イタリア語 時制の一致 5
こんにちは、Minoriです。久しぶりの投稿になってしまいました。実は、一人息子が単身で日本に帰国し、日本の大学を受験しており、遠く離れたイタリアから,そのサポートに追われる日々を過ごしておりました。この度、無事に大学に合格し、ようやく一区切りついたところで,ホッとしているところです。振り返ると、今年は,イタリアの高校の卒業試験に始まり、日本の大学受験と、二つの大きな試験が重なる年で、息子にとっては人生の節目となる挑戦の一年でした。彼にとっても,私たちにとっても 2024年は,忘れられない年になることと思います。いやいや,長かったぁ〜,本当に,長かったです。
というわけで,すっかり間が空いてしまいましたが,記事の投稿を再開していきたいと思います。よろしくお付き合いくださいませ。
YouTubeで学ぶイタリア語。10月は《時制の一致》というテーマで,イタリア人が投稿している解説動画をご紹介してきましたが。《時制の一致》を解説している動画は,まだまだ,途中ですので,11月も引き続き《時制の一致》をテーマに,書いていこうと思います。それでは,前回に引き続き Simona の解説動画の2回目をお届けします。
ちなみに,1回目はこちら。
1回目は,主節の動詞が《現在時制》の場合の,時制の一致のかいせつでした。2回目は,主節の動詞が《過去時制》の場合の,時制の一致を解説してくれます。
それでは,早速いってみよう!
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こんにちは,みなさん。私たちのチャンネルにようこそ,そしておかえりなさい。早速,今日のレッスンのテーマに入りましょう。前回,主節の時制と従属節の時制との関係,つまり《時制の一致》のルールについて話し始めました。今回もそのテーマを続けますが,今回の《複文》で,何が起こるのかを見ていきます。
今回は,主節の動詞の時制が《過去時制》である時,従属節の動詞との間で,どのような時制の一致のルールが適用されるのかを学びます。前回は,主節の動詞の時制が《現在時制》,つまり《直説法現在》の場合の一致のルールを学びました。今回は,直説法現在ではなく,《過去時制》,つまり,主節の動詞に《直説法半過去》や《直説法近過去》を使った場合に,何が起こるのかを見ていきます。
まず,このレッスンを理解するためには,単文複文主節従属節といった概念を知っておく必要があります。まだ,ご存じない方は,前回のビデオをご覧になることをおすすめします。
さて,導入が済んだところで,作業にとりかかりましょう。今回も,主節と従属節の時制の関係,つまり《時制の一致》のルールを見ていきますが,今回は,主節が《直説法の過去時制》の場合です。つまり《直説法半過去》か《直説法近過去》である場合に,焦点を当てます。注意していただきたいのは,今回も(従属節は)接続法でなく,《直説法》についての解説です。
👧 つまり,従属節に接続法を要求しない動詞を,主節に使う場合の時制の一致ということです。
最後にもう一つ注意事項です。このビデオレッスンは、上級者向け、つまりC1およびC2レベルの学生を対象としています。このビデオレッスンを理解するためには、イタリア語のほぼすべての時制や法について,学習を終えている必要があります。例えば、条件法過去直説法大過去の学習を終えていない場合は、このビデオレッスンの内容を完全には理解できないかもしれません。繰り返しますが、このレッスンは上級レベル、つまりC1-C2向けです。
それではビデオレッスンを始めましょう。今日の具体的なテーマに入る前に、前回のビデオレッスンで述べた内容を簡単におさらいしましょう。今回も一致について話しますが、一致とは、複文内で主節の時制と従属節の時制が,時間的にどのように関連するかを指すこと を思い出してください。時間的な関連というのは、主節と従属節の動詞の時制が、過去・現在・未来という時間軸上でどのように接続されるかを指しています。また、主節の時制と従属節の時制の間には,さまざまな種類の接続があり得ることも思い出してください。
主節と従属節の出来事は、《同時》に起こる場合もあれば、《過去》《現在》《未来》という時間軸上で,異なるタイミングで起こる場合もあります。つまり,従属節が主節より《前・過去》に起こる場合や、主節より《後・未来》に起こる場合もあるということです。
前回,主節の動詞が《直説法現在》である場合の,主節と従属節の間に存在する《3パターン》の接続の組み合わせについて学びました。今回のレッスンでは,主節の動詞が《過去時制》,つまり,《直説法半過去》または《直説法近過去》である場合の,主節と従属節との間に作られる接続の組み合わせについてみていきます。
主節が《過去時制》,つまり近過去や半過去である場合でも,主節と従属節の動詞の時制の間には,《3パターン》の接続の組み合わせを作ることができます。
a. CONTEMPORANEITÀ
最初の組み合わせは 同時性です。前回のレッスン同様,例文を見てみましょう。
Ho saputo che sei andato al mare.
君は海に行ったと聞いた。
または
Ho saputo che andavi spesso al mare.
君はよく海に行っていたと聞いた。
👧 sapere の意味は,《知る》ですが,近過去の ho saputo は,「誰かから聞いて,それを知った」という状況を表すので,日本語では「知った」ではなく「聞いた」としたほうが,自然なのではと思い,この訳にしました。
ご覧のように,どちらの文も主節の動詞は《直説法近過去》ですが,従属節は,上の文は《直説法近過去》で,下の文は《直説法半過去》になっています。これは,言いたいことの内容に応じて使い分けます。
主節の時制が《直説法近過去》で,従属節の動詞が《直説法近過去》または《直説法半過去》であるとき,双方(主節と従属節)の行為が,《同時》に起こっていることを示しています。つまり,主節と従属節の動作が同時に起きているということですが,前回のレッスンと異なっているのは,それが,現在ではなく《過去》であるという点です。前回のレッスンでは …。
So che vai al mare.
君が海に行くことを知っている。
という主節も従属節も《直説法現在》の例を学びましたが,今回は,Ho saputo che,sei andatoまたはandavi al mareで,主節と従属節は同時性の関係にありますが,それは《過去における同時性》を表現しています。
同様のことは,主節に《直説法半過去》を用いた場合にも当てはまります。
Sapevo che sei andato al mare.
私は君が海に行ったことを(そのとき人から聞いて)私は知っていた。
Sapevo che andavi spesso al mare.
君が海によく行っていたことを(そのとき人から聞いて)私は知っていた。
主節に《直説法半過去》を使い,従属節で《直説法近過去》または《直説法半過去》を用いることで,《過去における同時性》を表現することができます。
b. ANTERIORITÀ
それでは次に,主節の時制と従属節の時制の間に作ることができる,2つめの関係をみていきます。前回のレッスンでもご紹介したように,2つ目の関係はanterioritàの関係です。
anterioritàとは,時間の流れの中で,従属節の出来事が,主節の出来事よりも《前・過去》に起こることを意味します。どういうことでしょう。今回は,主節が,近過去や半過去といった《過去時制》であるので,従属節はそれ(過去)より更に《過去》であるということになります。したがって,従属節には,近過去や半過去よりも過去を表す時制を使うことになるのですが,その時制は何と呼ばれているでしょうか。それは大過去と呼ばれる時制です。
時間軸で見ると,《現在》《過去》《未来》の中で,《近過去》というのは,この位置にあります。

