Photo by
tender_cosmos574
鏡の裏の部屋

鏡の裏にもうひとつの部屋がある
なくした声がまだ響いていて
未来と記憶のあいだに 秘密が眠っている
曖昧に私的
柔らかいほど
透明な欠片
霞んだら
遠いところから
空に溶けた影がひとつ
そっと呼んでいる
いつか
掴みたくて
遥か先
儚い感覚
答えのない領域
鏡の裏にもうひとつの部屋があった
とまらない時間
止められない無常に
感情が裂く無意識
醒めながら
今を繋ぐ
毎秒の上を波って
指先をすり抜ける光が時間に問いかける
なくしたパスワード
思いだせない
どこかで
呼ぶ声は響いたまま
それは未来⋯それとも記憶⋯
閉ざされた扉の隙間から
まだ名のない景色がこちらを覗いている
