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2-3|なぜ営業マンは自発的に動き出したのか —判断が整うと、人は「競争」を楽しみ始める— (3/3)

前回までの記事では、
外資系を避けていた判断バイアスを外し、
営業と人選を仕組みに落とすことで、
支店月商をたった4か月で倍増させた話を書きました。

今回は、その結果として起きた
人の行動そのものが変わった瞬間について書きます。


判断が整うと「数字」が怖くなくなる

営業マンは以前、
• 外資系への営業は無意味
• 受注できるイメージが湧かない
• 数字はプレッシャー

という状態にありました。

しかし判断の前提を整えると、
• どこに行けばいいか分かる
• どう提案すればいいか見える
• 受注できる実感が持てる

ようになります。

すると自然に、
数字を見ること自体が楽しくなっていきました。


全社ランキングが「遊び」に変わる

当時、全社の支店別ランキングが毎日発表されていました。

以前は「見たくないもの」だったランキングを、
営業マンたちは自分から確認するようになります。
• 今日は何位か
• 今月トップを狙えるか
• あといくつでトップになるか
• あといくつで支店ランクを一つ上げられるか

ここで競争は、
義務や圧力ではなくゲーム性を帯び始めました。

そして自然に支店メンバーの中で
日々の競争が始まりました。
それは日次ではなく、時間単位です。
午前中、午後3時まで、午後6時まで、そして明日の朝まで・・・

これまで数字から逃げていた営業マンが、
今は自分から数字を見に行きます。


罰ゲームの導入

ここで私は、
自分の支店の中だけで、遊び心を導入しました。
営業マン全員に、罰ゲームを作ろうか? と問いかけました。

もちろん全社ではありません。
あくまで「自分たちの世界」の中です。

重要なのは、
管理や強制ではなく、人間心理を使うことでした。
トップを取った人が表彰され、
ビリだった人は次月こそはと思える雰囲気を作りたい。
そんな思いで提案しました。


パンダの貯金箱が「トロフィー」になる

たまたま支店には、
銀行からもらった大きなパンダの貯金箱がありました。

これを、
• 週間トップ営業のトロフィー代わりにする
• 受賞者は机の上に置く
• 翌週、前週の受賞者が次の受賞者に手渡す

というルールをつくりました。
お金は一切かかりません。
制度もとてもシンプルです。

すると営業マンは、
• 自分の机に置きたい
• 周囲に「今週のトップ」だと分かってほしい
• 次も取りたい

と、勝手にステータス性を感じ始めます。


人は「評価」ではなく「承認」で動く

ここで起きていたのは、
ノルマ管理でも成果主義でもありません。
• 周囲に認められる
• 自分が価値を出していると分かる
• 楽しみながら競争できる

という、
承認欲求が自然に満たされる構造でした。

ポイントは、
人を追い立てることではなく、
人間心理が自然に反応する場を用意したことです。


成果を生んだのは「人」ではなく「仕組み」

改めて整理すると、
• 人は変えていない
• 増員もなく、人も入れ替えていない
• 能力開発もしていない

それでも組織は自走しました。
理由は明確です。

判断の前提を整え、
人間心理を効果的に使う仕組みを置いたからです。


学び
• 人は管理されると動かない
• 判断が整うと、自分から競争を楽しむ
• 承認欲求は、コストをかけずに設計できる


第三章では、
【3-1】なぜ優秀な人を入れても成果が出ないのか 
    -二八の法則が示す組織低迷の正体-
【3-2】仕組み化とは平均値管理である
    -工程と確率で営業組織を再設計する-
【3-3】なぜトップ営業マンを優遇するほど、組織は弱くなるのか
    -属人から平均値管理経営へ-
について説明します。

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