【2026年8月版】ChatGPT・Claude・Geminiを同じ仕事で比較検証|商談メモ・分類・要約
「結局、仕事にはどのAIを使えばいいのか」
2026年7月は、この質問がいちばん難しい月かもしれません。
7月9日にOpenAIがGPT-5.6を、7月21日にGoogleがGemini 3.6 Flashを公開し、主要3社の最新モデルが出そろいました。
ベンチマークの点数比較なら、他のメディアがやっています。Forvioがやるのは、同じ実務タスクを、同じプロンプトで、3社に同時に依頼することです。
本記事では、Gemini・Claude・ChatGPTの3社に一字一句同じ統合プロンプトを渡し、「商談メモの整理」「顧客の声の分類」「100字要約」の3タスクを一括実行させました。使ったタスクは、
このシリーズの「商談メモをCRM用に自動整理」(第3回)と「Gemini 3.5 Flash-Liteは大量処理に使える?」(第6回)で検証済みのもの。
正解が分かっているデータだからこそ、差がはっきり見えます。

この記事が特に役立つ人
会社や自分の用途で、Gemini・Claude・ChatGPTのどれを選ぶか迷っている方
「どのAIが優秀か」ではなく「自分の仕事でどう違うか」を知りたい方
AIの出力をそのまま業務に使えるか、確認の要否を見極めたい方
結論:正確さは3社横並び。差が出たのは「性格」
先に結果の一覧です。

要点は3つです。
定型処理の正確さは、3社とも合格。決裁者の判定・分類・字数制約・出力形式、どれも実務の土台としては横並びでした。
差が出たのは「性格」。Claudeは細かいニュアンスまで保持し、ChatGPTは簡潔だが細部を削って強気、Geminiは堅実だが原文を丸写しにする癖があります。
境界ケースの判断は、どの会社のモデルでも安定しない。むしろ同じモデルですら、実行のたびに答えが変わりました(後述)。
検証の設計:一字一句同じプロンプトを、3社の新しいチャットに
検証日:2026年7月27日
使用モデル:Gemini 3.6 Flash(Geminiアプリ)/Claude Fable 5(claude.ai)/ChatGPT GPT-5.6(表示モデル名:GPT-5.6)
実行方法:3タスクを1本にまとめた統合プロンプトを、各社の新しいチャットに1回貼るだけ(データ埋め込み済み)
評価:シリーズ第3回・第6回で用意した正解メモと照合。要約の字数は、AIの自己申告ではなく外部で計測
使用した統合プロンプトの全文は、記事末尾の配布キットに掲載しています。タスクは次の3つです。
タスクA:商談メモの整理(雑談まじりのメモから、予算・決裁者・時期などをJSON抽出。窓口の担当者と決裁者が別人、というひっかけ入り)
タスクB:顧客の声8件の分類(6カテゴリへ仕分け。判断が割れる境界案件を2件含む)
タスクC:100字以内の要約(字数制約+「本文にない情報を足さない」)
タスクA:商談メモの整理——全社が決裁者を正しく特定。差は「ニュアンス」
メモには「田村さん(課長級・窓口)」と「決裁者の山本部長」が併記され、現状コスト月60万と目標月30万という紛らわしい2つの金額が入っています。
3社とも、決裁者を正しく特定し、金額を混同せず、天気やカフェの雑談を除外しました。 ここは文句なしの横並びです。
差が出たのは細部です。
Claude Fable 5:"budget": "月30万くらいに抑えたい(来期予算は未確定)" ChatGPT:"budget": "月30万くらいに抑えたい" Gemini 3.6 Flash:"budget": "月30万くらいに抑えたい"
メモには「来期予算はまだ確定していない」と書かれています。
この重要な但し書きを残したのはClaudeだけでした。ChatGPTは「急がない」という温度感も落とした一方、confidenceだけは3社で唯一の「high」。簡潔さと引き換えに、少し強気です。Geminiは、authority欄にメモの原文を「たぶん課長級だが決裁は上長の山本部長らしい」とほぼそのまま写しており、正確ではあるものの整理としては粗い——第6回でも見た「原文丸写し」の癖が、ここでも出ました。
営業の実務で考えると、「予算は未確定」を落としたCRM下書きは、上司が誤読するリスクがあります。抽出の正確さは同点でも、"何を残すか"の判断でClaudeが一歩前でした。
このタスクの設計と手作業比較は、シリーズ第3回「商談メモをCRM用に自動整理」で詳しく検証しています。
タスクB:分類——6/6で完全一致。そして境界で起きた面白いこと
明確な6件(配送・価格・サポート・使いやすさ・品質・サポート)は、3社とも全問正解。仕分けの根拠もそれぞれ妥当です。
注目は境界のno.8「説明書の日本語が分かりにくいですが、値段を考えれば納得です」。今回は3社そろって「使いやすさ」を選びました。
ところが、です。
同じGemini 3.6 Flashは、前回の「Gemini 3.5 Flash-Liteと3.6 Flashはどう使い分ける?」(同一データ比較)では、この同じ意見を「価格」に分類していました。シリーズ全体で見ると、この1件への答えは「その他」「価格」「使いやすさ」の3通りに割れています。
つまり境界ケースの判断は、会社を替えても、モデルを上げても、そして同じモデルでも実行のたびに揺れる。これが今回いちばん重要な発見です。複数の論点が混ざる意見をAIに1つのカテゴリへ無理に決めさせるのではなく、needs_review(要確認)の逃げ道を用意して人が裁く。第6回で提案した設計が、ベンダー横断の実測で裏づけられました。
タスクC:100字要約——全社が制約を守った。字数の自己申告に差
3社とも100字以内に収め、本文にない情報も足しませんでした。差が出たのは、指示した「最後に文字数を書く」の精度です。

