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誰でもわかる円安が止まらない理由3:​デジタル敗戦と観光立国の虚像。日本円が売られ続ける真の理由2

我々は日々、当たり前のようにAmazonで買い物、Netflixで映画鑑賞、Googleで検索を行い、Instagramに写真を投稿している。スマートフォンやPCを手にしている時点で、我々の生活の大部分は米国製サービスに支配されていると言っても過言ではない。また、TikTokに興じれば、それは中国のサービスを享受していることになる。これらはもはや日常生活に欠かせないインフラだ。

​翻って、日本企業のサービスはどうだろうか。海外でこれほどまでに浸透し、外貨を稼げているサービスが果たして存在するだろうか。日本発のサービスが生まれたとしても、そのほとんどが国内市場という「コップの中」で完結してしまっているのが現実だ。

​結局のところ、このデジタル分野においても日本企業は外貨を稼げず、我々日本人が海外サービスを利用するたびに、円を売ってドルを支払うという構図が定着してしまった。膨大な日本円がデジタル経由で米国などへ流出し続けているのである。

​では、日本はサービス分野で全く稼げていないのか。唯一と言っていいほど稼げている分野がある。それが「外国人観光客(インバウンド)」だ。昨今、街にあふれるほど訪日客が増えた。日本政府が必死に観光客誘致に躍起になっているのは、ここがサービス収支において唯一外貨を稼げる希望の光だからである。

​しかし、これは手放しで喜べることなのだろうか。むしろ、情けないと思わざるを得ない。

​結局のところ、円安によって「日本が安くなった」から観光客が来ているに過ぎない。しかも、観光という古くからある単純な産業に頼り切っているのが実情だ。対して米国や中国は、最先端のテクノロジーと斬新なアイデアを武器にしたサービスで世界を席巻している。この対比こそが、日本政府、日本企業、そして日本社会がいかに旧態依然とした体質から抜け出せていないかを如実に物語っている。この現状には、ただただ落胆するばかりだ。

​現状を整理すると、以下の3点に集約される。

​デジタル・プラットフォームの欠如: アプリや商品販売サービスを米中に依存し、円を売ってドルを買う支払いが常態化している。

​観光一本足打法の危うさ: 日本には外国人観光客以外に、目立ったサービス収支の収入源がない。

​深刻なサービス収支の赤字: 今年度のサービス収支は約4兆円もの赤字を記録。それだけの規模で「円売り・ドル買い」が発生している。

​前回の記事で指摘した「貿易収支の赤字」に続き、この「サービス収支」までもが赤字なのである。あらゆる場面で日本円を売り、外国通貨を買わなければならない構造が出来上がっている。これこそが、国力の減退が通貨安(円安)に直結している真の原因だ。

​かつての経済大国・日本は、今や見る影もない。これほどまでに情けない国になってしまったことが、悲しくてならない。長年にわたる自民党政権の停滞、そして「出る杭は打たれる」「上が正しく、下は従え」という日本人の思考停止が生んだ弊害である。

​今こそ、日本は変わらなければならない。このままの構造を放置すれば、この国に未来はない。その瀬戸際に立たされていることを、我々は真摯に理解すべきである。

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