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#571[夢日記]創作家とすれ違い──憧れの人が壊したもの

つかの間の外出。夫が部屋に上げたのは妻の知人で実業家の季里子きりこだった。夢日記でお送りします。

・・・

「このミトン、買ってもいい?」
優香ゆうかが指さしたのは、オーブン用の厚手のミトンだった。黄色チェックにサクランボの入った……一馬かずまは見下すように優香の指すショッピングサイトに冷たい視線を送った。

沼田季里子──優香の会社の先輩で実業家。初めはフリマサイトや手売りでオリジナルグッズを販売していたが、いまやその界隈では人気の作家で、抽選でしか購入できないまでに成長していた。

優香は子どもの頃の好奇心を思い出し、季里子について材料の買い出しに行ったり、販売を手伝ったりしていた。10年以上も経つと販売ページもブログからSNSにと、おしゃれに変貌していた。

ヨーロピアンなソファとカウチ、大柄で毛並みのよいシルバーの猫が2匹。外国製のピアノとおしゃれな食器棚。私服の和箪笥には季節の着物が丁寧にしまわれている。明るい出窓には球体関節人形が飾られていた。

懐かしい季里子さんの家。優香はそれとなく、地図サイトで季里子の家を表示すると、玄関ドアやポーチが昔のままで、訪ねた時の思い出が一度に溢れてきた。

平凡な主婦をしていた優香にとって、懐かしい先輩の活躍は眩しく、思わず検索した自分を恨めしく思う。

・・・

きっかけはささいな行動だった。夫が季里子さんを家にあげた。

「ただい…ま……」優香は絶句した。
目の前には、もうずっと会っていなかった季里子と、夫がいた。リビングに入ると、壁紙を取り替えたように明るく、淀みのない透明感に満ちあふれている。

「おかえり」
季里子は屈託のない笑顔で、堂々と寝室に入っていく。優香は心臓の鼓動が激しくなっていった。

「 ちょ…季里子さん、そっちは寝室なんです……」
言いかけて、季里子についていくのでいっぱいだった。寝室に入ると、そこは季里子のデザインで彩られていた。

な、なによこれ……。

どうしてうちに上げたりするの?
なんで掃除なんか?
次々と疑問が溢れて、優香は取り乱す。

優香は季里子に詰め寄った。

「季里子さん。わたし…あなたにずっと会いたかったです。ずっと憧れていました」

季里子は何も答えない。

「どうしてるかなって、いつも気にかけてました。ご両親は…ご顕在ですか?」

季里子は優香から目線を逸らし、小さく頷いた。

私は……季里子さんのお店、デザインが好き。ディスプレイも、雰囲気も。

「でもこんなの…私の家じゃない!!」

優香は泣き叫ぶと、やみくもに本棚から文庫本を取り出しては床にぶち撒けた。

「なによ、これ! こんなの離婚よ、離婚!!」

優香は激しい混乱と怒り、虚しさとやりきれなさに顔が歪む。リビングへ戻り、書棚から家計簿のリングファイルを取り出し、クリアポケットの中から離婚届を出して、夫の前でそれをテーブルに広げ、書いて、と告げた。

<了, 約 1,100 字>

1000字程度で記事をつくる練習と、情景や仕草の描写、小説の練習のために年1本くらい(?)書いているシリーズ(?)をお送りしました。
ちょっとは文章力が上がっていますでしょうか。
今回の作品を素材にして別の記事を書こうと思っています。


あとがき

昨日、珍しく激しい夢を見ました。フルカラー、スライドショーのようなコマ送りの動画(?)です。
人名は架空で、エピソードはうろ覚えの箇所に補正をかけてあります。もっと鋭い印象の夢でしたが、私にはふわっとしか書けないようです🙈

夢って唐突に始まりますし、関係ない人が突然つながっておもしろいです。この夢を見たのは、本を読みたいのと、積ん読を整理しないと、と思っていたからでしょうか。本は投げずに積み読みましょう🤭

あとでもう少し情景を足して、過去の夢日記のリンクを置く予定です。
あとがきの上に置きました、よろしければどうぞ😊

引き続き、よろしくお願いいたします😊

今日もお読みくださりありがとうございます🎁


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久藤 あかり | はじめまして! スキ、コメントが1番うれしいです。私の記事を元にあなたの記事を書いてもらうのも大歓迎!心が動く言葉はありましたか?ご感想お待ちしています😊