ただ、チャーマーズに言われるまでもなく、まともな知性があればこういう雑な思考が、そもそも思索にさえ値しないことは昔から指摘されていました。
 哲学者のベルクソンなども、当時の科学実証主義全盛の時代にあって、こういう雑で凡庸な思考に対して鋭く対峙していたのです。
 そのようなわけで、「意識 consciousness」そのものは、今もって謎のままなのです。


3.「私の意識」という複合体

 ただ、私たちのこの「自意識」「私」という感覚は、とても自明なものとして、私たちの間近にあります。
 そのため、多くの哲学や思想で、また、多くの人びとの間で、これらが「単一の実体」として語られてきたのです。
 しかし、近代の深層心理学が明らかにしたように、私たちの意識は、その見かけ以上に、さまざまな要素によって複合されたものなのです。

 さまざまな変性意識状態の興味深い体験は、この「私」「自意識」というものが、「単一の実体」ではなく、さまざまな「複合物/複合的な体験」であることをまざまざと教えてくれるものなのです。

 そして、そこにはさらに、通常の私たちのよく知らない不思議な次元も含まれているのです。
 そして、そこに、とても大きな可能性があると言えるのです。


4.意識の多次元性が開かれる時


 さて、変性意識状態によって、私たちの「意識/私」が、単一の実体ではなく、さまざまな要素や次元、宇宙を持っているものだとまざまざと知る時、私たちの人生は大きく変わっていくことになります。

 それはあたかも、閉ざされた小部屋にいて、そこが全宇宙だと思っていたのに、部屋の片隅に、「秘密のドア」を見つけて、そのドアを開けてしまったような体験です。

 ドアを開けると、そこには、「まったく別の広大な宇宙」がひろがっていたのです。
 人生には、信じられないような「驚異の宇宙」がひろがっていたのがわかるのです。

「変性意識状態」の持つ可能性とは、このような点にあるのです。


5. サイケデリックス/アヤワスカとは

 さて、このような変性意識状態を体験しやすいものの一つが、伝統的なシャーマニズムの中で使われていた「アヤワスカ」「マジックマッシュルーム」などのプラントメディスン(サイケデリックス)です。
 そもそも、伝統的なシャーマニズムそのものが、変性意識状態を扱う技法だとも言えます。

 シャーマニズムの基本構造とは、「この世界」と「異界」とを行き来する技法のことなのです。
 そして、「この世界」と「異界」とは、日常意識と変性意識と言い換えることもできるのです。
 そして、それらの作用は、わかりやすい形で、その「驚異の宇宙」を垣間見せてくれることになるのです。

 これらについて、また、別の記事で色々と書いてみたいと思います。


6.最後に

 今回は、「変性意識」の初歩的な事柄について書きました。
 「変性意識」は、浅いものではなく、深い体験をきちんと体験することで、人生を一変させてしまうたぐいものです。
 そして、現代社会が喧伝しているこの世界が、単なるマヤカシでしかないことをわからせてくれるものです。

 そして、本当の人生というものが、とても素晴らしい驚異と神秘に満ちている宇宙であることをよくわからせてくれるものなのです。
 
 ぜひ、そのような意識の冒険に乗り出してみていただければと思います。




▼変性意識の理解のために
南米ペルー在住のMiyukiさんとのコラボ企画です。

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