第9話:会社に入って初めて知った“見えない信用”と、その本当の価値
会社に入って初めて知りました。
“会社名”ひとつで、
人の態度が変わる世界があることを。
同じ自分なのに、
見え方が変わってしまうのです。
会社の名前が、
そのまま“自分の信用”になる世界でした。
そして入社後に知ることになります。
あの5回の面接には、
“表には出ていない理由”があったことを。
そしてその理由は、
私が思っていたものとは、まったく違うものでした。
理由を知り、安心して仕事に打ち込むことができました。
「私はこの会社で一生働くんだ」と。
社会人としての一歩を踏み出したとき、そんな強い思いがありました。
会社名が与えてくれた恩恵。
人の温かさ。 仕事の楽しさ。
そして、私を育ててくれた上司たち。
そのすべてが、私の人生を支えてくれていました。
会社の内側に触れ、私の”大好き”は加速していきました。
だからこそ、この会社を辞める日が来るなんて、
あの頃の私は、想像もしていませんでした。
1)会社名がくれた“社会的信用”
①「不動産会社での扱い」~社会人になる前から始まっていた“会社の恩恵”~
新卒で入社した会社は、私にとって“ただの会社”ではありませんでした。
内定をもらったあの日、
社員の方々が拍手で迎えてくれた光景は、
今でも鮮明に覚えています。
そして入社後、私はこの会社が 県内では誰もが知る企業
であることを思い知らされることになります。
学生から社会人になるタイミングで、
私は引っ越しをする必要がありました。
不動産会社へ行き、はっきりとこう伝えました。
「アパートを借りたいです。家賃は3万5千円までしか出せません。」
しかし紹介されるのは、5万円前後の物件ばかり。
「女性だから親が出してくれるでしょ?」
そんな空気が漂っていました。
でも、出せないものは出せません。
当時の給料は月13万円。 手取りは11万円ほど。
家賃3万5千円が限界でした。
すると担当者が聞いてきました。
「で、どこに勤めるの?」
私が会社名を伝えた瞬間、態度が変わりました。
「えっ、○○○○に? じゃあ、こちらの物件をどうぞ!」
今まで見せてもらえなかった、 金額も条件も良い物件の資料が
次々と出てきました。
別の不動産会社では、応接室に通され、お茶まで出され、
「○○本部長によろしくお伝えください。」
と言われたこともあります。
(まだ入社前で本部長の名前すら知らなかったのですが・・・
愛想笑いで乗り切りました。)
②「夜の街での名刺の力」~入社後も続いた“会社名の力”~
入社してからも、会社名の影響力は絶大でした。
部長の名刺を持っていれば、 どこのスナックでも高級クラブでも
ツケが効く。
「ネームバリューのある社会って、こういう世界なんだなぁ」
と驚いたものです。
どこへ行っても、会社名を出すと相手の反応が変わる。
そんな会社でした。
会社名ひとつで、こんなにも扱いが変わる。
だからこそ辞める日が来るなんて思いもしませんでした。
③「金融機関での信用」~自分の社会的信用~
経理業務として、私は毎日いくつもの金融機関を毎日回っていました。
新入社員でありながら、運転手付きの黒塗りの車で(笑)
その先々で、口座やクレジットカードを作らなければならないという、
“新入社員ならではの洗礼”も受けました。
私より年収が高い友人がクレジットカードの審査に落ちている一方で、
私はスムーズに作れてしまう。
「企業の属性や社会的信用って、こんなにも影響するんだ。」
そう実感した出来事でした。
(これが後に“クレジットカード沼”にはまる第一歩だとは、
この時は思いもしませんでした。)
④「親の誇り」 ~ちょっとした親孝行~
両親も、まさか私がこの会社に就職できるとは思っていなかったようで、
内定をもらった時には親戚や知人に鼻高々に話していました。
私がこの会社に入ったことで、 少しだけ親孝行ができた気がしていました。
私はこの会社が大好きでした。
このあと、私は“大好きな会社の内側”と向き合うことになります。
向き合えば向き合うほど、より一層会社を好きになっていきました。
そして入社した時には既に”伝説”となっていた
あの5回の面接の裏側も聞くことができました。
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