そして,大過去はそれよりも過去を表す時制です。

また,半過去は,近過去のように固定された時制ではなく,柔軟に時間軸上を動くことができますが,大過去よりは現在に近い位置にあります。

したがって,イタリア語で主節と従属節との間に,anterioritàの関係を作りたいなら …。
Ho saputo che eri andato al mare.
私は君が海に行ったことを聞いた。
Sapevo che eri andato al mare.
私は君が海に行ったことを(そのときは)知っていた。
このような組み合わせの文で表現します。eri andato al mareのは,Ho saputo,Sapevo よりも《前・過去》に起きたことを表しています。ですが,どちらも《過去のことについて語っている》という点については,同じです。主節の時制が,近過去や半過去の《過去時制》であるため,(伝える内容は)過去の範囲内にとどまります。
主節の動詞が,《直説法近過去》または《直説法半過去》で,従属節の動詞が《直説法大過去》である場合,主節と従属節の間には,anterioritàの関係が生まれます。これは,従属節の出来事が,主節の出来事よりも時間的に《前・過去》に起こることを意味します。
c. POSTERIORITÀ
では,主節と従属節の時制の間に作ることができる,3つ目のposterioritàの関係についてみていきましょう。このposterioritàの関係とは,従属節の出来事が,主節の出来事の《後・未来》に起こることを意味します。
前回のレッスンでは,《現在時制に対する未来》は,イタリア語では《直説法単純未来》になると学びました。したがって,主節の動詞が,直説法現在である場合,posterioritàの関係を作るには,従属節に《直説法単純未来》を使いました。
ですが,今回,主節の動詞に《直説法近過去》または,《直説法半過去》を使用しています。つまり,私たちは《過去》について語っています。過去の文脈であるため,《現在時制に対する未来》である《直説法単純未来》は,使用できません。
ここで必要になってくるのが,il futuro del passatoです。これは,主節の動詞が《現在時制》ではなく《過去時制》である場合に使われる形です。
イタリア語における《過去における未来》は,条件法過去で表します。条件法過去というのは,例えば、sarebbe andato, avrebbe avuto, avrebbe mangiato, sarebbe venuto, sarebbe riuscita といった形です。
Sapevo che saresti andato/a al mare.
Ieri ho saputo che saresti andato/a al mare.
例えば,主節が Sapevo che … または Ho saputo che … で,従属節が saresti andato/a al mare. という文を考えてみましょう。この場合,Sapevo ,Ho saputoという過去の時点において,それより未来に|saresti andato/a al mare 《君は海に行く》ということを表現しています。
過去時制の主節よりも,《後・未来》の従属節,つまり《過去時制に対する未来》を作るには,《直説法単純未来》は使うことができず,《条件法過去》を使わなければなりません。
(Ieri) Ho saputo che saresti andato/a al mare.
(これから)君が海に行くことを,昨日,私は聞いた (知った)。
(In quel punto) Sapevo che saresti andato/a al mare.
(これから)君が海に行くことは,(過去のある時点で)私は分かっていた(知っていた)。
どちらの従属節も,《過去の時点》での《未来》の出来事を表現しています。
Sapevo che avresti preso una casa al mare.
君が(これから)海辺に家を借りることを,(過去のその時点で)知っていた。
繰り返しますが,主節に《直説法近過去》か《直説法半過去》を使い,従属節に《条件法過去》を使った場合,両者の間にはposterioritàの関係が生まれます。これは,時間軸上に置いて,従属節の出来事が,主節の出来事より《後・未来》に起こることを意味します。
il futuro nel passatoをより理解するために,次の時間軸の図をご覧ください。

