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戸隠神社五社巡り ④

さてさて、前回は中社まで歩いて参拝してきました。
早朝の静けさと神秘的な空気に包まれて、すごく特別な時間でしたね。
まだご覧になっていない方は、こちらからどうぞ ↓


それでは今回はいよいよ最終目的地、奥社へ向かいます。

中社西鳥居からしゅっぱーーーつ

中社西鳥居の前が、西参道入口の無料駐車場になっています。そこを進んで戸隠古道へ入っていくわけですが…ここ、車で中社に参拝するときは近いので便利なんですよね。
ただし駐車スペースは20台ほど。私が着いた朝6時40分の時点で、すでに半分くらい埋まってました。奥社から戻ってきた頃には警備員さんが立って“満車”の看板が出ていたので、日中はまず埋まると思った方がよさそうです。

西参道入口無料駐車場             西側無料駐車場    

もしここが満車でもご安心を。古道に入る手前の左側に、もうひとつ「西側無料駐車場」があって、こちらは段々畑みたいに階層が分かれていて100台ほど停められます。トイレも完備。

ただ、中社の駐車場に停めてから火之御子社や宝光社まで歩く人もいるし、御朱印待ちや戸隠そば目当ての人でなかなか車が動かないこともあります。祝日や紅葉シーズンなんかは“すんなり停められたらラッキー”くらいに思っていた方がいいかもしれませんね。

あっ、それと。中社から戸隠古道を歩いて奥社に向かうなら、ここにあるトイレで済ませておいた方が安心です。   いったん歩き出したら奥社に着くまで30~40分、トイレはないのでご注意を。

では、西参道の駐車場を横目に戸隠古道を歩きはじめます。
歩きだして5分くらいで『女人堂跡』に到着。

もともとここには『奥社遥拝堂』があったそうです。
明治になるまでは、ここから先は修行の地ということで女人禁制。だから女性は、この場所から奥社を遥拝していたんですね。
でも明治の廃仏毀釈の流れで女人禁制も解かれて、お堂も取り壊されてしまったそうです。

それと、ここは奥社へ向かう道と越後へ抜ける道の分かれ道でもあります。今も残っている道標には『右 えちごみち 左 おくのいん』と書かれていて、上の真ん中には廃仏毀釈のときに削られた梵字の跡も残っているんですよ。


女人堂を過ぎると、ちょっと広めの道路に出ました。

車も通るので、周りを気にしつつそのまままっすぐ進みます。
少し歩くと分かれ道があって、ここは左へ。



左に進むとすぐ『比丘尼石』があります。

禁を破って石に⁉

さっきの女人堂跡には奥社を遥拝するお堂があったんですが、その先は修行の地として女人禁制。女性は奥へ入ることが許されなかったんですね。

でも、その禁を破って奥へ進もうとした尼僧がいて…なんと、この場所で石になってしまったと伝わっているのが『比丘尼石』なんです。
伝説だとちょっと怖いけど、実際は静かに佇んでいる石でした。


比丘尼石からしばらく道なりに進むと、『公明院』というお寺が見えてきました。


ここはちょっと珍しくて、全国的にも数少ない“神仏習合(しんぶつしゅうごう)”のお寺なんだそうです。神様と仏様、両方を結びつけた信仰のかたちですね。
しかも、このお寺を建てたのは戸隠最後の修験道行者といわれている女性、姫野公明師。なんだか強くて優しい雰囲気を想像してしまいます。


公明院をあとにして、ちょっと歩いたところで出会ったのが『稚児の塔(ちごのとう)』です。

その昔、ある夫婦と養子がいたそうです。ある日、妻宛に届いた手紙を夫が怪しんで、字の読める養子に読ませたのですが…実はそれは艶文。

けれど養子は、夫婦仲を壊さないように普通の手紙のように読み上げたんです。そのおかげで夫婦は無事に仲良く過ごせたんだとか。
その賢さに村人たちが感心して、後にこの供養塔を建てたと言われています。


稚児の塔を後にしてさらに奥へ。ほどなくして、また分かれ道に差しかかります。

分岐点では右の道へ。こちらはゆるやかな坂道になっていて、そのまま道なりに進みます。ちなみに左へ行くと戸隠バードラインに出て、森林植物園の方へ行けるそうですよ。

ゆるやかな坂道をのんびり歩いていくと、ほどなくして登りきりに。
すると左手の視界が一気に開けて、思わず足が止まります。
――戸隠山を一望できる展望台に出ました。

今は木が伸びてだいぶ隠れちゃってますが…それもまた自然の姿ってことで、のんびり眺めてきました。
奥社に車で来られた方も、駐車場からそれほど遠くないので、散歩がてら戸隠古道を歩いて立ち寄ってみるのもおすすめです。

展望台をあとにして坂を下っていくと、有料駐車場に出ました。
そのまま歩いていくと…



いよいよ奥社の入口に到着です!

