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三十六計|特別回第7話 見えている混乱は、誰の利益か ~混戦の計・実例篇~

ここまでの第四套では、
「秩序が崩れ、状況が入り乱れた局面」
で使われる型を扱ってきた。

しかし現実では、

・混乱している側
・騒ぎの中心にいる側

が、結果を握っているとは限らない。

表からは混乱に見える。
しかし裏では、別の場所で勝負が進んでいる。

このように、見えている混乱と、
実際の勝負は一致しないことが多いのだ。


【事例①】

ある業界で、大きな制度変更が起きた。

・現場は対応に追われる
・企業は説明に追われる
・顧客も不安になる

業界全体が混乱していた。
多くの企業は、

・苦情対応
・内部調整
・様子見

で手一杯だった。
しかし一社だけが、

・静かに採用を進め
・有力顧客へ提案し
・将来投資を進めていた

制度変更が落ち着いた頃、
その会社だけが一段抜けていた。

なぜ、混乱期に差がついたのか?


【事例②】

別の会社では、
長年社内対立が続いていた。

・責任の押し付け合い
・情報共有の停止
・会議だけが増える

現場は疲弊していた。
多くの人は、

「誰が悪いか」
「どちらが勝つか」

に意識を向けていた。
しかし新しい責任者は、

・対立の仲裁を急がない
・組織構成を根本から見直す
・承認経路を一本化する
・評価制度を変える

数か月後、
対立構造そのものが消えた。

なぜ、人を変えずに争いが終わったのか?


【事例③】

ある後発企業が、
大手企業の寡占市場への参入を試みた。

当然、

・知名度で負ける
・販売網で負ける
・資金力でも劣る

正面勝負では勝ちようがなかった。
そこで後発企業は、

・大手が重視しない顧客に集中
・小さな市場から支持を集める
・導入しやすさを強化する
・別の価値基準を作る

地味だが、
着実に支持を広げた。

やがて、

・口コミが広がり
・新規顧客が増え
・市場の評価基準が変わった

首位企業が気づいた時には、
流れが変わっていた。

なぜ、弱い側が逆転できたのか?


【分解】

これらに共通しているのは、

・混乱の中心で戦っていない
・正面衝突で決着をつけていない
・結果は隠れた場所で決まっている

という点である。
つまり、

「見えている騒ぎ」
「本当に勝負が動く場所」

は異なっている。
多くの人は、騒ぎそのものを見る。

しかし勝つ者は、
騒ぎで空いた場所を見るのだ。


【問い】

これらの構造は、どの型に当てはまるか。

・第20話か
・第22話か
・第24話か

あるいは、
複数の組み合わせか。

重要なのは、
正解を当てることではない。

・誰が得をしているか
・どこが空いているか
・何が静かに入れ替わっているか

それを見抜けるかどうかだ。
一度この視点を持つと、

・混乱が機会に見え
・静かな動きが強く見える

ようになる。


【まとめ】

混戦の局面ほど、

・人は騒ぎに引き込まれる
・感情で判断しやすい
・目の前の問題だけを見る

しかし実際には、

・混乱時に動いた者
・構造を変えた者
・別ルートから入った者

が結果を握ることがある。

見えている混乱が、
そのまま本質とは限らない。


解答は、「第25話」とともに投稿します。
そちらで答え合わせをしてみてください。


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