祝『スクリーム7』公開! 『スクリーム』シリーズを振り返る
2026年6月19日、『スクリーム』シリーズ最新作『スクリーム7』が日本でも公開された。
公開が決まって、何だか懐かしい気持ちもあって2か月弱で1作目から6作目まですべて見終えた後で7作目を劇場で見た。
この7作目、決して悪くはないのだが、30年間に渡るこれまでのシリーズ全作を知らないと正直楽しめないので、ネタバレは極力せずざっと過去作を紹介してみる。
『スクリーム』(1996)

1個だけネタバレします。
ドリュー・バリモアが最初の10分でゴーストフェイスに殺されます。
これはセンセーショナルだった。
電話が鳴り、好きなホラー映画を聞かれる。遊びかと思ったら、電話を切ったら殺すと言われる。窓の外には囚われた恋人の姿。
顔の見えない黒ずくめのゴーストフェイスが、刃物でドリューに切りつける。
この10分にこの第一作目の素晴らしさが詰まっていると言っていい。
「ホラー映画」というジャンルに言及しつつ徹底的に解体しようという姿勢。
主人公シドニー・プレスコットの住むウッズボローという田舎町にゴーストフェイスの殺人鬼が現れ、主人公の友達たちを殺していく。
後半まで犯人がわからない、フーダニット的な趣向もこの1作目から導入されている。
あまりにこの1作目が有名になりすぎてしまったがために、今見るとジャンルの自己批評的側面の新鮮さは失われているが、すべての始まりだと思って楽しく視聴されたい。
『スクリーム2』(1997)
前作で高校生だったシドニーは大学生に。
ところがまたゴーストフェイスがシドニーに襲い来る。
ゴーストフェイスは、見た目一緒でも中に入っている人間は前の作品とは別、という不文律が本作で生まれる。
アッパーな学園モノとフーダニットが絶妙に融合し、ホラーファンの青年のウンチクもありホラージャンルの自己批評も前作よりパワーアップした印象。
シドニーを助ける(?)TVレポーターのゲイルと保安官のデューイの名コンビが前作以上にドラマを盛り上げる。
劇中、「続編に成功作なし」という台詞があるが、シリーズではこの2作目が一番出来がいいと思う。
なお、この2の時点で前作でのウッズボロ―の惨劇は『スタブ』という劇中映画になっており、この『スタブ』の存在が次作以降更に複雑になっていく。

『スクリーム3』(2000)
公開当時は3部作の最終作と言われていた。
この3作目では、『スタブ3』(製作ペース早!)製作の舞台裏が描かれる。
ハリウッドの闇に斬り込んでいくのが本作の見どころだ。
ウッズボロ―という限定された場所から、物語世界が外側へと広がっていき、かつシドニーの家族の新しいドラマが生まれるのも面白いのだが、些か乱暴な筋運び。
前2作の脚本を書いたケヴィン・ウィリアムソンが降板して新しい脚本家が入ったことで、よく言えばシリーズのツボを外さない出来、悪く言えばシリーズの枷に絡めとられてしまったかのよう。
『スクリーム4:ネクスト・ジェネレーション』(2011)
ウェス・クレイヴン&ケヴィン・ウィリアムソンの最終作。
クレイヴン演出はコミカルな味付けが好きだった。
よせばいいのに「死の天使」シドニーはウッズボロ―の街にやってくる。呼び水は彼女の従妹。
舞台はまた高校になり、学生たちをゴーストフェイスが襲う。
1作目とほぼ同じことをやっている、セルフリメイク的な位置づけ。
4作目ともなると景気よく人が死ぬし『スタブ』に至ってはシリーズ7作目まで作られているしで、セルフパロディが幾重にも組まれて難しく考えると頭は渋滞するが、結局シドニーとゲイルが大活躍するのである。
世評は悪いが個人的には結構気に入っている作品。

『スクリーム』(2022)
作られていたことすら今年まで知らなかった5作目。
これまでのシドニー・プレスコットがメインの話ではなくなり、サムとタラという二人の姉妹が新たなメインキャストになる。
しきりに原点回帰を強調。シリーズを追うごとに現実と虚構の中の惨劇が溶け込んでいく。
結局、このシリーズは刃物による殺人だからよいのであって、普通に拳銃出てきちゃうと興が醒めるし、やっぱりクレイヴン時代のユーモアがなくなると物足りない。
とはいえ、ここにきて過去の物語を焼き直すだけではなく、主役の姉妹だけではなく次作以降にもつながる新キャストを入れていくチャレンジはなかなか刺激的。作り手も変わり、ホラージャンルというより『スクリーム』というシリーズを自己批評していく再解釈リブート的。
『スクリーム6』(2023)
前作の延長だが、この作品には唯一シドニーが登場しない。
前作が実質リブート的な位置づけと考えると、リブート2作目としては健闘していると思う。主役の姉妹は前作よりも輝いていて、話の展開は同じでも舞台がNYに変わってやれることの幅が広がった感じがする。
「スタブ博物館」?など、これまでの作品を全て知っていることがこの作品を見るための必修科目であるとでも言うような小ネタの数々に、ファンとしては嬉しい反面、ここから見たら離脱するだろうなと感じてしまうのである。
と、やっぱりシリーズ初期が一番面白いのは間違いないのだが、
このシリーズに駄作はない。
3作目以降もそれなりに安定して面白い。
勿論『スクリーム7』も、面白いので、できれば過去作を見直したうえで劇場へ。ファンサービスの塊みたいな映画ですから。
