[おぼろ草#70]上田秋成『雨月物語』より「蛇性の婬」
溝口健二監督の映画『雨月物語』は、上田秋成の『雨月物語』から「浅茅が宿」と「蛇性の婬」を題材にしている。
「蛇性の婬」を原作としている箇所では、森雅之演じる男が京マチ子演じる美女の物の怪に魅入られる。
この美女は亡者か死霊であり、原作のような蛇ではなかった。
亡者に惚れられるのも恐ろしいが、蛇もまた恐ろし。
妖怪化せずとも蛇は怖い。
舞台は紀伊の国の新宮から始まる。
豊雄は雨宿りの折に美しい真女児(まなご)と出会い、互いに惹かれ、やがて結婚の約束を交わす。真女児は亡き夫のものと豊雄に美しい太刀を与える。
ところがこの太刀は盗品で、豊雄は捕まってしまう。役人たちは豊雄の証言を確かめに真女児の屋敷へ向かうと、そこはかなり荒れ果て朽ちていたが、真女児と思われる女がいた、役人が彼女に近づこうとすると、雷鳴とともに姿を消した。
豊雄は釈放されたのち、姉の住む大和の国へ移り住むことにした。しかし再び真女児は豊雄の前に現れる。
このあと再び紀伊へ舞台が移り、ちょっとした中編小説である。
どこへ逃げても追いかけてくる蛇の邪神。最後は安珍清姫の道成寺まで登場する。
この蛇は豊雄の優男ぶりに惚れた。
私も気をつけねばと…アホか。
