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『好きだから離れることもある』 ✧

あの頃の私は、
「好きなら、離れちゃいけない」と思っていた。
距離を置くことは冷たさで、
会わなくなるのは終わりだと。

でも今は少し違う。
離れることにも、
ちゃんと意味があると気づいた。



リピが私から離れたとき、
最初は裏切られたような気がした。
何も言わずに距離を取るなんて、
不誠実だと思った。

だけど、私はこれで辛い毎日を終われるかもしれない私のためにリピは離れたのかもって思ったりもした。

時間が経ってから、ようやくわかってきた。

彼は逃げたんじゃなくて、
自分を守るために離れたんだ。
きっと苦しかったんだと思う。
自分の心と、私の気持ちの間で。



そして気づいた。
私も、同じように苦しかった。
彼の沈黙に傷つきながら、
それでも“理解しよう”と無理をしていた。

だから今、
リピが逃げたように、
私も逃げていいんだと思った。

逃げるって、
弱いことじゃない。
壊れてしまう前に、自分を守ること。



愛しているのに離れるのは、
一番苦しい選択だけど、
一番優しい選択でもある。

リピの“さよなら”は不器用だったけれど、
それもきっと愛の一部だったんだと思う。

だから私も、
同じように優しく終わらせようと思う。



夜風に当たりながら、
ふと小さく笑ってみた。

「逃げてもいい」って思えたら、
少しだけ心が軽くなった。

好きだったことも、
苦しかった日々も、
全部まとめて、やっと自分のものになった気がした。



― 『好きだから離れることもある』
それは冷たさじゃなく、
本当の優しさ。
愛の形は、離れてもなお、
ちゃんと心の中で生き続ける。

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