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Soraレストラン🍽️ いなり君の譲渡会


朝は、いつもより少しだけ静かだった。


窓から入る光はやわらかくて、
キッチンには、まだ火も入っていない。

それでも、今日はわかっている。
いつか来ると思っていた日が、ちゃんと来たということ。


クレートを用意すると、
なぜか先に入っていたのは、きなこちゃんだった。


中で丸くなって、こちらを見ている。

「……君は行かなくていいんだよ」

そう言うと、
きょとんとした顔のまま、しばらく動かない。

その横で、いなり君は、
少し離れたところから様子を見ている。

相変わらず、愛想はない。

でも、逃げもしない。


譲渡会の会場は、明るくて、
人の声がやわらかく響いていた。

何組かの人が、足を止める。

「この子、人馴れはしてますか?」

「少し時間がかかるタイプで……」

正直に、そう伝える。

撫でようとする手に、
いなり君は少しだけ視線をよこして、
そのまま、ふて寝を決め込む。


無理はしない。

そういう子だと、わかっているから。

気づけば、時間はゆっくり過ぎて、
その日、いなり君に申し込みはなかった。

帰り道。

クレートの中は静かで、
きなこちゃんは、家で待っている。

……少しだけ、肩の力が抜けた。

「まあ、そうだよな」

ぽつりと、誰にでもなく言う。

玄関を開けると、
小さな足音が、ぱたぱたと近づいてきた。

きなこちゃんが、まっすぐ駆け寄ってくる。

いなり君は、何もなかったみたいな顔で、
いつもの場所へ歩いていく。


キッチンに火を入れる。

今日は、少しだけ手をかけることにした。

やわらかい春キャベツを、一枚ずつはがして、
ゆっくりと、具材を包む。



ことことと、鍋の中で煮えていく音。

やさしい香りが、部屋に広がる。

その横で、油揚げをひらく。

酢飯を、少しだけ詰める。

ひとつは、少し大きめに。
もうひとつは、すこし小さく。

……並べると、なんとなく、似ている。

皿に盛る。

湯気の立つロールキャベツと、
ふたつのいなり寿司。

テーブルの向こうで、
きなこちゃんがそわそわしていて、
いなり君は、少しだけ目を細めている。

「今日は、ここで食べよう」

そう言って、椅子に腰を下ろす。

特別なことは、何もない。

でも、ちゃんと、ここにある時間。



……もう少しだけ、
この場所で一緒に。



今日のいなり君と宙

1番緊張したのは宙だったね🤭



🍧 宙庵の甘味処より。

冷たくて、でもふわふわクリームが
優しいかき氷



譲渡会から帰った夜。

「今日は甘いもの、食べたいですね」

そう言いながら宙が出してきたのは、
とんでもなく大きなかき氷。

ふわふわのきなこホイップの上には、
なぜか、いなり君ときなこちゃんまで乗っています🐾

……ちなみに、
いなり君は少し不機嫌そうでした。



宙庵で作ったかき氷のプロンプトは、こちらのワンラビさんの記事から
お借りしました☺️

【プロンプト】🍧あなたを盛るかき氷|印象や関係性をデコラティブかき氷にする

ワンラビ🐰さん、ありがとうございました💖


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