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気配りの退場宣告

3連休の最後、
友人と近所でも
評判の美味しい
焼き鳥屋さんに
出掛けました。

席について
まずは乾杯

その後、
ふたりでメニューを
眺めていると
隣の席に
若いカップルが着席

連休最後の日の
デートかと
思ったのですが
どうやら店に来る前に
喧嘩でもしたのか
ふたりの雰囲気は
ギスギス状態

彼氏が飲み物を
頼んだのですが
女性のほうは全く
ノーリアクション
彼を睨み
続けています

彼の方が
『とにかく
飲み物だけは
決めなよ』と
急かしたのですが
その直後、
彼女の放った
一言が強烈でした

『そんなことより
 奥さんとはいった
 いつ別れるの?』


かなりの大声だったので
私たちを含めて
周囲の席に座っている
お客さん全員の
会話が止まりました

『ねえ、去年の
バレンタインから
もう1年よ
本当なら私たち
結婚してるはず
じゃなかったっけ』

さらに彼女の方が
追い打ちをかけます

『今年で私、33歳だよ』
『付き合ってもう6年よ』
『やつぱり別れようよ
 私、もう限界』
『今日も奥さんには
 仕事って言って
 出てきたの』
『私にはどんな嘘を
 付いているのよ
 正直に言って』
『結婚も嘘ってこと?』

あれほど賑やかだった
お店は一瞬にして


静寂


会話だけで
ふたりは
不倫していることは
解ります

ふたりのことに
口出しする気は
ありませんが
他の人の楽しい
食事の雰囲気を
壊すことに
対しては
許せないものを
感じました。


するとそこへ現れたのが
お店のご主人
そしてその二人に
こう呟いたのです


『今日の予約はキャンセルと
 させていただきます
 他のお客様に対して
 迷惑です
 キャンセル料は
 いりませんので
 どうかお引き取り下さい』

その言葉の途中で
彼女は預けたコートを
ひったくるようにして
飛び出し
そのあとを慌てて
追いかける彼氏

2分後
私と友人は
何事もなかった
かのように
お店のま名物ハツと
ボンジリを
頼んでいました。

律儀なのかなあ
彼氏は頼んだ
生ビール代なのか
テーブルの上
1000円札が
置かれていました。

彼女の気持ちにも
律儀でいなよ
ねぇ、彼氏!




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