世界遺産:富士山「三保の松原は構成資産として正しいのか?ICOMOS勧告と委員会の一貫性を問う」
こんばんは。リベルタです。
今回は2024年12月に訪れた富士山世界遺産センターと三保の松原をテーマに書いていきます。
だいたい1200文字なので2.3分あれば読めますよ~
時間がなければ、最後の富士宮やきそばの写真だけでも見てってね
本文

富士山の構成資産である三保の松原は、白砂と青い空に緑の松が映える景観と羽衣伝説で知られる。しかし、この景観は本当に富士山の一部といえるのだろうか。2013年の世界遺産登録過程でICOMOSはこの三保を構成資産から外すよう勧告した。理由は二つある。ひとつは富士山本体から約45kmも離れており、地形的な連続性が乏しいこと。もうひとつは、護岸工事や松の植栽など、景観としての真正性や完全性に疑問が残ることであった。実際、近くの国道150号では工場が多く、通勤時間帯では車が渋滞することもしばしばある。

三保の松原は、古くから和歌や絵画に詠まれ、浮世絵にも繰り返し描かれてきた景観であり、富士山との一体感は芸術や信仰の中で確立されてきたと説明した。特に葛飾北斎や歌川広重の作品に見られる松原越しのMount Fujiは世界的に知られる日本の象徴的イメージである。また、羽衣伝説は海を渡り文化的広がりをみせている。この文化的象徴は、登録基準ⅵを満たす根拠となり三保の松原は構成資産に含まれたのだ。羽衣伝説は、女性の美しさが人を翻弄するという点でローレライ伝説とも通じる。


本題に戻ろう。三保の事例は制度の柔軟性を示す一方で、評価機関であるICOMOSと世界遺産委員会の判断の幅を生む。ICOMOSが真正性や完全性を主張して客観的評価に基づき除外勧告を行った。一方、委員会では象徴的価値や文化的結びつきといった定性的側面を優先して構成資産に登録されたともいえる。一貫性の議論の核心である。
海外に目を向ければ、1990年に登録されたロシアの「サンクトペテルブルク歴史地区と関連建造物群」では、中心地区から直線距離で35㎞離れているオレシェク要塞が構成資産に含まれている。これは都市防衛や権威の象徴という歴史的な一貫性で登録基準ⅰ、ⅱ、ⅳ、ⅵが認められた。ICOMOSと委員会の評価が一致した事例であり、三保の松原とは登録の経緯が異なる。

(最後にも参考サイトのURLを記載)
世界遺産登録は、顕著で普遍的価値を証明することが前提だ。例外が安易に増えれば評価基準が曖昧になり、今後の審議に禍根を残しかねない。ICOMOSの勧告と世界遺産委員会の決定の間に齟齬が生まれれば、制度全体の信頼性も揺らぐだろう。

こうした齟齬を防ぐためには、例外を認める際の理由を明文化し、共有することが不可欠である。富士山のように記号や象徴として評価する場合は、史料・芸術作品・信仰形態などの根拠を明示し、将来の判断基準として蓄積する。また、登録後のモニタリングを強化し真正性や完全性の維持状況を定期的に検証する体制も必要だ。三保の松原においては、現在みほしるべの松葉かき等の保全活動も継続されている。この活動は、個人の体験として、また教育の一環や文化的意義も高まっている。
富士山と三保の松原が織りなす景観は、日本人の心象風景として時代を超えて愛されてきたと同時に、ICOMOSと世界遺産委員会の判断が交差した事例でもある。制度の一貫性と柔軟性のバランスを考えさせられ、世界遺産条約履行のための戦略的目標、5つのCのうち信頼性に関わる課題である。
(文字数:1295文字)
書いた感想
お疲れ様です。
だ~っと書くのは1時間くらいあればできるんですが、海外の事例やエビデンス的なものを揃えるのに時間がかかりますね。それに最後が少し弱いかなぁ…まぁ、ご愛敬ってことでw
でもそこは、記憶を定着させるためには必要なプロセス。
富士山は、僕の生まれた静岡県では、最初からそこに見えて当たり前の存在。でも歴史を紐解けば、噴火や遥拝、登拝があって、信仰がある。
45㎞離れている三保の松原については、個人的に距離の問題ないと思ってます。
信仰にとっては45㎞なんてお隣さんみたいなものですから。
今回の富士山の事例は、目の前にあっても、自分の知識の幅や見方で物事の違う側面がみえる実体験だった思います。
僕は40代だけど、年齢を重ねても
こんな風に、物の見え方がどんどん変わっていくのなら、人生の色鉛筆は
きっとケースに入らないくらい多色になるんでしょうね。
参考資料
テキスト
上巻P156:富士山
下巻P158:サンクト・ペテルブルグの歴史地区
下巻P252:ライン側渓谷中流上部
参考サイト
富士山世界遺産センター
東京文化財研究所
https://www.tobunken.go.jp/materials/nenshi/236712.html
世界遺産・富士山のレジリエントな文化的景観
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jrca/21/2/21_93/_pdf/-char/ja?utm_source=chatgpt.com
ユネスコのホームページ:サンクトペテルブルグ歴史地区
ローレライ伝説(世界遺産:ライン川渓谷中流上部)
富士山登山鉄道構想
地元のご飯をたべるまでが世界遺産
富士宮やきそば


たまごを割るタイミングを悩みながら食べました!
今回も読んでくれてありがとうございました。
次回の「よんでこ」もお楽しみに。
Fin.
