見出し画像

#69 幸福は自己責任か、それとも政治の役割か?

「もっと頑張らなきゃ」
「今の現状は自分の努力が足りないせいだ」

私たちはいつの間にか、「自分の幸せや不幸せは、すべて自己責任だ」という見えないプレッシャーの中で生きてはいないでしょうか。

朝起きて満員電車に揺られながら、「もっと稼げる仕事に転職すればよかった」と自分を責める。

将来への不安を感じながら、「貯金が足りないのは自分の管理能力のせいだ」と思い込む。

恋人がいないことも、結婚できないことも、子どもを持てないことも・・・

気づけば全部「自分次第」という物差しで測ってしまう。

けれど、本当にそうでしょうか。今日は「幸福は個人の努力で手に入れるものなのか、それとも社会や政治が用意すべきものなのか」について、一緒に考えてみたいと思います。

・「自己責任論」はなぜこんなに強いのか

自己責任という考え方には、ある種の心地よさがあります。

「自分が変われば人生は変わる」というのは、裏を返せば「自分には人生をコントロールする力がある」という希望でもあります。

実際、努力や習慣、選択が人生を左右する場面は数え切れないほどあります。
健康のために運動をする、スキルを磨いて収入を上げる、人間関係を大切にする・・・

こうした日々の積み重ねが幸福感を高めることに繋がることがあります。

だからこそ「頑張れば報われる」という物語は、自己啓発本やビジネス書、SNSの成功者たちの言葉を通じて、社会にすっかり浸透しました。

・しかし、見落とされがちな「見えない土台」

一方で、この物語には大きな盲点があります。
それは、私たちが立っているスタートラインが、そもそも平等ではないという事実です。

  • どんな家庭に生まれ、どんな教育を受けられたか

  • 生まれた時代の景気や雇用情勢

  • 健康状態や、生まれ持った特性

  • 住んでいる地域のインフラや医療アクセス

  • 突然の病気、事故、災害など

これらはどれも、本人の努力ではどうにもならない要素です。

同じだけ努力しても、置かれた環境によって結果が大きく変わってしまいます。

それにもかかわらず「結果が出ないのは努力不足」という物差しだけで人を評価してしまうと、本当は解決すべき構造的な問題(低賃金、長時間労働、教育格差、医療や介護の負担)が見えなくなってしまいます。

これは、しんどい思いをしている人に「あなたのせいじゃないよ」と言うだけで済む話ではありません。

社会全体で見たときに、個人の頑張りだけに任せていては解決できない問題があるという、極めて現実的な話でもあるのです。

・政治が果たせる役割とは

ここで登場するのが「政治」の役割です。

政治は、個人ではどうにもならない不平等やリスクを、社会全体で分かち合う仕組みをつくることができます。

実際、国際的な幸福度調査で上位に並ぶ国々の多くは、社会保障やセーフティネットが手厚いことで知られています。

もちろん、これは「政治さえ整えば全員が幸せになる」という単純な話ではありませんが、個人の努力だけでは埋められない格差を、政治が埋める余地は確かにある、ということです。

・「自己責任」か「政治の責任」か?|個人と政治の領域を線引きして考えるべき。

ここまで読んで、「じゃあ全部政治のせいにすればいいのか」と感じた方もいるかもしれません。

ですが、それもまた極端な考え方です。

自己責任論を強調しすぎれば、社会構造の問題が個人の内面の問題にすり替えられ、必要な政策論議が置き去りにされてしまいます。

一方で、すべてを政治や社会のせいにしてしまうと、個人が持っている選択の自由や、努力によって状況を変えられる可能性そのものを否定することにもなりかねません。

大切なのは、「個人でコントロールできる部分」と「社会や政治が整えるべき部分」を、きちんと切り分けて考えることではないかと考えます。

【個人でコントロールできる部分】
自分の生活習慣、学び方、人との関わり方

【社会や政治が整えるべき部分】
教育格差、医療アクセス、労働環境、セーフティネット

この両方が噛み合ってはじめて、「頑張った人が報われる」社会が成立します。逆に言えば、土台が壊れたままでは、どれだけ個人が頑張っても報われにくい、ということでもあります。

・最後に

「幸福は自己責任か?政治の責任か?」という大それたテーマを投げかけておきながら、薄っぺらい内容で終始してしまってこと深くお詫び申し上げます。

今回のテーマは一筋縄で「これだ!」という結論が出ませんでした。

人の自由や自己決定を重視する立場からは、「政府の介入が大きくなりすぎると、かえって個人の主体性や意欲を損なう」という指摘があります。

かといって個人の主義・主張を取り入れすぎるのも、権力集中や偏向を招き、社会のバランスが取れなくなり、これもこれで問題です。

どちらか一方が正解というより、社会としてどのバランスを選ぶかという、価値観の問題でもあることは言うまでもありません。

ただ、一つ言えることは「自分の人生には自分に選択権があります」

幸福を手にいれるために、自分で行動起こすか、政治や社会に身を委ねるか・・・

決断・行動は自己責任です。


いいなと思ったら応援しよう!