時間軸の図には,《過去》《現在》《未来》が描かれています。まず,《現在における未来》について考えます。
So che domani andrai al supermercato.
明日君がスーパに行くことを私は(今)知っている。
《今日・今》私は,《明日起こる出来事》を知っている,という意味です。主節と従属節の関係を図で表すとこうなります。

従属節が,《未来》に移動しているのが分かりますか?
では,そのまま《過去》に移動させてみましょう。主節と従属節を,そのまま右に移動させます。

主節は Sapevo / Ho saputo ですから,《過去の時点》にあります。その時点で「君がスーパーに ( これから ) 行く」ということを知っていた,ということです。
《過去における未来》が,どこに位置しているかを見ると,主節よりも右の《過去と現在の間》に位置しています。つまり,過去の主節よりは,現在に近い位置にあるのが分かります。したがって,次のように言うこともできます。
Ho saputo / Sapevo che oggi saresti andato al mare.
今日(これから)君が海に行くことを聞いた[知っていた]
さて,これらを踏まえて,今回のビデオレッスンで学んだ内容をまとめましょう。このビデオレッスンでは、主節が過去時制、すなわち,過去形の《直説法半過去》または《直説法近過去》を使用している場合の,主節と従属節の時制一致のルールについて学びました。
主節が《過去時制》で,従属節の動詞に《直説法近過去》または,《直説法半過去》を使用した場合,主節と従属節の間には,同時性の関係が生まれ,主節と従属節の出来事は,《過去の同じ時点》で起こります。
主節が《過去時制》で,従属節の動詞に《直説法大過去》を使用した場合,主節と従属節の間には,anterioritàの関係が生まれ,従属節の出来事が,過去の主節の出来事よりも《前・過去》に起ったことを表します。
主節が《過去時制》で,従属節の動詞に《条件法過去》を使用した場合,主節と従属節の間には,posterioritàの関係が生まれ,従属節の出来事が,過去の主節の出来事より《後・未来》に起こることを意味します。
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はい,お疲れ様でございました。今回はここまでです。では例によって,復習も兼ねて,1〜3で取り上げた Lucrezia の解説と比較してみます。主節の動詞が《従属節に接続法を要求しない動詞》で,直説法の《過去時制》の場合の時制の一致です。
まず,複文における,主節と従属節の《時制における関係性》を表す《3つの組み合わせ》を確認していきます。まずは,主節が《現在時制》の場合は,こうでした。

そして,今回学んだのが,こちらです。

主節が過去時制になった場合,3つの関係性で,それぞれ従属節の動詞には,何を使えばいいのかを考えます。
まず,前回同様,二人の解説で異なるのは,《主節》に用いる過去時制です。Simona は,主節の過去時制には《直説法近過去》または,《直説法半過去》のどちらかと解説していましたが,Lucrezia は,それに追加して《直説法遠過去》も使うことができると言っています。3つの過去時制を主節に使う場合の使い分けについては,こちらをご覧ください。
ですが,従属節の動詞に使う《時制・法》については,二人の解説は同じでした。

主節に過去時制を使った場合の一番のポイントは,posteriorità の関係性を表す場合です。従属節には,《直説法》ではなく《条件法》それも《条件法過去》を使用するという点ですね。
今回も長くなりましたが,お付き合いありがとうございました。次回は,Simona の3つ目の解説動画をご紹介します。主節が《未来時制》の場合の時制の一致です。
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