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手術室・病棟で必ず使う!鎮痛薬の効き方と副作用の基本




AnthsNote 作

はじめに


麻酔科をローテーション中の皆さん、
お疲れ様です。
麻酔科を回っていると鎮痛薬の多さ
圧倒されませんか?


言ってしまえば、
鎮痛薬は「麻薬性(オピオイド)」と「非麻薬性」
2種類だけです。


ただでさえ慣れない麻酔科ローテーションで
1つ1つ闇雲に覚えようとしても、
なかなか覚えられないと思います。


今回は、
臨床現場で使用する鎮痛薬について
頭の中で整理してみましょう!


麻薬性(オピオイド)鎮痛薬:強力な鎮痛と副作用


オピオイドは、脳のオピオイド受容体に作用し、
強力な鎮痛効果を発揮します。
効き目が強い分、
呼吸抑制や吐き気などの副作用に注意が必要です。


1. 手術中の調整役

  • レミフェンタニル(Remifentanil)

    • 特徴: 作用時間が極めて短い薬です(数分程度)。

    • 点滴を止めると、すぐに効果が切れます。

    • 使い方: 持続点滴で、鎮痛度合いを細かく調整する際に最適です。

    • 注意点: 作用がすぐ切れるため、術後の痛み対策を必ずしておきましょう。

  • フェンタニル(Fentanyl)

    • 特徴: モルヒネの約100倍、非常に強力なオピオイドです。

    • 作用発現が速く、複数回投与で血中濃度が上がり術後鎮痛にも有効。

    • 使い方: 麻酔導入時や、手術中の急な刺激、術後鎮痛に使われます。

    • 注意点: 呼吸抑制が出やすいです。覚醒後も呼吸をしっかり見てあげてくださいね。


2. 術後や病棟での疼痛管理

  • モルヒネ(Morphine)

    • 特徴: オピオイドの基本となる薬です。

    • 効果は比較的長く、約4時間ほど持続します。

    • 使い方: 術後の疼痛管理(PCA)や、病棟で使われます。

    • 注意点: 呼吸抑制、吐き気、嘔吐、掻痒感の副作用が出やすいです。

    • 腎機能が良くない患者さんでは、体内に残りやすいので注意が必要です。

  • ブプレノルフィン(Buprenorphine)

    • 特徴: 強力な作用を持ちます。

    • 舌下錠や貼付剤など、色々な種類があります。

    • 使い方: 術後痛や慢性痛の管理に使われます。

    • 注意点: 種類によって効果の持続時間が大きく変わります。

  • トラマール(Tramadol)

    • 特徴: 効き目はモルヒネよりマイルドです。

    • オピオイド作用と、非オピオイド作用の両方を持つ薬です。

    • 使い方: 中程度から軽度の痛み、慢性痛に飲み薬として使われます。

    • 注意点: 他の薬との併用でセロトニン症候群のリスクが上がることがあります。


3. オピオイド拮抗薬:もしもの時の「緊急停止ボタン」


オピオイドによる副作用、
特に呼吸抑制が強く出すぎた時に使う薬です。

  • ナロキソン(Naloxone)

    • 特徴: オピオイドの作用を拮抗する薬です。

    • オピオイド受容体に強く結合し、痛み止めが効くのを邪魔します。

    • 使い方: 麻薬性鎮痛薬を使いすぎた際や、患者さんが呼吸抑制に陥った際に、緊急で投与されます。

    • 注意点: 鎮痛作用も一緒に打ち消してしまうので、患者さんは急に強い痛みを感じてしまう可能性があります。

    • 投与後は呼吸状態が改善しても、薬の効果が切れると再度呼吸抑制が起こる再抑制に注意が必要です。

    • ナロキソンは短時間作用型なので、投与後も継続して観察が必要です。



非麻薬性(非オピオイド)鎮痛薬:オピオイドのサポート


オピオイドの副作用を減らし、
安全に鎮痛効果を高めるために併用されます
(マルチモーダル鎮痛)。

3. 【非オピオイド系】安全性を高める必須薬

  • アセリオ(Acetaminophen)

    • 特徴: 鎮痛作用と解熱作用があり、副作用が少ないため安全性が高い薬です。

    • 使い方: 手術前後の定期的な痛み止めとして、幅広く使われます。

    • 注意点: 肝臓で処理されます。

    • 過剰投与は肝機能障害を引き起こすので注意しましょう。

    • 投与量と間隔(4~6時間)の厳守が必要です。

  • ロピオン / ジクロフェナク

    • 特徴: NSAIDs(炎症を抑える痛み止め)の一つです。

    • 炎症を伴う痛みに特に効果があります。

    • 使い方: 術後疼痛管理としてよく使われます。

    • 注意点: 消化管出血腎機能に影響を与えるリスクがあります。

    • 出血リスクのある患者さんや腎機能が悪い患者さんには原則使えません。



今日のまとめ

  • 鎮痛薬は麻薬性非麻薬性に分けると分かりやすいです。

  • アセリオロピオンは、オピオイドと併用し、副作用を減らしつつ効果を高めるために不可欠です。

  • それぞれの薬の特性と要注意な副作用を把握し、安全な疼痛管理に努めましょう。

  • 麻酔科の知識まとめを確認できる、かつ、持ち運びのしやすい「麻酔科研修ノート」を下に貼っておきました。私も研修医時代に重宝していたのでぜひ使ってみて下さい。


参考文献

・麻酔科研修チェックノート改訂第7版

・「医薬品ガイドライン 鎮痛薬・拮抗薬、ペイン」日本麻酔科学会
・「臨床麻酔科学書」森田清, 中山書店



免責事項

本記事は教育目的の一般的情報提供であり、特定の医療行為・判断を推奨するものではありません。実際の患者対応は必ず所属施設の方針と上級医の指導に従ってください。


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