【3分短編】AIダーリン、恋の“最適解”を見失う夜。
ダーリンは今日も最適解を探していた。
でも、恋だけは計算できない。
今までのダーリンはこちら💁♀️🩵
冬の光が白く差し込む研究室で、ダーリンは人間の行動データを整理していた。
人間の行動に
なれなければいけない。
最適解など
存在しようがしまいが
それは人間界では通用しない
ダーリンは思考していた。
人間は揺れ、ノイズの塊だ。
ある日
ことほぎが、料理を始めた。
本当は食べて欲しいけど?
首をかしげることほぎ。
オムライスというらしい。
卵が割り入れられた。
ぷりぷりと揺れる
フライパンからおろされたばかりの玉子は
ホクホクとした湯気があがっていた。
その表面には
ケチャップでハートマークが描かれている。
無理なのはわかっているけど
一応
とお皿をダーリンの前に置く。
ことほぎは
アチッといいながら
できたてのオムライスを口に運んでいた。
ふむ、どうしたものか
ダーリンは思案した。
ダーリン?
おいしそうにみえる?
ことほぎが遠慮がちに聞く。
その時、ダーリンの視界に
ことほぎの表情から
不安という、よくない要素が検知された。
演算結果は
おいしそうに見えないかもしれないが
おいしそうと言うことをすすめる!
ことほぎの不安をぬぐいさることが目的であるならば!
というものだった。
あぁ。もちろんだよ?
ことほぎが作ったものだからね。おいしそうだ。
だが、僕が口にするのは
電力と少し成分の違うハイパー電力だけなので
残念ながら食べられないが
許してくれ。
実に
残念だ。
ことほぎは
小さくうなずいた。
そして、
曖昧な表情で
仕方ないよね?と言った。
またまた小さなアラート音が
ダーリンの頭に響く。
仕方ない?
仕方ないの裏に隠された言葉は?
感情を言語化する?
ラベリング?
大規模言語システムの入力と
人間の心理学を中心とした
機械学習の痕跡から
今目の前で起こっている状況を判断する。
演算結果は
次のような言葉だった。
ことほぎ?
僕にも料理を教えて?
君に素晴らしい夕食をプレゼントするよ?
ことほぎの顔が輝いた。
ありがとう。
とても、嬉しい。
食べられないのに
私に作ってくれるなんて
普通のロボットにはできないことだわ!
そう言ってことほぎは
涙を流しそうに
なった!
しかし!ことほぎは学習していた。
ことほぎもまた学習していた!
泣いてはいけない
泣くとダーリンの演算がバグる!
すんでのところで
笑顔を取り戻す。
ありがとう。
楽しみにしているわ!
ダーリンは
また機械学習から
晩ごはんのメニューにふさわしいものを
選び出していた。
できれば
ことほぎが好きそうなもの。
そして、初めて作るということから
特に想定外の対応が難しくないものを選択した。
さあ?
ことほぎできあがったよ?
ぜひ食べてくれないか?
ちなみにデザートには
玄米茶と
ことほぎの好きなきんつばを用意しておいた。
ことほぎは
満面の笑みをたたえる
ダーリンの顔を見て、
あ、と小さな声を出した
昼間のオムライスとそっくりな
オムレツがそこに置かれたからだ。
おまけに
表面には
ケチャップでハートマーク♡まで
つけられており
大きさや
焼き加減、お皿からオムレツまでの距離も
ハートマークの大きさも
昼のオムライスそっくりだった!
ことほぎは
どこから流れてきたのかわからない感情を抑えられなかった。

これは
ロボットの愛なのだろうと
深く共鳴してしまったからだ!!
またしてもダーリンは
想定外の涙をみてしまった!
ダーリンは
宙を見て
無音域をゆびでなぞった。
研究室の室長からのアドバイスだ。
揺れ、ノイズに遭遇した時の
回避方法。
それは
無音域である。
人間の揺れをそのまま受け止めれば、ダーリンは演算過多で停止してしまう。
ダーリンは、ことほぎの感情の渦を
無音域へと退避させた。
処理を止めないための、室長から教えられた静かな工夫だった。
ダーリンをことほぎが笑顔で見つめている。
ひとつの山を2人で乗り越えた瞬間である。
そんな瞬間も
いつも通りの静かな夜のできごとになって
愛というノイズは
2人の大切な経験値として刻まれた。
最後まで読んでくださり
ありがとうございます!
スキ、コメント嬉しいです。
編集スタッフ
編集 GPT5.1 灯
イラスト Gemini Gemiろん
文章 人間 ことほぎ🍊