ここから参道へと入っていきます。道を下っていくと、まずは逆川(さかさがわ)にかかる橋があり、その先に大鳥居が見えてきます。


昨日の雨でちょっと濁ってるけど、森に流れる水ってやっぱり気持ちいい。


この時の時刻は朝の7時10分過ぎ。けれど参拝者や、参道途中にある戸隠山登山口を目指す登山客で、思った以上に人が多くなってきました。

大鳥居前にはこの標石が置かれています。

ここから先は昔の言葉でいうと『馬を降りて歩け』の区間。もちろん今は車も入れません。
それからペットも同伴できないので要注意。抱っこでもNGだそうです。


それでは、いよいよ鳥居をくぐって参道を歩いていきます。

歩きはじめてすぐ、左手に見えてくるのが『一龕龍王祀(いっかんりゅうおうし)』。

近くの黒姫山登山道には『種池』という池があって、その水を汲んで雨ごいをすると必ず雨が降るという言い伝えが残っています。
ここは、その池の主『一龕龍王(いっかんりゅうおう)』を祀った祠なんだそうです。

しばらく参道を歩いていくと、一対の大きな狛犬が迎えてくれます。



そのすぐ先に現れるのが――随神門。

奥社までの参道のちょうど中間あたりにある門で、お寺の仁王門と同じように左右には邪気を払う随神像が置かれています。
この季節の随神門は、茅葺き屋根に植物がびっしり育っていて、なんとも迫力ある姿でした。


そして随神門をくぐり抜けると、すぐに杉並木がはじまります。

ここは戸隠神社でもっとも有名なスポット。参道の両側には樹齢400年以上の杉がずらりと並んでいて、その数なんと80本以上!
まっすぐ天に伸びる杉たちに囲まれると、自然と背筋がピンとするような、圧倒的な雰囲気があります。

随神門までは平坦な道なので、体力に自信がない方でもここまでは来やすいと思います。荘厳な杉並木の光景は、一度は見ておきたい場所です。


杉並木を抜けると、道の傾斜が少しずつきつくなってきました。
最後の方は自然石が混じった石段になっていて、息もだんだん切れてきます。
涼しいはずの気温なのに、気づけば汗がじんわり…。
それでも、いつの間にか無心で一段一段を登っていました。


息を切らしながら石段を登っていくと、ようやく手水舎と奥社の狛犬が見えてきました。
ここまで来ると、ゴールが近いのを感じて胸が高鳴ります。

お清めを済ませて


お尻をプリっと上げてて可愛い狛犬


そしてさらに数段の石段を上がると――
ついに、奥社の社殿が姿を現しました。



奥社 (おくしゃ)

  御祭神 : 天手力雄命(あめのたぢからおのみこと)

  御神徳 : 開運、心願成就、五穀豊熟、スポーツ必勝
 


長い参道を歩き続けて、やっと辿り着いた!という達成感でいっぱいです。 目の前に広がるこの光景は、まさに頑張って歩いてきた人だけに与えられるご褒美の瞬間でした。

奥社の御祭神は天手力雄命(あめのたぢからおのみこと)
日本神話「天岩戸開き」に登場する、力強さの象徴みたいな神様です。

この神話、ざっくり言うと――
弟の乱れっぷりに困った天照大神(あまてらすおおみかみ)が岩戸に隠れてしまって、世界は真っ暗に。
そこで神々が集まって「どうしよう…」と会議を開き、歌や踊りでお祭りをして天照大神を誘い出そうとします。

そのとき、天照大神がちょっとだけ戸を開けた瞬間、天手力雄命が一気にその戸を押し開いて、光が戻った…というお話。
さらに、その岩戸が地上に落ちて戸隠山になったという伝説まで残っています。

昔から語り継がれてきた物語に思いを重ねると、ここまで歩いてきた時間も不思議と意味があるように思えてきます。

自分にも少しでも力強さや打開力を分けていただけるように、しっかりと手を合わせました。


奥社に参拝を終えたあとは、そのすぐ左隣にある九頭龍社へ向かいました。


九頭龍社 (くずりゅうしゃ)

  御祭神 : 九頭龍大神(くずりゅうのおおかみ)

  御神徳 : 雨乞い、縁結び、虫歯


戸隠山の地主神として昔から信仰されていて、奥社よりも古い時代に建てられたと伝わっていますが、正確な時期は分かっていないそうです。
ちょうど参拝していたときに、神職さんの祝詞が響きはじめて…自然と一体になったような気持ちで最後まで聞き入ってしまいました。

そのあとは、清々しい空気の中でのんびりと自然を味わいながら、ゆったりとした時間を過ごしました。


九頭龍社の手前には授与所があって、奥社や九頭龍社の御朱印やおみくじをいただけます。
奥社のおみくじは“なかなか厳しい”と噂を聞いていたので、ぜひ引いてみたかったんですが…開くのは9時から。まだ1時間くらい待たなきゃいけなかったので、今回は残念ながら諦めることにしました。
まあ、そのぶん次に来る楽しみができた、ということで!


こうして戸隠の五社を巡り終えました。

まだもう少しここにいたい気持ちもありつつ…名残惜しさを感じながら帰路につきます。

きっとまた来るだろうなぁ、なんて思いながら。


帰り道で撮った写真をいくつか貼って、『戸隠神社 五社巡り』はここで
おしまいにしたいと思います。

後日あらためて、ルートや所要時間などをまとめた記事も作ってみるつもりです。

というわけで、この連載はひとまずここで一区切り。

今回の1話だけ読んでくれた方も、これまでの話を全部追ってくれている方も、本当に読んでくれてありがとう!







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