AI(Gem)と挑む学年掲示板の新しい仕組み
私は地方の公立小学校の教員をしています。
今年度は、同学年に4クラスある学年の主任として働いています。
現在の学年チームは、若手の先生や本校での在籍年数が少ない先生方が多く、とてもフレッシュな面々です。
学年全体で最低限揃えるべきところは揃えつつも、せっかく若手と組んでいるのだから、日々の業務の無駄はできるだけ一緒に削ぎ落として早く終わり、それぞれの学級で「思いっきり自分のカラーを出してほしい」と考えて日々の学年経営に取り組んでいます。
また、そんなフレッシュなチームだからこそ、学年全体で何か新しいことにも挑戦してみたいとも思っています。。
先日、同学年の先生方とあるテーマについて話し合いました。
それは、自主学習(通称「自学」)ノートについてです。
現状、子どもたちは一生懸命自学ノートに取り組んでいます。
取り組んでいる量や質そのものに大きな課題を感じているわけではないのですが、1学期が始まって2ヶ月が経つと、どうしても「マンネリ化」が起きたり、今授業で学習していることと繋がっていなかったり、その子にとって本当に今必要な学習になっているかという点で、少し課題が見えてくる時期でもあります。
このあたりを学年全体で共通理解を図りながら進めていきたいのですが、日々の業務の多さはもちろん、私を含めて子どもの送り迎えなどの家庭事情もあり、全員でまとまった会議の時間を取ることは簡単ではありません。
先生方が早く帰っていくことはとても素晴らしいことなので、その良さを崩さずに、もう少しいい感じにアプローチできないかと考えていました。
そこで、この課題を解決するための手立てとして導入したのが、GoogleのAIをカスタマイズした「Gem(ジェム)」を使ったアプローチです。
大前提として、せっかく4クラスある学年なのだから、子どもたちの自学ノートはたくさん共有し合いたいという思いがあります。
クラスの中だけで共有するのも一つの手ですが、それだとクラス間での取り組みに差が出てしまう懸念があります。
実は私は2年前、学校全体の自学ノートをタブレット(デジタル)で共有する仕組みを作って実践したことがあります。(真似事ですが)
もちろん今年度もその手法を取ることは可能でしたが、今回は「まずは担任が『こんな自学をしてほしいんだ』という意図を、しっかり子どもたちに伝えたい、同学年で共有したい」という思いがあり、あえてアナログな手法を選択しました。
具体的には、学年の共有スペースにある大きな掲示板を活用し、子どもたちの自学の頑張りを可視化して紹介していく場所を作ることにしました。
ただ、普通に紹介するだけでは面白くありません。
子どもたちのモチベーションを高めるために、例えば「三銃士」や「五つ星」、「神セブン」、「探究(9)ナイン」といった、ちょっとキャッチーな枠組み(世界観)を使って紹介したいと考えたのです。
そこに、その子の努力が全面に出るような、特別なキャッチフレーズをつけてドンと掲示する仕掛けです。
しかし、100人以上いる子どもたちのノートに対して、ゼロから魅力的なキャッチフレーズをひねり出すのは、担任の先生方にとって大きな負担になります。
少なくとも私自身、そうしたネーミングセンスはあまり得意な方ではありませんし、先生によって世界観がズレてしまう心配もあります。
この問題を解決するために作ったのが、今回のGemです。
このGemは、「三銃士」や「神セブン」といった共通の世界観をベースにして、ぴったりのキャッチフレーズを生み出してくれるようにカスタマイズしてあります。
例えば「神セブン」であれば、元ネタであるアイドルのキャッチフレーズのようなトーンの言葉を出してくれます。(元ネタを子どもたちや若手の先生が知っているかどうかは置いておいて)
担任の先生は、その子のノートの具体的な特徴や頑張りを、文字で打ち込んだり、あるいは音声入力でつらつらと話しかけたりするだけでいいのです。
多少長く、まとまりのない話し方になってしまっても、Gemがしっかりと要約した上で、その世界観にカチッとハマったキャッチフレーズを瞬時に作ってくれます。
このGemのURLを学年間で共有しておくことで、同学年の先生方であれば誰もが即座にこのシステムを自分の手元で使うことができます。
先生方は「なんて書けばいいだろう」と悩む必要はなく、ただ目の前の子どものノートのいいところを見取ることに集中できます。
この仕組みがあることで、主任である私一人が作業を抱え込んでパンクすることもないですし、他の先生方がわざわざ「主任、このキャッチフレーズでいいですか?」と確認に来る必要もありません。
お互いの時間を尊重しながら、そこそこの「同一歩調」で、チームとして一体感を持って取り組むことができています。
この「そこそこ」とても大事です。伝われ!
子どもたちにとっても、何気ない自学ノートの掲示が、ちょっとワクワクするようなイベントに変わってくれたら嬉しいなと思っています。
新しい取り組みを始める以上、確かに仕事の工程は一つ増えます。
それが他の先生方にとってどの程度の負担感になるのか、あるいはそれを上回る効果を生むのかは、これからの検証になりますが、まずはやってみようと思います。
1学期も、気がつけば残りあと1ヶ月ほどになりました。
この仕組みを使いながら、同学年の先生方と子どもたちの自主学習ノートの成長を楽しく見守っていきたいと思っています。
