【経済的自立に向けた考え方の癖】その 8「同調圧力に流される自分」から、『おかしいことには、おかしいと言う自分』へ
企業向けの戦略コンサルティングは、同調圧力との闘いである。
会社を変えていくことに対して、総論は賛成だが、自分にかかわる各論に入ると反対する。
そういう人々が企業のリーダークラスには沢山いる。
その中に権力をもち、ある程度論理に強い反対人がいると、一気にその人の意見に対する同調圧力が強まる。
そしてその同調がある程度進んでしまうと、そういう空気が作られ、空気の影響を受けやすい日本人は、圧力に屈しざるを得なくなる。
この結果苦境に陥った企業は枚挙に暇がない。
営業のチャレンジしかり、品質偽装しかりである。
そして、これはSNSの世界でも見られる。
ある程度著名な人が、あるニュースに対して一たびご自身の意見を言おうものなら、その人のSNSには、その意見に同調したコメントが山のように投稿される。
そしてその意見に対して反論できるのは、同じくらい著名な人だけである。一般人の反論は無視されるか、つぶされるか、嫌われてブロックされるかである。
結果その人のSNSには、同調圧力に流されたドウチョウマンのみが残ることになる。
私はこういうのあまり好きではない。
それでは、この同調圧力に屈しないためにはどうしたらいいのか?
こういう時は、例の天才AIに聞いてみるのが吉である。
質問者「同調圧力に屈しないためには?」
天才AI「同調圧力とは、周囲の人や社会からの圧力によって、自分の意見や価値観を変えようとすることを指します。これに対して、以下のようなことができます。
①自分の意見を持つこと: 自分の価値観や考え方が正しいと信じていることが大切です。これによって、同調圧力から自分を守ることができます。
②他人の意見を尊重すること: 他人の意見を尊重することは、自分自身を尊重することと同じです。同調圧力から逃れるためには、他人の意見を尊重して、自分の意見を持つことが大切です。
③コミュニケーションをとること: 同調圧力から逃れるためには、他人とコミュニケーションをとることが大切です。意見の違いに対して、和解を目指すことが大切です。
④信念を追求すること: 自分の信念や価値観を追求することは、同調圧力から逃れるために大切です。自分が正しいと信じていることを追求することで、同調圧力から自分を守ることができます。
これらのポイントを踏まえて、同調圧力に屈しないために努力することが大切です。」
教科書を読んでいるかのような回答である。天才AI、日々の進化がすごい。
上記回答の①についてだが、
同調圧力に屈してはいけない戦略コンサルタントは、若いうちから自分の独自の意見をもつことを求められる。
ただ難しいのは、独自の意見なら何でもいいわけではないということである。
誤った方向に進む若手戦略コンサルタントのあるあるは、「とにかく何に対しても反論する」である。
何か声をかけると、毎回「綾小路さん、それは違います。私はこうだと思います」と言われる。
最初は、「なかなか気概のある若者よのー」と思っているが、だんだんそのうちに面倒になってくる。
実際に、うるさい若手にキレている役員を見たことがある。
「お前は、いちいち俺の言うことに反論するな。いいか、世の中の多くのことはそのままYESといっていいことなんだよ。でも、一部どうしても反論しなくてはいけないこともある。その場合は思いきり反論していい。お前は逆なんだよ。どうでもいいことに反論してくるけど、大事なことには自分の意見ないじゃないか。」
なかなかいい意見である。
要は、「同調圧力に屈してはいけないときに、いかに自分の意見を貫き通せるか」、それが肝である。
それでは、具体的にどうやったらいいのか?
この後、同調圧力の権化である常務執行役員に対して、自分の意見を貫こうとする新入社員の奮闘をみていただく。
なにか感じることがあれば、幸いでございます。
< 常務執行役員 v.s. 大学院を出たばかりの新入社員 >
常務執行役員「今回は案Aでいく。異論はないな?」
大学院を出たばかりの新入社員「統計的には、明らかに案Aより案Bのほうが成功の確率は高いです」
常務「はっ、何言ってるの?」
新入社員「ですから、あくまで統計的な見地ですけど、統計的には明らかに案Aより案Bのほうが成功の確率は高いです」
常務「ビジネスは、勉強の世界とは違うんだよ。確率とかじゃないんだよ」
新入社員「わかります。そんな甘い世界じゃないと思います。ただこれだけ明らかな結果を見ると、どうしても案Aで行くのはどうかなと私は思っています」
常務「あなたの個人的な意見なんかきいてないんだよ。今日は、あれだろ、役員のシャドーイングで来てるだけなんだろう。誰が彼女を連れてきたんだ?」
研究所長「すいません……私です」
常務「話が進まないから、余計なことを言わないようにしてくれ」
研究所長「すいません。ただ常務、彼女の言っていることは正しいです。私も一緒にデータを検証しました」
常務「何言ってんだよ」
研究所長「ですから、統計的には明らかに案Aより案Bのほうが成功の確率は高いです」
常務「そんなこと言って、じゃあお前は責任取れんのか?」
研究所長「誰が責任取るとか、そういう話ではないと思います。我が社の将来がかかっているプロジェクトを、本気でみんなで考えることが大切と私は思います」
常務「急にどうしたんだよ。いつも何も言わないのに」
研究所長「私はビジネスのことはわからないから、意見を言う権利はないと思ってました。でも、言いたいことはこれまでもたくさんありました。今回のプロジェクトについて、彼女と検証をしたときに言われたんです。案Aになりそうだって話ですけど、統計的に見て明らかにそれはおかしくないですか? それに対して、私はちゃんと反論できなかった……同じ意見だったからです。ビジネスというのは学問とは違うとは言えなかった……学問がビジネスに役に立つことがたくさんあると思っているからです」
常務執行役員「……」 心の中(なんかいいこと言ってるけど、それを認めたら俺の判断がいらなくなるじゃないか。俺の30年の経験はどうなるんだよ。いっそのことAIに最終判断までさせればいいじゃん。どうなっても知らないけど。ビジネスの決定ってそんな簡単なことじゃないからな)
