収穫時期のワイナリー見学
イタリア・トスカーナでは、ブドウの収穫シーズン真っ只中。
9月下旬からトスカーナの主要な品種であるサンジョヴェーゼの収穫が始まりました。
白ブドウの収穫は8月末くらいから始まり、すでに終わりましたが、トスカーナといえばメインはやはりサンジョヴェーゼ。ワイナリーは、収穫で朝からフル稼働しています。
そんな中、キャンティクラシコ地方にあるワイナリー、カパンネッレに行ってきました。
サンジョヴェーゼの収穫
トスカーナのガイオーレ・イン・キャンティにあるワイナリー「カパンネッレ」。ガイオーレ・イン・キャンティの村から急な坂をいっきにのぼったところにあるワイナリーで、村のすぐそばとは思えない雄大な景色が広がっています。

到着すると、ちょうどブドウが運ばれてきていました。

サンジョヴェーゼの収穫が4日前ほどから始まったそう。その日に収穫されたサンジョヴェーゼが入ったカゴがどんどんとセラーに運びこまれ、除梗されていっています。

除梗は、軸部分とフサを分ける作業で、機械によって軸が吐き出され、ブドウの粒の部分だけが発酵用のタンクに入っていきます。

サンジョヴェーゼの粒を味見させてもらいました。熟していて、甘く、おいしい。
皮は厚いですが、生食用のブドウとしても食べられる甘さです。
発酵用のタンクからは、コポコポと発酵する音が聞こえてきました。それも、タンクに耳を当てなくは聞こえないほどの小さな音ではなく、タンクのある部屋に入るとあちこちからコポコポと合唱のように聞こえてきます。
ワイナリー見学は年中できるとはいえ、収穫されたてのブドウを見たり、機械が動いているのを見たりできるとやっぱりおもしろい。
カパンネッレのセラー見学
発酵用のタンクを見た後は、熟成用の木樽のある地下へ。

地面を掘った洞窟のようになっているセラーは、土がむき出しになっています。土といっても、岩のような土壌です。これが、キャンティクラシコ地方の特徴的な土壌ガレストロです。
地下から見ると「こんな岩のような土壌でブドウが育つのか!」と、びっくりするくらいかたい岩です。層になっているので、ブドウ畑の地面に出ている薄い破片は、手でパキッと折れるくらいもろいです。
このガレストロむき出しのセラーは、年間を通して、一定の温度と湿度を保ってくれます。
カパンネッレのワイナリー
ここでカパンネッレの紹介を少し。
カパンネッレは、16ヘクタールのブドウ畑を所有し、年間8万本のワインを生産する小規模なブティックワイナリー(少量高品質のワイン造りをしている生産者)です。
キャンティクラシコ地方にありますので、キャンティクラシコのワインを生産していますが、レギュラー階級のキャンティクラシコは造らず、上の階級であるキャンティクラシコ・リゼルヴァとキャンティクラシコ・グランセレッツィオーネを生産しています。
キャンティクラシコも定評があるのですが、カパンネッレが世界でも有名な理由は「50&50」というワインです。
50&50は、カパンネッレとアヴィニョネージのワイナリーがタッグを組んで造られたワインで、カパンネッレのサンジョヴェーゼとアヴィニョネージのメルローを50%ずつブレンドしたワインです。
アヴィニョネージは、キャンティクラシコ地方ではなく、モンテプルチアーノにあるワイナリー。カパンネッレとアヴィニョネージのオーナー同士の仲がよく、ふたりが一緒に食事をしているときに、お互いのワインを混ぜてひとつのワインを造ろうと話したことがきっかけで50&50が誕生しました。サンジョヴェーゼはカパンネッレで、メルローはアヴィニョネージで醸造・熟成され、どちらかのワイナリーで瓶詰めされています。どちらのワイナリーで瓶詰めされたかは、ボトルの裏に書いてありますので「どっちのワイナリーで熟成されたんだろー?」と見るのもなんだか楽しい。
50&50と並んで有名なワインが「ソラーレ」。
このワインが有名なのは、これまたエピソードがあります。ソラーレは、フィレンツェにあるミシュラン3ツ星レストラン「エノテカ・ピンキオーリ」のハウスワインだったのです。
エノテカ・ピンキオーリといえば、グルメの憧れの的のレストラン。そんなエノテカ・ピンキオーリが選んだワインといったら、やっぱり注目されます。
試飲タイム
収穫中の作業を見て、セラーを見学した後の待ちに待った試飲タイム。
少し曇り空のお天気でしたが、庭のオープンテラスでブドウ畑を眺めながら試飲をしました。

360度自然に囲まれたカパンネッレの庭はまるで天国のよう。そんな中で飲むワインは極上。


まずはロゼワインから。
ロゼも50&50!
赤ワインの50&50と同じく、カパンネッレのサンジョヴェーゼとアヴィニョネージのメルローのブレンドで、ロゼワインの製法で造られています。
ソフトな口当たりで、やさしい気持ちにさせてくれるナチュラルな味わい。少し洗練されたライトなお食事と楽しみたいロゼです。
お次は、白ワイン。
樽熟成されたシャルドネで、厚みはありますが、酸味も感じられます。シャープだけどふくよかで複雑な味わい。2017年ヴィンテージですから、7年経っていますが、まだまだ熟成できそうなポテンシャルです。
そして、キャンティクラシコ・グランセレッツィオーネ。
サンジョヴェーゼ100%で造られるキャンティ・クラシコ・グラン・セレッツィオーネは、とにかくエレガント。酸味は美しく、タンニンはビロードのよう。
意外と多い「キャンティクラシコは苦手」という人にぜひ飲んでいただきたい優美なキャンティクラシコです。
キャンティクラシコでうっとりした後にソラーレ。
力強く、パワーを感じる味わい。サンジョヴェーゼの強さと複雑さが感じられます。
最後は、50&50。
凝縮感が感じられ、洗練された酸味と緻密なタンニン、なめらかで優艶な味わいです。
どのワインもそれぞれのよさがあり、1本1本の満足度が本当に高いカパンネッレのワイン。
自然に癒されながら、チーズとハム・サラミをつまみ、ワインを味わっていると、ずっとここにいたいという気持ちになります。


ワイナリーツアーに行く
フィレンツェ・イン・タスカでは、年間を通してワイナリーツアーをおこなっています。
収穫時期はその様子を見ることができますが、収穫時期以外でもワイナリー現地で味わうワインはやっぱり最高。
ワインは好きなかたはもちろん、ワイン初心者のかたでも満喫して楽しむことができますよ!
フィレンツェ・イン・タスカのワイナリーツアーは以下のリンクから