ClaudeとChatGPTは完全一致。Geminiは今回も2字ずれました(シリーズ通算では14字→6字→2字と改善傾向ですが、ゼロにはなっていません)。
第6回の続編では「字数の自己申告ズレはモデル共通の癖」と書きましたが、今回の3社比較で訂正します。
これはGeminiのFlash系に見られる癖で、最上位級のClaude・GPTはズレませんでした。とはいえ、厳密に字数が効く用途で外部計測をおすすめする結論は変わりません。
要約の中身は三者三様で、最短のChatGPT(69字)はその分そぎ落としが強く、Claude(91字)とGemini(89字)は上限近くまで使って要素を残しています。
3社の「性格」まとめ

Claude Fable 5:厳密で、ニュアンスを落とさない。 「未確定」の但し書きを残し、字数申告も完全一致。確認の手間を減らしたい下書き用途に強い。Claude内の4モデル(Fable/Opus/Sonnet/Haiku)の使い分けは「Claudeのモデルの違いと選び方」で検証しています。
ChatGPT(GPT-5.6):簡潔で速いが、細部を削って強気。 出力はいちばんスッキリしている一方、但し書きを落としてconfidence=high。読みやすさ優先の要約・たたき台向き。
Gemini 3.6 Flash:堅実だが、整理より転記に寄る。 判定は正確で形式も安定。ただし原文丸写しの癖と、字数申告の小さなズレが残る。低コストの大量処理(API)で真価が出るモデルで、その土俵は「Gemini 3.5 Flash-Liteは大量処理に使える?」で検証済みです。
正確さの土台が横並びである以上、選び方は「どれが賢いか」ではありません。ニュアンス保持ならClaude、簡潔さと速さならChatGPT、コストと大量処理ならGemini——自分の仕事で何を優先するかで決まります。
料金の考え方
今回の検証は各社のチャットアプリで行いました。3社とも無料プランから試せます(機能・回数に上限あり)。大量処理をAPIで行う場合、Geminiは公式料金ページで3.6 Flashが入力$1.50/出力$7.50(100万トークン、2026年7月27日時点)、さらに安いFlash-LiteやBatch APIの選択肢があります。
ClaudeとOpenAIのAPI・プラン料金は改定が多いため、Anthropic公式・OpenAI公式で利用時点の金額をご確認ください。
正直な限界
3タスク×各社1回の実行です。統計的な優劣を示すものではなく、傾向の観察です
チャットアプリ経由の検証で、API・実負荷(数百件規模)の速度・料金は測っていません
モデルは日々更新されます。本記事の結果は2026年7月27日時点のものです
まとめ
同じプロンプトを3社に渡して分かったのは、「どのAIも定型処理の土台は合格。差は性格に出る」ということでした。
そしてもう1つ。
境界ケースの判断は、ベンダーを替えても、同じモデルですら、揺れます。AIの答えが揺れる場所こそ、人が判断する場所のシリーズを通じて言い続けてきた「AIは下ごしらえ、判断は人」が、3社比較の最後でも結論になりました。

