「フラヌール 」vol.1 散文と詩1 モノクーロームのポテトチップス
モノクーロームのポテトチップス
近所の中華料理屋でキンキンに冷えたレモンサワーの晩酌セットとハーフ醤油ラーメンを晩御飯にたべたあと、ふらりとスーパーに立ちよりあまり普段はよらないお菓子コーナーによってみたらカラフルなお菓子のなかにモノクロのポテトチップスが並べられた陳列棚が視覚に飛び込んできた。 異様な存在感を放つモノクロのポテトチップスを眺めながら この世界がモノクロになったらいやだなってわたしは思った。 レジに並んだらグラノーラもモノクロのパッケージでやっぱりなんかやだなって思った。モノクロの写真やモノクロのクロッキー、モノクロ映画や本に閉じられた小説や詩のモノクロの文字は好きだけど この現実の世界から色が消えるのはいやだなって思った。お菓子やポテトチップスのパッケージはいつでもカラフルであってほしいし この現実世界の看板もネオンも、スーパーの商品のパッケージも本屋さんの棚もやっぱりカラフルであってほしい。 自宅の視覚で見える部分の文庫や単行本の本はぜんぶカバーは外し並べたり積みたい派だけど、外の世界はカラフルであって欲しい。 だからわたしはモノクロのポテトチップスが並んでいる間すこしカラフルな服を着ることにしようときめた。 彩りがきえたなら、彩りをだれかが足せばいい。カラフルがきえそうなら、カラフルを誰かがたせばいい。 世界がちょっとづつ今モノクロにしなきゃならない事情があるならばモノクロはどこかやっぱりさみしいからわたしはもってるカラフルな色の服を明日から着ようとなんとなく思った。 モノクロのポテトチップスはメッセージ性が強すぎてわたしはポテトチップスのパッケージがカラフルに戻りますように世界から色がきえませんようにって買い物袋ぶら下げながらローソンに立ち寄り、モノクロのポテトチップスではなく、もうひとつなくならないでほしい紙の本のアンドプレミアムの毎日を心地よくするヒントの雑誌を買い、ひとり夏の心地よい夜風にあたりながらエメラルドグリーンのシャツを着てほろ酔いでのんびりと歩いて帰った。
