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【人狼ゲーム】「襲うべきは予言者、でも失敗が怖い」…その迷いはどこから来るのか

本記事の前提として対面人狼における14人のアルティメットルールに基づく。(予言者は占い師と同等とする)

2日目、村全体から信任を得ている予言者(対抗は信任が薄く人狼仲間に人間判定を出している狂人)と、1人で確定した霊媒師が並び立つ盤面。
人狼視点では「予言者を襲撃するのが定跡」と分かっているのに、騎士の護衛がちらつく。
しかも14人村で襲撃失敗=“処刑できる回数が1回増える”(=村に1日分の猶予を与える)という重いペナルティつき。
結果として、人狼は高期待値の一手(予言者襲撃)と、確実性の高い一手(霊媒師襲撃)の間で苦渋の決断を迫られる。

ここでヒト("人間"は人狼ゲームで用いられるためあえてカタカナ表記)が働きやすいのが、
損失回避・現状維持バイアス・分析麻痺・後悔回避のいずれかだろう。

人狼の心理:期待値より「失敗した時の痛み」を過大評価しやすい

1)損失回避

ヒトは同じ大きさの“得”より“損”を強く感じるようにできている。
この局面での「損」は1襲撃ミスではなく…
・吊り縄が1回増える(村人陣営が1回多くミスしてもよい)
・真役職が2人とも生存している状態で1日を過ごさなければならない
・狂人の囲いを追われる
よって人狼は、理屈で「予言者襲撃」と分かっていても、身体感覚としては「護衛されたら著しく不利」に引っ張られやすい。

2)現状維持バイアス

ヒトは考える時間が長くなるほど変化による損失を過大評価してしまうため、今と大きく変わらない選択を安全だと感じやすくなる。
予言者を襲撃して失敗するのと霊媒師を襲撃するのではどちらも予言者の結果が1つ開示されることには変わりないため処刑回数の増減に価値を重視してしまう。
そうなるとリスクを背負わなくなり、結果として無難・保守的な選択肢(霊媒師襲撃)に傾きやすくなってしまう。

3)後悔回避

「予言者を襲って失敗した」後悔は、チームゲームだとさらに増幅する。
いつものメンバーと人狼ゲームする上ではあまり影響はないが初対面の方と人狼同士になったときは失敗の追及を恐れる可能性がある。
失敗することによる(延いてはゲームに敗北)責任を追及されて後悔するぐらいなら安全策の襲撃に流れることは考えられる。
穏やかな性格であるヒトほどこの傾向になりやすい。
やっぱり怒られたくはないのだ。

4)分析麻痺

上記の"後悔回避"に近いが失敗のリスク想像(妄想と言った方がいいか)を重ねすぎると、決断そのものをしたくなくなることがある。
人狼の襲撃フェイズにおいて考えても考えても出てくるのは失敗に対する恐れであり正常な判断ができなくなる。
予言者襲撃に失敗したらどうするかだけ考えればいい状態で「霊媒師襲撃に失敗したらどうしよう…」と考えている状態は分析麻痺に近しいだろう。

騎士はどちらを護衛すべきか?

基本は「予言者」だが条件がある。

予言者を護衛した方がいいとき

・霊媒師がいなくなっても村を正しい推理に導ける状況を築ける場合
・いわゆる白圧迫を重視する場合(人狼が強気の襲撃をした場合に備えたリスク回避)
・処刑回数を増やせなくとも村人っぽいヒトが多くいる場合
・人狼が襲撃フェイズで長考しなかった場合

霊媒師の護衛を考えた方がいいとき

・処刑したヒトが人間か人狼かをはっきり知りたい場合
・予言者がいなくなっても村を正しい推理に導ける状況を築ける場合
・人狼が襲撃フェイズで長考した場合

人狼の長考を活用せよ

アルティメット人狼ルールにおいては人狼の襲撃→予言者→霊媒師→騎士の順番で処理が進む。
予言者と騎士は長考タブー(まだ予言者あるいは騎士が生存していることが分かってしまうのでゲームが成り立たない。わざと長考して真いますよアピールはしないこと)であるが人狼においてはこの限りでない。夜時間が来る段階で人狼は少なくとも1人は生存しているため長考していようがいまいがゲームが崩壊することはない。
騎士にとって人狼の長考は大きな推理材料であり、それを基に護衛先を決めてもよい。

人狼が襲撃フェイズで長考しているときはどんな時か?

・絶対の自信により意見が割れている
・価値観の違いで意見が割れている
・互いに選択権を譲っている
・全員が迷っている

ありがちな局面は予言者か霊媒師の2択でのやり取りとなる。
絶対の自信をもって襲撃先を選ぶヒトは責任追及や多数決によっても意見を曲げないため、このケースに限り予言者襲撃はありうる。
価値観の違いで意見が割れているケースは"後悔回避"により失敗した時の責任追及から逃れたい心理が働き、無難な霊媒師襲撃になりやすい。
全員が迷っているケースについては損失回避や分析麻痺が発生しやすい。迷った挙句リスクが高い選択をすることは考えにくく霊媒師襲撃になりやすい。
このことから長考すればするほど無難な襲撃になりやすい。

騎士第三の選択肢:誰も護衛しない

処刑回数を増やせることを重視し、どちらも護衛しないことができる。(人狼が予言者・霊媒師どちらも襲撃しないのは大損なのでこの変化が選べない)
もし予言者が襲撃されたら翌日は霊媒師護衛、霊媒師襲撃なら予言者護衛と使い分けられる。
人狼からしたら2分の1の賭けに勝ったように見えるため、襲撃が通ったらもう片方の役職者に手を付けようと思うことだろう。
どちらかの役職者は必ず失うが処刑回数の増加・騎士の生存確認・人狼に対する不意打ちなどの利点がある。

人狼はどのような襲撃をすればよいか?

騎士がヒトの心理状態把握に長けていると、襲撃読みをされやすく妨害される可能性が高い。
そこでヒトの心理状態をあらかじめ勉強し、逆手に取ることで襲撃を通すといい。

具体的には
「迷ってるときほどリスクを取れ!」
「ノータイムで無難な方を選べ!」
「わざと迷っているフリをしろ!」

特に迷ってるフリは読みあいを好むタイプの騎士にとっては絶大なブラフを仕掛けることができ、襲撃が通りやすくなる。
(筆者は岡山県で開催されている桃太狼会で実践し、騎士から「小賢しい」と言われた)

ただ騎士が心理状態の把握に長けておらず、システム的に予言者を鉄板護衛している場合は読みあいそのものが成立しない。
またルールの性質上、カードを先に出すのは人狼であり、後からカードを選べる騎士の方が読みあいの点で有利なのは言うまでもない。

注意点

ゲームマナーにかかわることだが、人狼の襲撃時間に関する内容を大っぴらに議論時間で用いるのはやめておいたほうがいい。
開示せず、頭の中で考えたり別な理由を捏造するのはかまわない。
ちなみに筆者は上記の件で窘められた。

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