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静かな誇りは、だれにも見えない場所で育った

  誰にも言わなかったけれど、

私は私を誇っている。
──スタイリスト時代の話

昔、私はテレビ番組のスタイリストをしていた。

最初は
「タレントさんに会えるのかな?」
なんて軽くワクワクしていたけれど、

現場に入った瞬間、
その気持ちはどこかへ吹っ飛んだ。

走る、準備する、直す、また走る。
寝る時間も削って衣装を借りに回り、
気づけば終電、気づけば朝。

現場は“憧れ”で立てる場所じゃなかった。

■ 01:スタイリストの裏側 

華やかなのは表側だけ。
本当の仕事は、だれにも見えない場所にある。



■ 02:理不尽に耐えた日々


私はどれだけ頑張っても、
理不尽にきつい言い方をしてくる先輩がいた。

「なんでそんなこともできないの?」
「向いてないんじゃない?」

胸がぎゅっと痛くなって、
帰り道の電車で泣きそうになった日もある。

ある日、先輩がいつものように遅刻して現場に来た。

その瞬間、開口一番。

「……死ね。」

理由なんてひとつもなかった。
ただ、その一言だけが、
刃物のように胸に突き刺さった。

あまりの衝撃に声も出なかったけれど、
すぐ隣にいたヘアメイクさんが
そっと私の背中に手をあててくれた。

「可哀想に…」

その小さな一言が、
あの場で唯一の救いだった。

泣きたくなるほど悔しかった。
でも、その日を境に私はさらに強く思った。

「絶対に負けない。
いつかこの人より先へ行く。」


その気持ちが、
私を前へ前へと押し出してくれた。

私は、毎日心の中で静かに思っていた。

「いつか絶対、越してやる。」

あの人だけには負けたくない。
ただ、それだけだった。

悔しい日も、負けた日も、
それでも前を向いていた。


■ 03:密かな目標──“全局制覇”


そして、私には誰にも言わない目標があった。

どのテレビ局でも呼ばれるスタイリストになること。

「5年で達成できたら上出来」
そう思っていた。

でも実際は――

3年で全局制覇した。

自分でも驚いた。
でも、努力の結果だとも思えた。

5年のつもりが、
3年だった。



■ 04:先輩を越えた、と感じた瞬間


そして、ある日。

先輩が昔担当していたタレントさんから
私宛に直接オファーが来た。

「次の番組、あなたにお願いしたい」

耳を疑った。

その言葉を聞いた瞬間、胸が震えた。

越えるつもりで走っていたけれど、
実際に越えたのではなく、
気づいたら同じ土俵に立てていた。

それは、自分の中で
静かに灯る “誇り” になった。

越えるつもりじゃなかった。
気づいたら隣に並んでいた。



■ 05:あの頃の努力が、今の私の“芯”になっている


華やかさの裏側で、
必死で戦っていたあの頃。

理不尽も、寝不足も、涙も、悔しさも、
全部ひっくるめて走り抜けた時間。

誰にも言わなくていい。
自慢しなくてもいい。

私は、あの頃の自分を誇りに思っている。

あの日々があるから、
起業した今の私が折れないでいられる。

あの日々が、
今でも私の背中をそっと押してくれる。

先輩にも少しは感謝している。
私を強くしてくれたから…

誰にも言わなくていい。
私が知っていれば、十分。



✨最後に

読んでくれてありがとうございました。
あなたの中にも、静かに光る“誇り”がありますように。
どうか、それを大切にできますように。

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