8月22日(木):オーバーツーリズムに対処する3つの観点
昨日は日経新聞の記事を引き合いにオーバーツーリズムのことを取り上げました。
同記事で触れていたのはバカンスシーズンの欧州で、フランスのパリ、スペインのバルセロナ、イタリアのベネチア等、深刻なオーバーツーリズムに頭を悩ませている現状が記されていました。
これは日本にとっても対岸の火事ではなく、現在進行形で抱える重要な問題で国内でも富士登山や京都、沖縄はその代表例で、私の身近なところでいえば鎌倉でも目に見える形でオーバーツーリズムが生じています。
観光客の増加はその地域に恩恵をもたらす面もありますが、コントロールができない状況になると自然環境の破壊、地域住民の生活への悪影響を中心に様々な問題を引き起こすため、建設的な対応が必要です。
本件に付随して書籍「オーバーツーリズム解決論 ‐日本の現状と改善戦略‐」を手に取ってみましたが、解決に向けた考え方や手法が示唆されていました。
同書では、まずオーバーツーリズムを引き起こす要因として、観光客の「量」と「質」に言及しています。
前者の量はその地域が受け要られれる物理的なキャパシティ(宿泊施設数、交通インフラの運行状況、駐車場やトイレなどの設備数など)を超えていくケースです。
後者の質は、いわゆる観光客の節度・マナーの部分に起因した問題ですね。
ある地域では2019年のコロナ前よりも訪日外国人観光客が少ない状況ながら、オーバーツーリズムの問題がその時以上に深刻になっているのは、単純な観光客数だけでなく、質によって左右されることを示しています。
一口にオーバーツーリズムといっても、問題が生じている原因が量に起因するのか、質に起因するのか、それによって対策のあり方もかわってくる旨を説明していました。
そのうえで同書がオーバーツーリズムのコントロール方法として3つの切り口として提示しているのが「規制的手法」「経済的手法」「情報的手法」です。
●規制的手法
立ち入り許可制、入込者数の制限、車両乗入れ禁止、ガイド同行義務づけ等
●経済的手法
宿泊税や入山税の徴収、協力金の要請等
●情報的手法
混雑カレンダーの提供、事前講習、マナー改善を求めるポスター、分散を促す案内、ナッジ等
オーバーツーリズムを引き起こす原因がキャパシティに対する量的な問題から来ているケースであれば、先のなかで「規制的手法」での対応で直接的に定量的なコントロールをかける方法がひとつでしょう。
また今年から富士山で入山料を課したように「経済的手法」を加えて、量的なコントロールを意図する方法もありますし、双方を組み合わせるのがもっとも効果的ですね。
一方、オーバーツーリズムが観光客の質に起因しているのであれば、「情報的手法」によって改善を図っていくことが入口になってきます。
オーバーツーリズムは現在進行形で生じているし、ひとつのアクションだけでキレイに解決するものでもないので、まずは問題の原因にそって3つの手法を上手く選択、あるいは組み合わせていくのがベターだろうと思います。
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