【子どもへの手紙】中学生の君たちへ。メリットって何なのか、と言う話。

「それをやると俺にどんなメリットがあるの?」
「それやったって俺に何のメリットもないからやらない」
いつだかそんなこと言ってたよね。まあ、それも一つの考え方だよね。

でもさ。メリットって何なのかな。
綴りは、Merit。辞書によれば、価値や利点。
メリットを手に入れられたら、君はどうなるんだろう。
価値や利点という言葉だとつまらないけど、「メリット=幸せ」って置き換えてみたらどうだろう。
そうすると、最初の君たちの言葉はこんな風に言い換えられるよね。

「それをやって俺はどんな幸せを手に入れられるの?」
「それをやったって俺は幸せにならないからやらない」
どうだろう。少しわかりやすくなった気がしないかな?

じゃあ、幸せについて考えてみよう。
少し話は飛ぶけれど、クリスマスキャロルって小説があってね。高利貸しのスクルージ爺さんの話なんだ。
爺さんは人に金を貸すことを生業にしている。この爺さんにとって、人にお金を貸して利息を得ることがメリットな訳だよ。で、この爺さん、稼いだそのお金を自分のためにせっせと溜め込んだり、自分の楽しみのためにだけ使うんだ。お金を貸すための会社を経営してるんだけどね。そこに働いている人の給料は無茶苦茶安かったりするんだ。
ディケンズ爺さんから金を借りる人にとって、必要なお金を借りられることはメリットだよね。でも借りたお金は返さなきゃならない。返す時には借りたお金に利息つけてを払わなきゃならない。利息はデメリット。言い換えれば、借りることは幸せで、利息は不幸せ。
でさ、スクルージ爺さんに話を戻すよ。
スクルージ爺さんのメリット=幸せは、お金を借りた人のデメリット=不幸せなんだよ。これ、わかるだろう?
もっと酷い例をあげようか。特殊詐欺。オレオレ詐欺とも言うね。
詐欺を働いて得られるお金は、騙された人の不幸せの上に成り立ってる。わかりやすいよね。

で、またスクルージ爺さんの話に戻るんだけど。
小説の最後にはスクルージ爺さんは周りの人々を幸せにするために何をするかを考えて行動する人になるんだ。自分が得たメリット=幸せを使って、みんなを幸せにするために何かをする人になるんだよ。その何かが自分にメリットをもたらすかどうかはわかんないけれど、それをすることで自分が幸せになれる=メリットを得られるってことに気づいたんだね。

回りくどい話ですまないね。もう少しつきあってほしい。
自分にとってメリットがあるかどうかはわかんなくても。
何かをすることで、君たちは何かを得ることができる。
時には何かを失うこともあるだろうね。例えば時間とか。少しのお金とか。

でもさ。
世の中の誰かが幸せになるようなことをしていたら。
幸せになった誰かがまたきっと誰かを幸せにするんじゃないかな。
そしてそれが巡り巡って、きっと君を幸せにしてくれるんじゃないかな。
それがメリットの本当の意味だと私は思うよ。
医者も同じだよね。
自分が誰かに施す治療は、誰かから病を取り去ってその人を幸福にする。誰かが幸せになって働き続けることで、また誰かを幸せにする。そうやって社会が回って、いろんなことが巡り巡って自分も幸せになれる。

そんな考えで生きていく人に、君たちになってほしいと、私はいつも思っているよ。

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