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僕に袋をください

レジ袋有料化で最も被害を受けたのは誰か?

レジ袋有料化については様々な意見がある。
環境改善につながっていないとか、
マイバッグが面倒だとか、
最終的には当時の環境大臣だったシンちゃんが悪いとか。

僕も最後の意見については、かなり賛同する。
シンちゃんはナイスガイだが、レジ袋の件だけは納得いかない。

ただし、僕にとっては環境問題なんぞどうでもいい。
それよりも、眼前の、鬼気迫る、かなり重大な問題がある。

「レジ袋が買えない」問題だ。

お金がないわけではない。
むしろ小サイズでいいところを、あえて大サイズにしてもいい。
自慢じゃないが、そのくらいの富裕層ではある。

問題は、「コミュ障」だ。

レジ袋有料化以前は平和だった。
店員さんは黙って適度なサイズの袋に入れてくれた。
そして僕は、黙って会計する。

あぁ、なんて素晴らしき時代だったことか...。

しかし有料化によって事態は一変した。
会計の終盤、店員さんが尋ねてくる。
「袋はいかがなさいますか?」

ここで僕は、様々な決断を迫られるわけだ。

袋は欲しい。
だが、「袋ください」と言わなければならない。
適切なサイズとは?
声量はどうする?
野太い声が雑多な店内で通るのか?

サイズが違えば、入りきらない商品を手に持つ自分の姿が、
声量が足りなければ「え?」と言う店員さんの姿が、
声量が過ぎれば、店中の注目を集める自分の姿が脳裏に浮かぶ。

商品の数やサイズ、
マイバッグを持っていない姿から察して、
「レジ袋はLですか?」
そう聞いてくれる店員さんは、
神にも等しい。

ここで、店内でのやり取りを想像してみよう。

「レジ袋ください」
「サイズは?」
「...大で」
「え?」
「ん?あぁ...小で(大は違う、と捉える)」
「え?」
「小で!」

このように、最終的に小サイズのレジ袋を、全店内に向けて宣言することになる。

結局、
小サイズのレジ袋と、
入りきらなかった商品を、
両手に抱える僕。

どうだろう。
環境問題どころではないことが、分かっていただけたのではないだろうか。

僕の恩師は、「目先のことにとらわれずに、先を見据えなさい」と言っていた。
だが、こればかりは譲れない。
先生、僕が環境問題よりも目先のレジ袋にこだわることを、どうかお許しください。

さて、現代社会は多様性の世の中だと謳われる。
しかし、その割には「コミュ障」には目もくれない。
果たして、その状況は本当に多様性社会と言えるのだろうか。

だから僕は決意した。

今週末、
「コミュ障に人権を!コミュ障に社会的地位を!」
と叫びながら街中を練り歩くことにする!

ただ、仲間は集まらないだろう。

だってみんな、
「コミュ障」だから。

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