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【デジタル時代のリスキリングの大本命】論理思考その3 三重県は近畿地方なのか東海地方なのか

※論理思考その1を見ていない人はこちら

対立の関係は、ビジネスの文脈で最もわかりやすい言葉でいうと、ミーシー(MECE: Mutually Exclusive Collectively Exhaustive)である。「抜け漏れなく、だぶりなく」という意味である。これは議論の枠組みを考えるために大変重要である。

アンチパターンとして、まずは「抜け漏れあり」の例を出してみたい。

A調剤薬局の戦略部長「わが社のシェアの圧倒的な拡大のために、コンペ撲滅キャンペーンを行う。コンペを全部挙げてくれ」
戦略部員「B社・C社・D社です。その他は中小でコンペにはなりえません」
戦略部長「OKわかった。それでは、この3社のシェアを徹底的に奪う作戦、その名もBCDシェア奪回作戦をつくるぞ。よし頑張ろう。えいえいおー」

結果、どうだったかというと、B社・C社・D社からはシェアを奪ったが、他に奪われた結果、シェア大幅減になってしまった。他というのは誰かというと、Amazonである。競合を考えるときに、既存の相手という枠内のみで考え、潜在という枠が抜け漏れていた、というケースである。そもそもの抜け漏れによる被害は甚大である。

次のアンチパターンとして、「だぶりあり」の例を出す。

近畿地方を統括する営業部長「今期は、三重県の活躍で対前年比+50%達成しました」
東海地方を統括する営業部長「われわれも今期は、三重県の活躍で対前年比+45%達成しました」
営業本部長「ちょっと、おふたりさん、三重県ってどっちなの?」
近畿地方を統括する営業部長「もちろん近畿です。地図帳にもそう書いてあります」
東海地方を統括する営業部長「何いってるんすか、東海に決まってるじゃないですか。気象庁の天気予報を見ればわかるでしょう」
営業本部長「……」

これらのアンチパターンに落ちいらないように、「抜け漏れなく、だぶりなく」物事を分けることは重要である。

それではどうやったら「抜け漏れなく、だぶりなく」物事を分けられるか? 大きく3点考え方がある。

1.フレームワークを使う → PEST、5Force、4C、SWOT、4P など
2.分類を使う → 固定・変動、質・量、過去・現在・未来、産業分類 など
3.数式を使う → 売上 = 客数 × 客単価 など

データを用いた問題解決という観点で、とくに重要なのは3の数式の活用である。

下記に、小売業の場合のROEの分解例を示す。企業にとって重要な総合指標を左上において、それを数式で分解していく。右に行くほど現場に近くなり、その企業のビジネスをあらわす具体的な指標になる。

数式でMECEをつくる例

このように「抜け漏れなく、だぶりなく」指標を分解した上で、各指標をよくするために何をすべきかの施策をマップする。これにより「抜け漏れなく、だぶりない」施策の全体像を作成することができる。

さらに、数式で展開しているメリットとしては、感度分析の活用がある。各末端の指標を1ポイント動かしたときに、最終的な重要指標であるROEにどれくらい影響があるかをシミュレーションできる。その結果を踏まえて、定量的に各施策の優先順位をつけられるようになる。

以上で論理思考の説明を終わりにする。日々のビジネスの中で、常に㋐イコールの関係㋑因果関係㋒対立関係を意識していただきたい。意識することで論理思考力は間違いなく伸びる。


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