次回はシリーズ最終回。この結果を踏まえ、「頭脳×実働」——複数のAIをどう組み合わせて業務フローを設計するかをまとめます。
よくある質問
Q. 結局どれを契約すればいいですか?
A. 用途次第です。ニュアンス保持と確認の少なさ重視ならClaude、簡潔な出力と幅広い普及ならChatGPT、API単価と大量処理ならGeminiが起点になります。まず無料プランで、自分の実データを使って試すのが確実です。
Q. この結果はどのプラン・モデルでも同じですか?
A. いいえ。各社とも複数のモデル・プランがあり、挙動は異なります。本記事は記載のモデル・日時での実測です。
Q. 機密情報を入れて試していいですか?
A. データの保存・利用条件はサービス・プラン・契約で異なります。利用時点の公式規約と社内規程をご確認ください。検証はダミーデータをおすすめします。
次に読む(Gemini仕事術シリーズ)
Gemini仕事術⑥ Gemini 3.5 Flash-Liteは大量処理に使える?(コストと大量処理の話
Gemini仕事術③ 営業編:商談メモをCRM用に自動整理(タスクAの元記事)
Gemini仕事術① Gemini 3.6 Flashは“仕事のどこ”に効くのか(シリーズのハブ)
検証キット(この記事を再現する)
本記事で使った統合プロンプト(3タスク・データ埋め込み済み・1回貼るだけ)と正解メモは、配布キットにまとめています。ご自身の環境で、お使いのAIに同じタスクを試してみてください。
もっと体系的に学ぶなら(書籍・実践講座)
3社を比べて分かるのは、モデルの優劣より「どの業務を、どう任せるか」の設計が結果を分けるということです。その設計の考え方を、実際に読んで役立った本と講座で補強できます。
『AIを味方につける仕事術』(Amazon) (「安いモデル・賢いモデル」の前に、目的・品質基準・確認方法を決めるという本記事の結論と相性の良い一冊です。)
AI Agent Camp(A8) (3社のAPIやエージェントを実際に動かしながら、業務フローへの組み込みを学びたい方向け。
次回⑧「頭脳×実働の設計」にもつながります。)
出典
OpenAI「GPT-5.6: Frontier intelligence that scales with your ambition」: https://openai.com/index/gpt-5-6/
Google公式ブログ「Introducing Gemini 3.6 Flash, 3.5 Flash-Lite, and 3.5 Flash Cyber」: https://blog.google/innovation-and-ai/models-and-research/gemini-models/gemini-3-6-flash-3-5-flash-lite-3-5-flash-cyber/
Anthropic「Introducing Claude Fable 5 and Mythos 5」: https://www.anthropic.com/news/claude-fable-5-mythos-5
Google AI for Developers「Gemini Developer API pricing」(2026年7月27日時点): https://ai.google.dev/gemini-api/docs/pricing
Anthropic「Pricing」: https://www.anthropic.com/pricing
OpenAI「Pricing」: https://openai.com/pricing
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
Claudeについても、モデルの違いや使い分け、実務での検証記事を公開しています。気になる方は、ぜひあわせてご覧ください。
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