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1yottan
「小満」 2026
電車の窓から見える景色、車の窓から見える景色は日に日に季節の移り変わりを教えてくれる。
小さな苗がきれいに並んだ生まれたての水田、その水田に映る空の色。山々は鶯餅の淡い緑を脱ぎ捨てて、濃い緑へと衣更えしている。足元に咲く草花も木の枝に咲く花々も色様々で美しい。
しかし地図の上では遥か遠い国の戦争が、気付けば私たちの日々の生活にも様々な影響を及ぼし、誰もがいつもよりテレビのニュースを少しだけ丁寧に聴くようになったりしている。
かつて人々が「小満」と呼んだこの季節。農作業の捗りに安堵し感謝して、ひと息つく時期だと言う。
今、私たちの毎日に静かに影を落とす殺伐とした事件や戦争の知らせ、そして〈またあの暑い夏が来るのか…〉という一抹の不安。そんな思いが有りながらも、春から真っ直ぐに夏へと向かうこの時期が、あらゆる命の躍動する明るく力強い季節である事を忘れることなく過ごしたいものである。
八重咲きの
石榴の花のまがり角
角を曲って出逢う初夏
雨を待つ
紫陽花たちの ささやきが
聞こえるような 森の静けさ
燕
軒を掠めて飛び交えば
季節の変わりゆくを知る午後
