【なんはなタイトルマッチ】ゲームのゴングが鳴り響く(新2章2話)
(下書稿)現段階のプロットと登場人物、キャラクター設定を少しずつですが記していきます。
なんはなルーム 灰原は今日もひとり、誰も開くことのないガラス扉を眺めていた。パソコンにも新着はない。なんのはなしですか、おきかせください、と毎日ひとり、ファシリテーションルームに座っているのだ。
ドリーム社のジェット風船を外の世界に高く広く広めようとの機運が高まっている中、社員一人ひとり、また部署ごとの活動はさらに勢いを増している。が、企画としてなんはなルームに持ち込んでくれるものはいなかった。いや、いたかもしれないが、すぐにキャパオーバーになる灰原は失神レフェリーよろしく、至って記憶には残っていない。それに、すぐに墨滴を垂らすように余計な一言を言ってしまう灰原には人望も人気もなかった。
コニシさん(課長)に申し訳ない。どう考えても人選を間違えている。コニシさんはわが社の主力商品ジェット風船の魅力を信じて疑わず、一人で3年間上げて見せていた人物だ。その商品の魅力によるものか、コニシさんの魅力によるものかじわりじわりと興味を持つ人が現れた。そこでコニシさんは、どうぞ自分で自分で好きなようにジェット風船を上げてみてください、必ず私が見に行きます、と一人ひとりがジェット風船を手に取り高く空に舞い上げる光景をしっかり見届け、さらには記憶に留めおけるように通信にして広報に努めてきた。それが熱狂の中、ジェット風船をスタジアムいっぱいに舞い上げるに広まっていったのだが、広がるにつれてコニシさん一人にかかる重責は想像もできないほどになっていた。ちょっと休むといいよ、誰かが許可したのか、やっとコニシさん自身が自分を許すことができたのか、わずか2週間という休暇を取ることとなった。そのときできたのが、このファシリテーションルーム(なんはなルーム)だ。
それぞれの気持ちを、取り組みをこのなんはなルームにメモすることによって、そこに共時性が生まれ、連帯感や新たなものが生まれてくるといい、そう、タッグによって高まる鼓動と沸き上がる力、そこから生まれる奇跡、それを見てみたい。熱く語ることも、自分からは動くこともできない灰原は、じっとガラス扉とパソコンを見つめている。
その手が、検索欄にnoteと打ち込む。各個人の想いや取り組みはnote に上げている社員も多い。そこを見にいくと何か企画に繋がることがあるかもしれないが自らアプローチすることは、このなんのはなしかきかせてください、という自主性を重んじるルームポリシーに反する。検索マークを押そうとしてやはり灰原はその手を止めた。
そのとき、内線のベルがなり、受話器を上げた灰原は、分かりましたと一言応えて重い足取りで役員室に向かった。
私はお役御免になるのだな。もしくは、わが社にファシリテーションルームは無用の長物ということか。
アーク材でできた重厚な扉のまえで、大きく吸い込んでも肺までには届かないような息苦しさを抱えたまま、その扉をノックした。
扉の向こうには、コニシさんをよく知る重役ポップと知性とオーラが漂ってくるような一人の女性が立っていた。
登場人物紹介1。課長いつもありがとうございます。
コニシさん(コニシ木の子さん)
クリエイターページ
三年間の記録
回収の記録
通信
重役ポップは課長の親友。
なんのはなしですか
友情出演頂きました。
