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hosiart
「離れていても、まだ心はそこにある」
秋の風が冷たくなってきた。
スマホの画面を見つめながら、
私はもう何度も同じことを考えていた。
“このまま連絡が来なければ、きっと楽になる。”
でも、
“もう二度と来なかったら、それはそれで寂しい。”
矛盾した気持ちが、胸の奥で静かに絡まっていく。
リピのことを考えると、不安が顔を出す。
会えばまた心が揺れて、
何かを期待して、
そのたびに小さな傷が増えていく気がした。
それでも、ブロックはできなかった。
同情して欲しいわけじゃ無い、ただ私には知ってて欲しいと話した親の介護。
母親のことで悩み続けているリピを、
「もう無理」と切り離すことができなかった。
どこかで、あの人の孤独を放っておけない私がいた。
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最近は、永瀬くんと過ごす時間が増えた。
優しくて、落ち着いていて、
「気を遣わなくていいよ」と笑う彼の声に、
少しずつ心が柔らかくなっていく。
優里の歌を聴くと、
あの頃のリピとの思い出が浮かんで涙が出そうになるけれど、
隣には今、ちゃんと穏やかに笑ってくれる人がいる。
「もう不安になるような関係には戻りたくない」
そう思うのに、
心のどこかで“もし”を手放せない。
“私の気持ちが落ち着いて、
リピもメンタルが安定したら、また会えるのかな。”
そんな未来を、ほんの少しだけ願ってしまう。
⸻
きっとリピも、
離れてほしいようで、
でも完全には切れたくないと思っている。
お互いに、距離を保ちながら心を守っているのだ。
だから、今はこれでいい。
ただ待つんじゃなくて、
永瀬くんや優里と過ごす穏やかな時間に癒されながら、
また会えたらいいな――
そう思える距離で。
焦らず、責めず、
誰も壊さないために、
少し離れた場所でお互いの幸せを祈っていた。
⸻
🕊️ — end —
