第8話:絶望の翌日に訪れた、人生を変えた一言
三次面接で心が折れた翌日。
もうこの会社とは縁がなかったのだろうか・・・
そう思いながら、心だけがぽっかりと空いたかのような
半ば諦めの気持ちで過ごしていました。
そんなとき人生を動かす運命の電話が鳴りました。
「四次面接に来てください。」
その一言が、私の人生を再び動かし始めました。
え? どういうこと?
また面接へ行って「やっぱりダメ」と言われるの?
それとも、少しは希望があるの?
複雑な気持ちのまま、四次面接に向かいました。
1)四次面接──初めて“人として”向き合ってくれた
四次面接でいつもの面接室で座って待っていると、
ノックもなく突然ドアが開きました。
「やぁ、お待たせ。」
これまでの面接官とはまったく違う、柔らかく明るい声。
今度の面接官は専務でした。
「こんなにしっかりした人は初めてだよ。少し話を聞かせてくれるかな?」
その言葉のトーンには、評価でも探りでもない、
“まっすぐな興味”がありました。
その一言だけで胸が熱くなり、心の中にふっと光が差し込むようでした。
「まだチャンスがあるのかもしれない。
でもこれが最後なのかもしれない。」
そう思うと、自然と表情に力が入りました。
専務は、履歴書と志望動機を丁寧に読み返しながら、
時折うなずき、目を合わせ、私の話をじっくり聞いてくれました。
志望動機の背景
現場調査の話
資格を取った理由
なぜこの会社なのか
談笑も交えながら、1時間ほど穏やかな空気の中で話が進みました。
いつの間にか肩の力も抜け、私はいつもの笑顔を取り戻していました。
「楽しかったよ。会えて良かったよ。」
その専務の言葉は、まるで心にそっと手を置かれたようで、
救われる思いがしました。
「可もなく不可もなく」というより、
“私という人間をちゃんと見てくれた時間”
だったように思います。
面接が終わり、会社を出たとき、私は少しだけ希望を感じていました。
2)五次面接──最終宣告
四次面接から数日後。 また会社から連絡がありました。
「再度面接をするので来てください。」
胸がざわつきました。
これは希望がある面接なのか。
それとも、また「諦めてください」と言われる時間になるのか。
期待と不安が入り混じった複雑な気持ちで会社へ向かいました。
3)役員応接室へ──運命の扉が開く
案内されたのは、見慣れた応接室ではありませんでした。
階段を上がった先にある、重厚な装いの木の扉。
そこには金色の文字で「役員応接室」と掲げられていました。
扉を開けた瞬間、空気が変わりました。
深い色のカーペット、磨き込まれた大きなテーブル、
座るのをためらうほど存在感のある革張りのソファ。
窓から差し込む光が、飾られた調度品や生け花の百合を静かに照らし、
部屋全体にほのかな香りが広がっていました。
まるでドラマのワンシーンに迷い込んだようで
「本当にこんな場所があるんだ」
と着席を促されるまで見惚れてしまいました。
ソファに腰を下ろした瞬間
「この場に相応しい人間になりたい」
と背筋が自然と伸びました。
しばらくしてゆっくりと扉が開き、
あの明るい声と、聞き覚えのあるフレーズが響きました。
「やぁ、お待たせ。」
四次面接で会った専務でした。
4)人生を変えた一言の瞬間
扉が閉まる音が、静かに響きました。
専務が座ると
「ここに相応しい人が来た」
という感じで、役員応接室の空気が変わりました。
専務は静かに言いました。
「お待たせ。 うちはコネが無いと入れないことはわかっているよね。」
あの痛みが胸を走りました。
「あぁ……専務直々に“諦めろ”と言われるんだ……」
そう思った次の瞬間、専務の口から出てきた言葉は、
まったく違うものでした。
専務は軽く座り直し、まっすぐに見つめてこう告げました。
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