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江戸時代に学ぶお金 その17:商売は航海である


巻4② 心を畳込む古筆屏風

世のなかに舟というものがあるからこそ、一日に百里を行き、十日に千里の沖を走って、万物を自由にまかなえるのだ。

そのために大商人の心は渡海の舟にたとえられるのであり、宝の島へ渡ってみなくては、打出の小槌で打ち出した銀を量る天秤の音を聞けるものではない。
一生、いわば狭い秤の皿の中をかけまわるだけで、広い世間を知らない人は、かわいそうなことだ。

なんといってもずるくて欲の深いのは日本の商人である。自分さえ濡れなければ、大雨の中を親でもはだしで歩かせるというふうで、肉親でも利益にならないものは相手にしない。
人をだます仕事というものは、あとの続かないものなのだ。正直であれば神も頭に宿り、潔白であれば仏もその心を照らして下さるのである。

運を天にまかせるものと、長崎商いしていた人に、筑前の博多に住む金屋という人がいたが、海上での不運が続き、年来の資本金をすっかりそれに打ち込んでしまって、残るものとしては家蔵ばかりとなってしまった。

(蜘蛛をみて)「あんな虫でさえ、気長に巣をかけて楽しむのだから、まして人間たるものが気短に物事を投げ出してはいけないのだ」と気づいた。

(そしてやりなおして最終的にうまくいき)また昔にかわらぬ大商人となり、奉公人をたくさん召使うような身分になった。

『新版日本永代蔵』(著 井原西鶴、訳 堀切実、KADOKAWA)より


300年たってもお金については何ら変わっていない。

本日の学び
・自分から大きな世界に出ていかないと、大きな宝は得られない。
・正直に商売をすることが大切である。
・たとえ失敗しても気長に考え、またチャレンジしよう。

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